040.19日目『勝平の自白』


 ――――PM20:00、会議室
果帆
「……………………」
美海
「……………………」
小桃
「……………………」
空太
「……………………」
(…………夜になった。処刑会議の時間。
 …………朝、人狼が誰か特定したと言う白百合は、なにも喋らない。
 …………みんな、白百合を待っていて言葉を発しない。
 ただ、時計のカチカチとした音だけが響いていた)
直斗
「…………美海」
空太
(耐えかねた直斗が言葉を発した)
圭吾
「…………白百合」
冬司
「白百合さん…………」
和華
「……………………」
美海
「……………………」
空太
(みんなの追求を受け、白百合は俯いた。
 体が小刻みに震えていた)
美海
「…………人狼は」
空太
(白百合は震える声で、そう、呟いた)
美海
「……………………勝平くんだった……」
勝平
「……………………」
果帆
「……………………」
和華
「……………………」
勝平
「……………………はぁ」
空太
(…………勝平は溜め息を吐いた。
 …………ここまでかと言う、諦めの溜め息を)
勝平
「……………………そうだ。
 …………俺が、人狼だったんだ」
果帆
「…………勝平!」
勝平
「…………間宮?」
果帆
「っ…………誰が他に人狼だったのか言ってくれ!
 じゃないとあたし…………あたし…………」
小桃
「間宮さん…………」
空太
(果帆……………………)
果帆
「……………………」
勝平
「……………………。
 …………言わない、絶対に」
冬司
「……間宮さんと、……七瀬さんなんでしょ?」
勝平
「…………さぁてな」
和華
「わたしは違うわ」
果帆
「あたしだって同じだ!」
美海
「…………勝平くん」
勝平
「うん?」
美海
「…………ごめんなさい」
勝平
「…………いいよ、事実なんだから」
果帆
「……………………」
果帆
「…………美海!」
美海
「…………なに?」
果帆
「…………お前は……」
冬司
「…………とにかく、今日勝平くんを処刑すれば、
 明日、直斗が、白百合さんの占い結果が本物かどうかはっきりする。
 …………本当に白百合さんが占い師なんだと、はっきりする」
果帆
「っ! そうはさせるかよ!」
冬司
「…………なに?
 …………味方の勝平くんを庇ってるの?」
果帆
「違う! あたしは、村人なんだ!
 勝平の仲間なんかじゃない!」
冬司
「なに…………? 仲間割れ…………?」
果帆
「だから違うんだって!」
和華
「…………間宮さんはどうかわからないけど、
 わたしだって、村人よ。無実だわ」
圭吾
「…………どうだかな」
冬司
「……………………」
勝平
「お前ら、俺が白状したからって争うのはやめろよ。
 …………だからほら、俺に投票しろよ」
美海
「…………勝平くん……」
空太
(……………………勝平)



 ……………………。

 …………………………。


圭吾
「いっせーの、っせ」
直斗
「……………………」
和華
「……………………」
空太
「……………………」
(全員が…………勝平に投票した)
勝平
「…………これで、終わらしてくれるんだな」
冬司
「勝平くん…………」
美海
「……………………。
 …………っ、うぅ……うぅ」
空太
(白百合が、堰を切ったように口元を被って泣き出した。
 …………白百合と勝平は、仲が良かった。
 …………勝平の心から安堵したような呟きに、感情が爆発してしまったのかも知れない)
圭吾
「…………誰か、ロープを用意してくれよ。
 …………俺が、勝平をやるから」
勝平
「いや、いい。
 …………今までも俺が殺してきたんだ。
 自分の後始末くらい自分でやるさ」
空太
「……………………」
(勝平はそう言って、自分でロープをくくり付けた。
 …………椅子に登って、首にロープをかけた……)
勝平
「……………………お前ら」
冬司
「…………なに、勝平くん」
勝平
「…………村人も、…………人狼も、
 …………頑張れ、な。
 俺の…………みんなの分まで、生き抜いてくれ」
空太
「……………………」
勝平
「…………由絵。
 これでやっと…………終われる…………」
空太
(ガタンと椅子が倒れる音が響いて、
 …………勝平は、宙吊りになった。
 しばらく、かっ、かっと鳴いて、もがいて、
 …………次第に、大人しくなった。

 ぶらぶらと、静かになった勝平の体が揺れていた……)



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