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2018/09/16 

2020年花菱会。少子高齢化を想定して社会に不満の大きい氷河期世代の育成に力を入れていたが、『名前に反してストレス耐性弱すぎプレッシャー世代』『能力値高いが出し惜しみ定時帰りゆとり世代』『上世代に無意味に担ぎ上げられ踏み台にされても仏の心で微苦笑さとり世代』……という若年層派閥が、意外と大きくなってしまった花菱会。

現状を憂いた西野は「スイス……いや、ここ日本だし。八甲田山に登ろう。富士の樹海でもいいや」と妄言……いや、まともなことを言い出す。俺の兄貴どうしちゃったの。樹海は来世にお預けとして、冬の八甲田では百発百中死んじゃうので秋の遠足に二人で繰り出す。 軍靴の代わりにホームランの音が、軍歌の代わりに六甲おろしが聴こえてくる。「中田。さっきもここ、通らんかった?」「兄貴……」「あっちで大友組が野球してたよな。なんとかっつー若頭の頭で」。歩きだしてしばらくすると、今度は軍靴の代わりに笛の音が。軍歌の代わりに「オーレー俺俺俺ー」と自己主張激しい声が。「怖いなあ……やだなあ……」「さっきとは違う若頭の頭でサッカーしてますね」「いいなあ……俺も健脚なら混ざりてぇなあ……」「兄貴との握手券が入手できなかったからって、搦め手で来やがったな」「アッ、大友君が手を振ってる」「兄貴!あれは罠です!」「危ないアブナイ、下は崖だった」「!?」

西野の下でもてあそばれてきた過去が中田の脳裡を走馬灯のように駆けめぐる。だいたい俺も脚悪くして長いのに、山登りとかマジ酷くね? たぶん死に場所探してるんだろうし、ここで押してもバレなくね? 「エイッ」「きゃあ!」で一瞬でいけそうじゃね? でも大事にされてきたことも思い出しちゃう舎弟の悲しさよ。具体的な内容はちょっと思い出せないけど、まあいいや。「兄貴。ここで一緒に死んでください」「えっ、やだ」「……デスヨネ」「俺、保守派やからな。若年者の安定志向にはついていけるんちゃうかと思うんや」「……サイデスカ」「強いては中田クン、今までご苦労やったわね。ほな、さいなら」「きゃあ」

ツートップの片割れを最近見ませんが……と聞かれた西野会長は、「中田も年でな。本邸の奥の床の間に杖だけ飾ってるの」とニッコリ嬉しそうだったので、「本体どこですか」とは聞けない空気だったとか。まあ中田クンは安定の審判ポジションとして、むこうでも重宝されてるそうです。



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