033.17日目『17日回目の投票』


 ――――PM20:20、会議室
花菜
「ま、待ってよ、待って!
 うちは人狼じゃない!!」
冬司
「でも占い結果で」
花菜
「違うんだよ!!
 サキが嘘吐いてるんだって!!」
美海
「――――サキちゃん」
空太
(白百合は和歌野を引っ叩いた。
 そして、和歌野の両肩に手を置いて、わなわなと震えていた)
美海
「…………どうして。
 どうして花菜を売るような真似をするの、
 あんなに一緒だったのに…………一緒だったのに…………」

「……………………」
美海
「サキちゃん!!」

「…………村人が勝利しなきゃならないんでしょ?
 …………仕方ないじゃない、人狼だって出たんだもの」
美海
「でもあなた、嘘を吐いてるじゃない!」

「……だから、どうして嘘だと思うのよ!」
朔也
「ちょ、ちょっと待てよ、ストップ!」
勝平
「俺は白百合の気持ちがわかるぜ!
 和歌野にとって、小日向はその程度の存在だったのかよ」
冬司
「本当のこと言ってるとしても、人情的にどうかと思うよね」
花菜
「サキ…………サキ…………、
 なにかの間違い、うち、人狼じゃない……」
美海
「…………そうよ、きっとそうよ!」
圭吾
「白百合はさ……なんでそんなに小日向庇うんだよ?」
美海
「え?」
圭吾
「なんで和歌野が嘘吐いてるってわかるの?」
美海
「だ、だって、サキちゃんは占い師を騙ってるのよ!
 人狼だったなんて……嘘だと思うに決まってるじゃない!」
圭吾
「俺には白百合が人狼で、仲間の小日向庇ってるようにしか見えない」
朔也
「なっ――――」
勝平
「いい加減なこと言うな!!」
空太
(今度は勝平が、竜崎の胸ぐらに掴みがかっていた)
圭吾
「よせよ、暴力は」
勝平
「お前が…………いい加減なこと言うからだろ?」
圭吾
「いい加減じゃねえよ!
 …………これでわかった、小日向と白百合と勝平が人狼だ!」
勝平
「はあ!?」
圭吾
「じゃなかったら白百合を人狼だって言われてそこまで怒る意味がわからない!」
朔也
「ふざけんな!
 俺だっておんなじ気持ちなんだよ!」
圭吾
「朔也っ」
朔也
「俺も…………サキちゃんが嘘を吐いてるようにしか思えない。
 理由はわからないけど、……嘘臭い、昨日からずっと」

「あなたも美海をご贔屓しているから当然よ」
圭吾
「村人認定されてるお前にそんなこと言われたら、
 俺の立場がなくなるじゃねえかよ!」
果帆
「待て、待て! とにかく、落ち着いて」
和華
「そ、そうよ…………これじゃ話し合いができない」
小桃
「もう…………みんなをまとめられる道明寺くんや筒井くんは、死んでしまったものね」
冬司
「そう、そうか、そうだ!」
圭吾
「なんだよ大きい声だして」
冬司
「人狼が昨晩筒井くんを襲撃した理由、
 …………この争いを誘発するためなんだよ!
 彼がいたら、ここまで場が荒れることはなかった!」
直斗
「…………それがどうしたんだよ」
冬司
「みんな……冷静になって、落ち着いて考えて。
 これこそが人狼の狙いなんだから」
美海
「……………………」

「……………………」
圭吾
「……………………」
勝平
「……………………」
美海
「……サキちゃん、ごめんね、叩いたりして」

「……………………」
直斗
「……時間が」
空太
(…………時計は、8時半を回っていた……)
朔也
「…………投票しよう」
冬司
「…………うん。処刑の時間も必要だしね」
花菜
「いや、待ってよ、待って!
 うちは本当に人狼じゃないから!」
冬司
「…………いっせーの、」
花菜
「…………っ」
空太
「っ…………」
冬司
「っせ………………」
和華
「……………………」
小桃
「……………………」
空太
(…………俺は、小日向に投票した。
 ……結果は、こうだった。

 小日向に、和歌野、佐倉、七瀬、果帆、……小田切、直斗、竜崎、俺
 和歌野に、白百合、勝平、朔也…………小日向

 ……………………。)
花菜
「………………………………」
空太
(小日向に……8票……)
花菜
「………………………………」
空太
(…………小日向は呆然と宙を仰いだ)
花菜
「なんで…………」
冬司
「現時点で、……例え嘘でも、人狼認定されてるのは君だけだから…………、
 …………ごめんね」
花菜
「……………………」
直斗
「花菜……花菜…………すまん、すまんっ」
花菜
「…………サキ」

「花菜…………ごめんなさい。
 わたし生き残るから、必ず」
花菜
「うん………………」
美海
「……………………」
花菜
「……………………」
果帆
「……………………」
花菜
「……………………」
朔也
「……………………」
花菜
「…………う、うわああああああああああああああああああああああああああ!!」
果帆
「だ、誰か!」
圭吾
「待て、小日向!!」
冬司
「押さえ付けて!!
 早く! 早く!!」
勝平
「うおおおおおおおおおおおおお!」
花菜
「あああああああぁあああぁあああああああ!!

 ああああああああああああぁあああぁあああああああああぁあああぁあああああああ!!!

 離せえええ離せええええええええええ!!!」
圭吾
「大人しくしろよ!!」
花菜
「サキ……サキぃいいいいい助けて助けてぇええええええああああああああああああ」
美海
「ぁ、あぁぁぁ…………」
果帆
「っ…………く」
和華
「なにも見えない…………聞きたくない!」
小桃
「…………早く! 早く終わらせてあげて!!」
空太
「う、うわぁあああああああああああ!!」
(俺は勝平からスタンバトンを引ったくった。
 …………そして)
空太
「ああああああああああああああああ!!!」
花菜
「ぐ、ぐわぁああああああああああ!
 …………く…………………………」
空太
(…………小日向は、気絶した。

 ………………………………。

 ……………………ゆっくりと、小日向の体が吊られていく……。
 女子と言えど、目黒よりも体格の良かった小日向に、男子たちは苦戦しているようだった。
 …………小日向は、泡を吹いて激しく痙攣していた。

 ………………やがて、動かなくなった)





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