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劉飛

夏になると蒸し暑くなる。
そして虫も湧いて出てくる季節。
張飛は腕を至る所を蚊に刺されたのか刺された部分が真っ赤に腫れていた。
そして痒いのか爪で掻きむしっている。
「あ〜痒い、だからこの時期は嫌いなんだよな…」
張飛はぼやきながらポリポリと爪で刺された部分を掻いていた。
そんな張飛を見た劉備は張飛の腕を掴む。
「翼徳、掻いたら酷くなるぞ…」
「だって兄者、痒いんだよ!」
「我慢出来ないのか?」
「無理だっ!何で俺ばっかり蚊に刺されるんだよ…」
「翼徳の血が甘いからだろう…」
「んな訳あるかよ。兄者は何で平気なんだ、なんがずりいよ」
「そんな事を言われてもな…」
張飛は文句を言いながらもまた腕を掻いてしまう。
「翼徳、言った側から腕を掻くな。それに血が滲んできているぞ…」
張飛の腕は刺され部分が赤く腫れている皮膚に血が滲んでいた。
爪で掻いたせいで皮膚が傷ついたのであろう。
劉備は張飛の腕に口づけると血を舐め取る。
「ちょっ、兄者何をするんだ…」
「何って消毒だ。雑菌が入ったら悪化するからな…」
「だからって舌で舐める事ないだろ!」
張飛は顔を赤く染めて叫ぶ。
「なら刺された患部に塩を塗り込むと痒みは治まるからやってみるがいい…」
「それで痒みが治まるのか?」
「ああ…」
「なら試してみるぜ…」
張飛は直ぐさま食堂に行くと塩を貰い腕に刷り込みように患部に塗り付ける。
暫くするとあれ程痒かった部分から痒みが無くなった。
「どうだ翼徳…治まったか?」
「すげえな兄者、本当に痒みが止まった。塩で痒みが無くなるなんて不思議だな…」
「これでもう爪で掻きむしる事はないから安心だな…」
張飛は劉備を尊敬な眼差しで見つめていた。
「流石だぜ、兄者…!」
「何、昔からの知恵だ。役に立てて良かったぞ…」
張飛は嬉しくて劉備の頬に口づけた。
「兄者、ありがとうな。これで夏は乗り切れるぜ!」
張飛はご機嫌な様子で食堂から出ていった。
残された劉備は驚いていた。
あの張飛が自分から口づけてくるとは珍しい。
それ程嬉しかったのか極上の笑顔も見れたのだ。
劉備はやっと我に戻ると掌を自分の頬に宛てた。
「全く、翼徳には敵わないな…」
劉備はクスッと笑うと張飛の後を追うように食堂を出ていったのであった。




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31st.Jul.2011


惇淵

暑いこの時期には珍しく大量の雨が降り雷が鳴り響く。
そんな外の光景を夏侯淵は黙って見ていた。
雷が鳴る度にびくびくしながらも綺麗な光が空を走る様は美しいと夏侯淵は思った。
部屋で一人でいた筈なので扉が開く音に夏侯淵はびっくりして悲鳴を挙げる。
「ひやあああっ!!」
「どうした淵!何があったのか?」
部屋に入ってきたのは従兄の夏侯惇であった。
「何だ、と、惇兄だったのか。驚かすなよな!」
夏侯淵は夏侯惇の姿を認知すると文句を言う。
「すまん、驚かすつもりはなかったんだが…」
理不尽に怒られる夏侯惇は夏侯淵を何とか宥めると夏侯淵は要約落ち着いたようだ。
「何をしてたんだ?」
「ああ、窓の外を見ていた。雨が凄く降っている様子だから…」
「ああ、雷も鳴って酷いものだな…」
二人が言葉を交わしていた時、突然大きな落雷の音と共に部屋を明るくする光が空から放たれた。
「うわああんっ!」
夏侯淵は落雷の音に驚き夏侯惇に思わず抱き着いてしまう。
年甲斐にも30近い男が雷を嫌う姿は何故か可愛いと夏侯惇は思ってしまった。
「淵、相変わらず雷が苦手だな…」
「だってあんなに激しい音をして落ちると怖いじゃないか!」
「まあ、見ている分は綺麗だと思うぞ」
夏侯惇は夏侯淵を抱きしめるとその背中をあやす様に撫でた。
「惇兄はよく平気だな…俺は無理だ」
夏侯淵は夏侯惇を見上げながら呟く。
そして縦光りの雷が大きな音を発した。
「うっひゃあっ!も、もう嫌だあ〜」
夏侯淵は雷の音にびっくりして泣き始めてしまう。
そんな夏侯淵に夏侯惇は部屋の中央にある椅子に連れて行き夏侯淵を座らせた。
だが、相変わらず夏侯惇を抱き着いたまま離さない夏侯淵に夏侯惇は溜息をついた。
「仕方ない奴だな。雷が収まるまで側にいてやるからもう泣くな…」
「本当か惇兄…」
「ああ…」
夏侯淵はやっと笑顔を浮かべた。
その笑顔に夏侯惇は惹かれてしまう。
昔から雷が苦手な従弟に自分は弱いと思う。
それは彼を愛しているからだろう。
この温もりを感じる事ができるならいつまでも側にいたい。
「淵…」
夏侯惇はゆっくりと夏侯淵に口づけを落とした。
「んっ…んう…」
夏侯淵は夏侯惇の口づけを受け入れるとその背中に腕を回して引き寄せ更に行為を深めていく。
幾度となく口づけを繰り返す二人は雷の音等、気にしてはいなかった。
夏侯惇がやっと唇を離した頃には夏侯淵はぐったりして夏侯惇に寄り添う。
「大丈夫か淵?」
「んっ…惇兄…」
「何だ?」
「もっと…もっとしてくれよ」
夏侯淵の意外な言葉に夏侯惇はクスっと微笑む。
「お前が望むままに…」
夏侯惇はそう言うと夏侯淵に口づけを再び落としていった。
雷の音等、もう気にしてもいない様子で二人は愛しあったのであった。




