さよならは
知らないまま

一年生

うしろの宮くん はじめての日直 宮くんのひみつ 入部理由はヘタクソ あつく、かわく、夏 意外といじわる 侑くんと宮くん いざ、決戦 やさしい背中 余るゆびさきで いっしょの境界線は まふゆの熱 いつかおいしくなあれ 終わりあるネバーランド あまい口実 おしえてあげる 行く春の名は

二年生

私だけが居る教室 届きもしない声 もったいない精神に則り スタートライン 思い出にも浸れない 隣はまだ空いていますか もう、何度目かの 夏のおわり 置き去りの余熱 世界のはしっこを知る 春に待ち合わせ 逃げ道とおせんぼ おなじ屋根の下 一難去って きっと女神はこう微笑む ひとしれず淵に立つ さよならは知らないまま あとがき

もしも

必読 うしろの正面だあれ 癖のある君 特等席に座るのは あたらしい日常 夕さりがまじれば 新葉の友 ふたり居る教室 それを知る人 つむいで、つないで、つぐんで おいしいのある方へ きみの夏に溶けていたい まなつに雪 ビタースイート・ドーナツ お狐さまの言うとおり ぼくらはともだち 秋めく頬はふたつ 明日のずっとその先の 唱えられない呪文 きみのためのコンパス 花芽く枝 冬を識る 渡り鳥の憂い 果てを結ぶ となりの宮くん つぼみが笑んだら 口実のいらない教室 おいしいのあとは ぎこちない春を満たして あとがき
20230908-20231229

番外編

えんむすべ 望むばかりの恋を 題名のないきみと 隣の恋は青い