014.『出発(1)』
出席番号一番から男女交互にクラスメイトたちの名前が二分置きに読み上げられ、名前を呼ばれた生徒は専守防衛兵士に迷彩柄のデイパックを受け取ると次々と教室を出て行った。中にはペットボトルが三本と、三日分の食料、島の地図、生徒名簿、懐中時計とコンパス、そして――殺し合うための武器が、種類は違えどそれぞれに支給されていると言う。
そしていよいよ、空太の一つ前の
空太はもう一度視線を落とす。外は、どうなっているのだろう。気のせいかも知れないが先ほど、なんとなく誰かの絶叫を聞いた気がした。外で待ってると言った白百合美海はいるのだろうか。そして後から来るクラスメイトをまとめているのだろうか。わからない、けれど、空太は誰も疑ってはいないのだけど、やはりここから出て行くのは恐ろしかった。もちろん、ここにいるのも恐ろしいのだが。
「男子十六番、本堂空太。来るが良い」
ベアトリーチェに名前を呼ばれ、空太は反射的に立ち上がる。すぐに私物の旅行バックを持って机の間の狭い通路を歩く。ここで目覚めて三十分にも満たない頃、ベアトリーチェによって無情にも惨殺された