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30th.Jul.2011


遼仁

こんな晴れた暑い日は水を浴びて身体を冷やすのが一番と、曹仁は井戸に行き、水を汲んだ。
下穿き姿になると水を汲んだ桶を持ち上げると頭から汲んだ水を浴びさせる。
勢い良く熱を持つ身体を水が流れていく。
水に濡れた身体は一度では体温は下がる事はない。
曹仁は再び井戸に桶を投げ入れ、水を汲んで先程と同じように身体に水を被せる。

「はあ、気持ちいいな…」

鍛えられた肉体に水が滴り落ちる光景。
それだけなのに見る者は今の曹仁が色っぽく見えるだろう。
曹仁はその事に気づく事はなくまた水を頭から被せ、身体を冷やしていく。
その行動を静かに遠目から張遼は曹仁を見つめていた。
想い人が外で肌を晒して水を浴びるだけで欲情が高ぶる。
濡れる身体を見ると思わずゴクリ、と喉を鳴らした。

「そんな所で何をしているのだ張遼…」
「曹仁…殿、さっきから何をしているのだ?」
「何って行水だ…こう暑いと敵わないのだ。少しでも涼を取りたいと思ってな…」
「成る程、確かに一理ありますな…」
「どうだ、張遼もするか?」
「いや、私は結構です。これから殿に頼まれた仕事をしなくてはならないので」
「そうか…」
「折角の誘いなのにすまん…」
「いや、気にするな…」

曹仁が身体が涼しくなったのか布で身体を拭っていく。

「子孝…私が背中を拭いて差し上げようぞ」
「それはありがたい…」

曹仁は張遼に布を渡すと張遼に背中を向けた。
張遼は曹仁の背中を布で拭っていく。
日に焼けていない身体は筋肉に覆われており、とても艶やかであった。

「子孝の肌は綺麗だな、それに触り心地良い…」
「そうなのか?あまりそんな事を気にしなかったな」

曹仁は張遼に背中を拭ってもらいながら呟いた。
背後から見る曹仁が何故が色っぽい。
張遼は思わず曹仁の項にキスして舌で舐める。

「ひゃあっ、な、何をするんだ!」

曹仁は思わず張遼を殴ってしまう。
不意打ちのように殴られた張遼はよろけたが倒れる事はなかった。

「いや、子孝があまりにも色っぽいからつい手がでてしまった…」
「だからっていきなり項を舐める奴がおるか!」
「悪気はなかったんだ、そんなに怒らないでくれ子孝…」

張遼は曹仁を抱きしめると曹仁は黙ったまま抱きしめられる。

「誰かに見られたら嫌なのに何故そのような事をするんだ。張遼の馬鹿…」
「すまない、でも子孝も人が悪い。こんな姿でいたらまるで誘っているようにしかみえんぞ…」
「そんなつもりは私にはなかったのだが」
「だから私以外の者にその姿を見せないで欲しい…」
「わかった…これからは気をつける」

