Oath of snow

未来編
 (そして明かされる雪)

70.「あ、それと、」
71.ついと目が細められる。
72.「───あれ、お姫じゃねぇし」
73.泣きそうで、苦しそうな声。
74.「あの子に何か用?」
75.再びぎゅっと抱き締められる。
76.「私は、生きて帰る」
77.グサッと突き刺さる言葉。
78.「………わかり、ました」
79.だけど私は、
80.「わかった、ですか?」
81.うんうん、納得、納得。
82.「左なんだ」
83.突然の告白に、ぎょっとした。
84.「了平………?」
85.手巻き寿司ねぇ。
86.「ううん、甘えてほしいな」
87.これ、あれ、この声………。
88.「だってなんか、偏りそう」
89.絞り出したような自分の声。
90.「姫君、大丈夫?」
91.どこにも鈴なんてない。
92.「いっちゃ、だめ」
93.なら、俺の言も信じろ。
94.「なにを嗅がせたの?」
95.思わず口を閉じる。
96.「うう、リボ先生ぇ」
97.何それ、聞いてない!!
98.「君の疑問、答えてあげる」
99.背を向けたまま語られる。
100.「裏、球針態」
101.思わずぎゅっと目を瞑る。
102.「違ぁあう!!」
103.声を上げて拒絶する。
104.「あぁ、ありがとう」
105.思わず頭を抱える。
106.「もう無い? 隠し事」
107.えと、誰?
108.「大丈夫だよ、リボーン」
109.その言葉に嘘はない。
110.「うれし、かったの」
111.私の宝物。
112.「奥の、扉………?」
113.だから凪ちゃんは言わない。
114.「わかった。行っておいで」
115.気負わなくて良い。
116.「セクハラ、だめ」
117.いや、それよりも。
118.「潰す? 何を」
119.おや、可愛い。
120.「海、渡ったの?」
121.あ、それはなんとなくわかる。
122.「マーモンからの贈り物だぁ゛あ」
123.私が今、隠している匣についての。
124.「ス、スペルビ? あの、近い」
125.運動部の腕力ぅ。
126.「遊んでる場合かぁ?」
127.そんなの、綱吉が怒るのも当たり前だ。
128.「ええ、なに。説明したよ」
129.約束は守るからね、綱吉。
130.「正座で説教だ。絶対にだ」
131.彼の瞳に宿っている感情が怖い。
132.「そこはツナじゃないのか」
133.もう素直に白状する。
134.「だからどうか、」
135.………あっ、そうだ、怪我!
136.「そんな覚悟必要ないでしょ」
137.む、失礼な。
138.「医務室かな」
139.口の中が鉄錆くさい。
140.「きれい」
141.………遅くなる前に謝っておこうかな。
142.「不安と恐怖では後ろめたいか」
143.あれ、これは私の思い違いかな?
144.「そうです。他でもない貴方と」
145.いや本当、元気になったね?
146.「私の匣兵器たちも出すべき?」
147.ごめん、綱吉。ひどいことを言うね。
148.「あいされていることを」
149.この状態で幹部二人相手にするの………?!
150.「お姫、本当に、普通にちょっと引く………」
151.無し、です!
152.「そういうことだよ」
153.心を震わせる咆哮だ。
154.「あの泣いてた白蘭に、かな………」
155.離してほしかったのだ。
156.「は? 誰と? 何を?」
157.どうしても何もない。
158.(私が、知っている、はずが………?)
159.ごきり、と結界の中で鈍い音が響いた。
160.「大好きなひと?」
161.ご尤も。反論の余地がない。
162.「お前に赤は似合わないよ」




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -