へ
音鳴りゃパーリィだよ。の"へ"!!
丸井
へ
平行線を引いていたつもりが、どこかで定規がズレていて、二つの線はずうっと伸びた先で重なっている。前兆があったことはとっくに忘れたけれど、あらかじめ予期していた出来事。そういうのを運命と呼ぶのではないのか。
始発電車を待つ、深夜のファミレス。グラスの中で溶けかけていた氷を口に入れて転がしながらブン太は、彼女の前でそんなことを考えていた。
ふ
フゥワ!フゥワ!の"ふ"
柳
不協和音一歩手前の調子外れのリコーダーの音色が空から降ってくる。生ぬるい風が吹き抜けると、やっと待ち人からの電話が鳴った。
テニプリ大好き!!
青学と氷帝のアルバム拝聴しました。
あーーーテニプリ好きでよかったなー。滝さん曲かっくいいなあ
とかやってたらびっくりするくらい風邪ひいてるけど、氷帝オールスターズの歌で一日何事もなく過ごしてるし病状最悪のピークが恐らく明日なんだけど立海アルバムくるから寝てる場合じゃないので、明日も元気!
進行状況
▽背に花
チマチマ全部書いてやりたい症候群出てるから文増えても話し進まず
ひ
喉いた〜いの"ひ"
幸村(背に花)
緋色の血が鼻から垂れてきたって動じない。幸村の隣の席の女生徒は、幸村が出会ってきたどんな人よりも無機質で寡黙な人であった。
は、PART2!!
今日で休みが終わるな。さみしいな!の"は"!!!
観月(なんか文通すきそう。おばあちゃんと文通してそう
拝啓
こんにちは。冷たいミルクティーのストローをくるくる回して、グラスについた水のつぶが太陽の光に反射してまるでお星さまみたいにきらきらと光るのを眺めながら、この手紙を書いています。
ここのところ溶けちゃいそうなくらい暑い日が続いていますけど、観月くんはお元気ですか。
ここまで書いて、私はボールペンを放り投げた。
は
はいさい!の"は"!!
幸村
晴れたら、一緒に。という約束は未だ果たされていない。まるでその約束をなかったことにしたいかのような曇り空がここのところ続いている。
の
あーーー明日で静岡から帰れるーぎゃひーーーーの"の"!!
柳
のどかな日曜日の朝の雰囲気をぶち壊すような、けたたましいサウンドが枕元から突然鳴り響く。まだ眠りの浅瀬でたゆたっていたい。なかなか開いてくれない瞼をなんとか開けて、音を鳴らす携帯の画面を見る。後輩の柳からの着信だ。
ネームチェンジ
ハンドルネームを変えました。
ぎすの改めライオネルぎすのです。だからどうしたと言われてしまえばそれまでです。
ライオネルとかクロマティとか横文字でかつリングネームみたいな名前にずっっっとしたかったので変更しました。これからもどうぞよろしく
ね
あ、傘が無い。どうしよう。の"ね"!!
丸井
眠ることを取り上げられているかのように、自然と細めてしまう目を強く瞬きしてどうにか意識を手放すのを主人公は堪えていた。大きく頭を揺らしてしまったときには、寝てもいいとも言われたがそういうわけにはいかなかった。
雨が降るね
あいうえお作文今朝やらなかったから、八割型挫折してる書きかけの幸村の短編置いとくね
授業中の教室より静かだから、少し苦手なんですよ。
ある日、病に伏している幸村のもとに見舞いに来てくれた後輩はそう漏らした。だが、精市からすれば自分が入院しているこの病棟は不揃いな音で溢れかえっているうるさい場所だ。
足の裏を擦るようにして歩く看護師たちの足音。廊下をおぼつかない足で歩く、自分の祖父よりも年が上なのだろう男性の入院患者が震える手で動かす点滴スタンドの鳴る音。見舞いに来た人がひっそりと病状を話す声。精市が手をつけなかった差し入れのケーキと彼の妹が忘れてしまったジュースだけを冷やす冷蔵庫の音。時計の針が秒を刻む音。
一つ一つはたいしたことはなくてもあちらこちらで絶えることなく、きいきい耳に障る音を立てられては、幸村の心は身体をベッドに横たえているように安静にすることなんてできなかった。
こんなところにじっとしていたくない。
そう思うのは、ここを静かな場所だと言った後輩もここをうるさいところだと感じている精市も同じだ。
何かをするためにベッドから出ることを許されない身体のせいで過ぎ行くのがひたすら遅い時間を潰す術を持たない精市は、思っていることとは正反対に、目を伏せてコチコチと鳴る時計の針の音を数えていた。それしかすることがないのだ。
ある程度まで針の音を数えたら、伏せていた瞼をあげて時計を見、進んだ時は自分が数えていた音の数に全く見合わず、両手に足るほどしか進んでいないことにああと声にならない嘆息をもらす。そして、また目を閉じて針の音を数える。精市は、厳格に決められている食事と治療の時刻が来るまでこれを延々とやっている。
こんなにも不毛を極めた暇つぶしをするくらいなら、家族に持ってこさせた気に入りの詩集や見舞いに来た仲間から差し入れられた雑誌や漫画の頁をめくっていれば、少しは退屈もまぎれるだろうに。なんだったら、教科書なり参考書なりを開いて、遅れている勉強をした方がいいに決まっている。
まだ日が高いせいで閉じても暗くなりきれないまぶたの裏の薄闇の中で何度も精市はそう思った。だが、たいして読みたいとも思っていない活字を追っていたり、教科書の内容を覚えようとしていると、だんだんと身体が重くなって妙に疲れてしまうから、否が応でも自分が病を患っている身の上だというのを思い知らされてしまう。それが嫌でたまらない精市は、自らを布団の中に縛り付けてじっと数を数えて時間が来るのを待っていた。
ただ、今日はその不毛な数かぞえからわずかに解放される。
精市は約束の時間が一時間前になると、顔を洗い、濡れたタオルで身体を拭い、寝巻きを替えた。
秒針を数える以外にすることも見つからないままただただ時間がすぎていくことにうんざりし出した頃、病室の扉が三度叩かれた。
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