曹仁は張遼に抱きしめられながら顔を真っ赤に染めた。
そんな可愛らしい曹仁の姿に張遼は満足しながら、曹仁に口づけを落としたのであった。




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27th.Jul.2011


超飛

※羽飛前提です。


どうしてこうなったのであろうか?
張飛は目の前にいる男が自分を押し倒している状況に何が何だがわからない様子で張飛は男を見る。

「重いからどいてくれないか馬超?」
「嫌だ…」
「何だと?」
「俺は張飛殿が好きだ。だから俺を受け入れて欲しいんだ!」

馬超は顔を真っ赤にして呟いた。

「はいぃ?馬鹿、何言ってやがる…」

馬超の突然の告白に張飛は驚きを隠せない様子であった。
視線を合わせるのが何故か恥ずかしくなってそっぽを向いてしまう。

「ずっと貴方を初めて合った時から好きになっただから…俺の気持ちを受け入れて欲しいんだ」
「馬超…でも俺には…」

張飛はそこまで言うと突然唇を閉じて何も言えない。
張飛には恋人がいる。
義兄弟である関羽とは親密な関係であった。
それは馬超も知っていた。

「関羽殿に義理立てしているのですか?」
「違っ、そんなんじゃない…」
「張飛殿が関羽殿のものなのが許せないな…張飛殿に相応しいのは俺だ!」

馬超は突然、張飛に口づけてくる。

「んっ…んん…っ!」

張飛は馬超を無理矢理引きはがすが馬超は張飛の身体を押さえ込み再び唇を奪うような荒々しい口づけが施される。

「んむっ…んんっ、んふ〜っ!」

張飛は荒々しい口づけに翻弄される。
息をするのもやっとの口淫に張飛は流されていく。
馬超の舌が口内をはい回る度にゾクゾクとした悪寒にも似た快感が走る。

「んっ、んあっ…ふぁ…あっ」

唇が解放されると張飛はぐったりと床に沈んだ。
馬超は張飛の頬に掌を宛てると囁いた。

「貴方を関羽殿から奪ってやる…貴方は俺のものだ…」
「嫌だ、馬超…俺には兄者が」
「本当に好きなら助けにくる筈でしょ?貴方が好きじゃないから助けに来ないのだろ…」
「違う、兄者はそんな人じゃない!」

張飛は馬超の言葉を否定するかのようにか言う。

「そのうち、俺の方が貴方に相応しいと思わせてあげますよ…」
「なっ…」

馬超の言葉に張飛は恐怖を感じた。
自分には関羽以外を愛してたくはない。
自分には関羽しかいないのだ。
心から信じているのはただ一人だ。

「雲長を愛してる事は決して揺るがない。それに俺以外の奴の方が馬超に合うと思うんだ…」
「だから諦めろと言うのか?」
「ああ…」
「ふざけるな…俺は本気なんだ!張飛殿は俺のものだ!」

馬超は張飛を抱きしめる腕に力を込め離さないようにしていた。
張飛は馬超の気持ちは痛い程に嬉しいが関羽を愛してる以上は報える事は出来ない。
こんなにも胸が痛むのは久しぶりだ。

「悪い…俺は馬超を好きだがお前を恋人として迎えるのは無理だ…」
「張飛殿…」
「そんなにも貴方の心には関羽殿が占めているのか…」

馬超は悔しさに涙を浮かべていた。
張飛はそんな姿を黙って見ている事しか出来なかった。

「俺は張飛殿を好きな気持ちは変わらない。これからもずっと…」
「馬超…」
「俺は諦めが悪い人間でね。張飛殿に相応しい存在になって今度こそ張飛殿を振り向かせてやるぜ…」

馬超はそう言うと張飛から離れると部屋を出て行った。
張飛は立ち去る馬超をを見つめた。
自分を好きと言ってくれる男を想うと何も言えなくなる。
張飛は微かに走る胸の痛みにただ辛い表現を浮かべる事しか出来なかった。



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26th.Jul.2011


惇淵(操淵)

※現代版の話


それは深夜の出来事。
宴会で酔い潰れた夏侯淵に隣にいた夏侯惇は寄り添って眠る夏侯淵に呆れていた。

酒にはそれ程強くもないのに強がり自分の方が飲めると夏侯惇と飲み比べをした。
だが、案の定…夏侯淵は夏侯惇に勝てる所か、負けた上に酔い潰れてしまった。
昔から変わっていないのは夏侯淵の酒癖だ。
まだ酔い潰れたのならましだが、酔い潰れていないものなら手当たり次第に近くにいる者に強烈なハグをした上にキスまでするのだ。
夏侯惇は自分以外の男にハグをしてキスをする光景を見たくはない。
だから夏侯惇は意図的に夏侯淵を酔い潰せたのが正解かも知れない。

