お題です
めちゃめちゃ楽しく書けた忍足(東)のお題です。見て!!!!!!
貴方は忍足で『運命という罠』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/375517
思い続ければ、願いは叶う。
口に出すと怖気が走るような言葉は、私の頭の片隅にこびりついて離れなくなっている。まるで呪いだ。
話は今からおよそ一月前のホームルームの時間。席替えの時に遡る。
クラス委員が作ったクジ。私がテーマパークのお土産のお菓子の缶に入れられた紙片で引き当てた座席はあの忍足の隣だ。
男子と女子が半々のこのクラスで、自分の先の隣が誰であろうと関係はない。忍足だってそう思っていたのだろう。隣同士であったこの一ヶ月。私と忍足は付かず離れずの実にいいお隣さんだった。
言葉で「おはよう」と挨拶をかわすこともなければ、教科書の貸し借りもしない。互いにまるで存在しないようにしていい、気を使わなくて構わない「いいお隣さん」だ。
だが、次の席替えのクジ引きが始まる直前になって忍足はどういうわけだかこれまで二人で作っていた壁を超えてきた。
私がクジを引く番を待っていると忍足は低い声でこう言ったのだ。
「なあ、前の時も思ったんやけど。苗字さん。今度の席替えもまた自分と隣の席になりそうな気せぇへん?」
「まさか」
突然忍足から話しかけられたことに驚いて、返した言葉は必要以上に乱暴なものになってしまった。まずかったかも。と後悔をする私に、忍足はそんなことを気にしていないようで薄情そうな唇でニンマリと弧を作った。
「俺、そーいうの叶ったら面白いなって、つい信じてしまうんよ」
苗字さんも想像してみぃ?案外、実現するかもよ。
月に一度の席替えで沸き立つ教室内では低すぎて聞き取りにくいはずの忍足の声がやたらしっかりと耳に入ってきた。水が一雫、入ってくるようにゾワリと頭の中を撫でられたような怖気が走る。
私は逃げるようにクジを引きに席を立つことにした。
今回のクジ引きは、私の番が回ってくるのは遅い方で。缶の中に小さく折り畳まれたクジの残りは三つしかなかった。
確率的に考えたって、忍足の隣の席はないだろう。そう自分に言い聞かせて、私は缶の隅にある一つを指先で摘もうとする。
その瞬間、さっきの忍足の声が私の中の頭の中で蘇る。紙に向かう指先が私が知らないどこかへ引っ張られていくような感じもする。
そんな、まさかね。
また来月も忍足が隣の席にいる、予感を私は振り払ってクジを引いた。
怖いものは私の若さのパワーかな
貴方は丸井ブン太で『言えるわけがない』をお題にして140文字SSを書いてください。
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たまの贅沢でお茶をしているカフェに名前を聞いただけで美味しいに違いないとわかる期間限定のスペシャルドリンクを飲んでいる。それも「一緒に行こうね」と約束した人とは違う人だ。
とんでもない栄養表記のわりには甘くないな。と味気ないにもほどがある感想をもらしたその人はもう一口それを啜ってから、こちらをじっと見てから薄く笑う。
「丸井がこれを飲むと言っていたな」
柳くんの眼差しには、意地の悪い期待が込められている。
どう返すのがわたしにとっての正解かわからない。どちらともつかない言葉でさえ、約束を破ってしまった罪悪感が募ってしまいそうだ。
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貴方は丸井で『一番厄介な存在』をお題にして140文字SSを書いてください。
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曖昧な関係から「付き合ってる」と意味をつけたところで一度に何もかもが変わるわけじゃない。
次の日から一緒に登下校がすぐできるわけじゃない。
そうするには、丸井と付き合うことになった。と言いたくもない秘密を教えて、もう一緒に登下校しないと女友達に宣言しなくちゃいけないのだ。考えただけでお腹が重くなる。
お題
貴方は丸井で『負けず嫌い』をお題にして140文字SSを書いてください。
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UFOキャッチャーのカニ型のロボットの足が虎のぬいぐるみの頭を少しだけ撫でてから、空を掴んだ。
何度も起きている光景に私は「もういいよ」と伝えようとしたが、すでに次の作戦を練り始めているブン太を見て喉まで出かかった言葉をひっこめてしまった。
どこかで聞いた覚えのある曲と耳馴染みのない電子音とで楽しいを一生懸命作っている空間の中でまるで小さな町のようにたくさん並んでいる大きな箱にいた虎のぬいぐるみを指差して私は「かわいい」とは言ったけれど「あれがほしい」と私は言ったつもりはなかった。
どう聞き違えたのかブン太はそれを聞いて「あれくらいならサクッととってやる」と余裕綽々で言ったけれど、すでに私は二度小銭の両替に使いっ走りされている。きっとあの虎が取れるまで終わらないだろう。三度目の使いっ走りがありませんようにと、私はそっと願うほかなかった。
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