002.1日目『ルール説明』


まだ部屋から出ないで下さい。
空太
「ちょちょちょ、なんかまだ出るなって」
朔也
「なんだ? テレビ……パソコンか……?」

「ああ。PCと連動してるんだろうな」
結翔
「な、なんで?
 なんで俺らが出ようとしてるこのタイミングで!」
和華
「やだ……なんだか怖いわ……」

「どこかで見てるんだろうな……」
空太
「え!?」
(おいおい、そんなの笑えねえよ)
惣子郎
「これは……」
冬司
「うん、大人しくした方がいいね」
勝平
「お前ら、こっちに戻れ」
結翔
「ああん? ふざけんな、関係ねえだろ!
 俺は行くかんな!」
圭吾
「おいおいおい、待ちなさいって」
惣子郎
「目黒、落ち着いてくれ。
 今は要望に従った方がいい」
結翔
「うるせーなあ、離せよ惣子郎!
 従うとか悔しくねえのかよ!?」

「あのさー、
 場を乱すようなことするの控えてくんない?」
結翔
「ああ!?」
美海
「ちょ、ちょっと、アキラもやめて。
 ……結翔くん、あれ、気にならない?
 一緒に見ようよ」
結翔
「…………///
 ま、まあ、白百合がそう言うなら……」
美海
「うん(にっこり)」
結翔
「………………」
空太
(さすが白百合……)


まだ部屋から出ないで下さい。
画面の中央に集まって下さい。


 …………。

「遠隔操作か」
空太
(時間が出てる……午前11時12分……。
 襲われたのはたぶん放課後だったんだから、
 あれから一晩越えたんだ……)
惣子郎
「…………従おう」
朔也
「……ああ」


私立宍銀学園高等学校の皆さん。
おはようございます。
良い夢を見られたでしょうか。


結翔
「ふっざけんな! なめてる!」

「ちょっと黙って」
結翔
「っ…………」
空太
(身元がバレてる……そりゃそうか、
 完全に俺たちを狙ってたってこと?)


まず始めに、
皆さんにはそれぞれ役割を用意してあります。
具体的な指示が記されたカードが
皆さんのポケットに入れてありますので、
後ほどそちらを確認して下さい。


空太
「カード……?」


注)
カードは絶対に他人に見せてはいけません。
見てもいけません。
このルールを破った場合は死亡します。



――――――!!!

果帆
「ちょ、っと、死亡って……」
圭吾
「冗談きついんだけど」
冬司
「……冗談とも思えないけどね」
由絵
「……なにかの比喩じゃないの〜?」

「待て……画面が変わった」


さて、皆さんは市民です。
市民の皆さんは、
自分のことを『村人』と名乗って下さい。
ですが、
この中に三人、『人狼』が紛れこんでいます。
村人の皆さんは協力し合い、
人狼を探し当てて下さい。



「……『人狼ゲーム』だ」
直斗
「『人狼ゲーム』?」

「ああ、外国のボードゲームだな」


夜8時にこちらの会議室に集まり、
人狼が誰なのか話し合いを行って下さい。
話し合いの次は『投票』に移ります。
それぞれ人狼だと思う人を指差して下さい。
一番票を集めた人を夜9時までに
『処刑』して下さい。



注)
処刑とは、
文字通り殺害すると言うことです。
殺害方法は問いませんが、
道具をいくつか用意してあります。
ご活用下さい。



――――!!!?

勝平
「なっ……!!?」
圭吾
「なな、な、なん、な、な……」
花菜
「な、なに……ウソでしょ……」
結翔
「ふざけんな!
 そんなことあるわけねえだろ!」
果帆
「静かにしろよ!
 まだ最後まで終わってないだろ!」
結翔
「ああ!? なんだとてめ――――っ」
空太
「やめろ!!」
惣子郎
「このバカ!
 気持ちはわかるから今は我慢しろ、
 命に関わることかも知れないんだ!」
結翔
「クソっ!」

「……画面が変わったわ」


最多投票者が複数いた場合は、
それ以外の皆さんで決選投票を行って下さい。
決選投票でも票が割れた場合は、
その日の処刑は厳禁とします。



注)
投票結果が出ているにも拘わらず
処刑できなかった場合は、
全員死亡します。


朔也
「…………ちくしょう……」


深夜11時までに、
各自割り当てられた部屋に戻って下さい。
戻らなければ死亡します。
部屋は施錠され、早朝6時までは出れません。
6時になれば自動的に解錠されます。
ただし、三人の人狼はこれに該当しません。



人狼の皆さんは、
深夜0時から2時までの間に、
村人を一人選び『襲撃』して下さい。



注)
襲撃とは殺害すると言うことです。
詳しい方法についてはカードをご確認下さい。
特定の事象を省き、
襲撃できなかった場合は全員死亡します。


由絵
「やだ……もう意味わかんないよお……」
勝平
「…………」
美海
「…………」


これを繰り返し、
勝利が確定するまで続けて下さい。
人狼を全員処刑できれば
その時点で生き残った村人全員の勝利です。
その逆に、
村人と残っている人狼の人数が揃ったときは
人狼の勝利となり村人は全員死亡します。


美海
「ま、待って下さい!」
朔也
「美海っ!?」

「――――――!」
美海
「あ、あの……聞こえてますか!?
 あたしたち、あの、友達なんです!
 もし本当なら、こんなことできません!
 できるわけありません!」

「美海っ、落ち着け、余計なこと言うなっ」
果帆
「美海…………っ」
美海
「あの、あたしっ、拒否します!
 拒否したらどうなるんですか!?
 教えて下さい!」
果帆
「美海っ、ちょっと、黙って!
 下手なこと言っちゃダメだ!」
直斗
「美海っ!」
美海
「だって……だってえ……、
 ひどいよ……こんなの……ひどいじゃない……」
空太
(白百合…………)
冬司
「……そうだよ。俺も、そう思う。
 おかしいでしょ、一方的にこんなの。
 暴行、誘拐、監禁、殺人強要!
 誰か知らないけど、あなたたちがしていることは、犯罪だ!
 それにこんなに大勢を誘拐して、警察が動かないわけがない!」
空太
(そうだ! 警察……っ!
 たぶん、捜索願が出されてるはずだ!
 きっとすぐに、助けが……!)
惣子郎
「落ち着けっ……頼む、犯人を刺激しないでくれっ!
 わかるさっ、白百合も小田切も、言いたいことはみんなわかってるからっ」
小桃
「…………、あっ!
 呼び掛けに応じたわ!」


皆さんには一切の拒否権はありません。
それでも拒否した場合は死亡します。
どのように死亡するかについては
今から流す映像をご覧下さい。
生放送です。



――(画面暗転)――
――(10秒沈黙)――
――(牢屋のような映像)――
――(吊るされた元クラスメイトが二人)――


空太
「あっ!!」
和華
「あ……ああ……」
小桃
「や、……弥重!?」
勝平
「秋尾……っ!!!」



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