「何だ、妙才はもう眠ってしまったのか?」
「孟徳…そのようだ」

曹操は夏侯惇の向かい側に腰を下ろし座る。

「相変わらずの独占欲には呆れるな…元譲」
「何の事だ孟徳?」
「はぐらかすな、儂が妙才の酒癖を知らぬとは思わせぬぞ」
「ああ…その事か。淵に強い酒を奨めさせたのはわざとだろ?」
「まあな…儂にも妙才からハグされたいしキスもされたい。元譲ばかりずるいと思うぞ…」

曹操は夏侯惇に文句を言って酒を一気に呑んだ。
夏侯惇は黙ったまま夏侯淵を抱き寄せて眠る夏侯淵の頭を撫でた。

「言っておくが淵は俺のものだ…孟徳であろうと淵はやらん!」
「言い切りおったか…誠に元譲は妙才を好きなんだな」
「ああ…」

学園の理事長である曹操であるが従兄弟として長年一緒に過ごしてきた仲だ。
多少なりとも我が儘には眼を伏せてきた。
だが夏侯惇は夏侯淵が絡むと人が変わったかのように変貌する。
それは愛しい者を他人に奪われたくない思いがあったからだ。

「まあ、可愛い寝顔を見せてくれたから今回は引いてやる。次こそは妙才は儂のモノにしたいのお…」
「口説いぞ孟徳、淵は誰にも渡さん!いくら身内でも容赦はしない…」
「そんなに目くじらを立てるな…元譲に本気で相手をされたら腕の一本では済まされないからな…まあ、今日は無礼講だ。ゆっくり飲んでいけ…」

曹操はそう言うと立ち上がり曹仁達の元へと向かった。
残された夏侯惇は溜息をついた。
曹操は本気なのか冗談なのかわからない時がある。
今回の事が本気なら用心した方がよいと思った。
ふと夏侯惇は夏侯淵を見ると今までのやりとりを聞いてないのが幸いだと思う。
何も知らずにのうのうと眠る夏侯淵に夏侯惇はゆっくりとキスを落としたのであった。



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26th.Jul.2011


典許♀

※許チョ獣化設定です。


許チョは悩んでいた。
恋人である典韋が隙あらば許チョの胸をよく揉むのだ。
牛特有の母乳が搾られて逆に痛いくらいに。

だから揉むなと典韋に言ったのだが、恋人である典韋は直ぐさま却下するぐらいに。
手をわきわきしながら、典韋は直ぐさま反論する。
「許チョの胸は揉みごたえがあるんだ。胸を揉まずにはいられん、それにこれは俺のだ!」
と許チョの胸をまた揉んでしまう。
許チョは思わず典韋を殴り飛ばす。
「典韋の馬鹿っ!揉まれる方の身を考えてよ。オイラの胸は典韋のおもちゃじゃないよ!」
許チョは叫ぶと逃げ出した。
「待ってくれ許チョっ!」
典韋が引き止めようとするがその身体を捕らえる事は出来なかった。
許チョは同じ獣化した曹仁の元に訪れる。
「曹仁…ちょっといいか?」
「どうした許チョ、何かあったのか?」
「ふええん…」
許チョは曹仁にだきついたと思ったら泣きはじめた。
突然の事に曹仁はオロオロしてしまう。
「一体何があったんだ?理由を話せ…」
「実はね、典韋が変態になったんじゃないかって思ったんだ…」
「えっ?」
「だって、オイラの胸を揉む癖があるんだ…」
許チョは曹仁に理由を話し出す。
(あ〜、成る程な。まあ許チョは牛に獣化したから仕方ないが…)
「どうしたら良いんだ?典韋は変態になっちまっただか?」
「そうだな…暫くは典韋にはおさわり厳禁にしておかないと駄目だな」
牛に獣化したが中身は女性だと言う事に典韋は忘れているのだろうか。
デリケートな身体と精神の持ち主なのを忘れているに違いない。
「なら暫くは私と一緒にいよう…一人っきりにならない方がいい。私と一緒にいるのは嫌か?」
「ううん、曹仁は頼れるから一緒にいるの好きだ…」
許チョは曹仁にだきついてほお擦りする。
安心したのか笑顔まで浮かんでいた。
「そう言ってくれると私も嬉しいぞ…」
曹仁は許チョの頭を優しく撫でた。
それから許チョは典韋を避けるかのように曹仁と一緒にいる時間が多くなった。
典韋とばったりと会った時は許チョが曹仁を連れて足早に立ち去ったりと何かと許チョは典韋を避けた。
典韋はすっかり嫌われてしまったのではないかと落ち込んでしまう。
「許チョ…少しはやり過ぎではないか?典韋があんなに落ち込む姿は初めて見たぞ」
「オイラも避けたくなかったが典韋が少しでも反省しているなら許してやるだ…」
「はあ…そうなんだ」
まあ、典韋の様子を見ていた曹仁は許チョの言葉を聞いて呆れた。
「とりあえず仲直りしてきてはどうだ?」
「うん…」
曹仁の言葉に許チョは典韋の元へと向かった。
典韋の屋敷に辿りついた許チョは扉を何度も叩いた。
「典韋、典韋…!」
「誰だ…、うるさいぞ…って、許チョ!?」
「典韋…話があるだ、今暇かな?」
許チョが典韋に話を進めようとすると典韋が突然、許チョの腕を掴み引き寄せ抱きしめた。
「許チョ…ずっと避けられていたから俺は嫌われたんじゃないかと思った…」
「典韋…ごめんね。だって典韋が会う度に胸揉んでくるからオイラ怖かったんだ…」
「すまん…怖がらせていたなんて思わなかった…」
許チョは自分の身体が牛になった為、母乳が出やすくなったのが原因だろう。
典韋がまるで変わったかのように許チョの胸に固執して、揉んでしまう。
それが許チョにとっては嫌だった。
好きなのに何故か一方的な行動が許チョに恐怖心を与えてしまったのだ。
「典韋…もう、乱暴に扱わない?」
「ああ…」
「以前のように優しく触れてくれる?」
「ああ…優しくする。許チョを悲しませないと誓う」
「もう、自分勝手な行動はしないよね?」
「しない、許チョに一言言ってから行動する…」
「なら、許してあげるだ…典韋、ちょっと屈んでくれる?」
許チョはそう言うと典韋は言われた通りに屈んだ。
ちょうど、二人の視線が近くなると許チョは典韋の頬にキスをする。
それは触れるだけのキスだったが、典韋はそれだけでも嬉しい。
何せ、久しぶりの恋人からのキスなのだ。
嫌な訳がない。
むしろもっと触れて欲しいぐらいだ。
「典韋、大好きだよ…」
「俺も許チョを愛してる…」
典韋は許チョの頬に手を添えるとゆっくりと唇を落としキスをする。
「ん…っ」
触れるだけでは飽き足らない。
更に深く口づけて許チョの熱と感触を確かめていく。
典韋がゆっくりと唇を離すと許チョは典韋の腕の中でぐったりしていた。
「大丈夫か許チョ…?」
「んっ…平気だ。典韋…今日は典韋の屋敷に泊まってもいいか?」
「ああ…遠慮するな。許チョならいつでも泊まっていいし歓迎する…」
「ありがとう典韋…」
典韋はそう言うと許チョを抱き上げ屋敷の中へと入っていった。
その後の二人は寄りを戻し二人っきりの時間を過ごしたのであった。




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24th.Jul.2011


惇淵

※幼少期時代の話


貴方に助けられたあの日からずっと貴方だけを想うようになった。
会いたい。

ずっとそう願ってしまう。
自分は何も知らない。

だから貴方との距離を少しでも縮めたらいいのにな。

だからいつもと変わらない態度で接する。

「惇兄…」
「おお、淵か。どうしたんだ?」

夏侯惇はどうやら休憩中らしい。

「仕事の邪魔だったか?」
「そんな事は無い、来てくれるのは大歓迎だ…」

夏侯惇は夏侯淵の頭を撫でる。
幼い従弟が笑顔に夏侯惇は癒される。

「本当?」
「ああ…」

夏侯淵は嬉しくて夏侯惇に抱きついた。

「惇兄…大好き」
「俺も淵が好きだ、元気に笑顔でいる所とかな」

夏侯淵は夏侯惇に嫌われてないのはわかった。
声に出していいたい。

『それは恋愛の好きですか?それとも普通の好きなんですか?』

そんな失礼な事言えない…貴方は優しいから。

「ずっと惇兄といたいな」
「どうしてだ?」

夏侯淵の問いに夏侯惇は疑問を持つ。

「惇兄が好きだから」

夏侯淵は夏侯惇に抱きついたまま呟いた。

「!」
「ずっと惇兄の事が好きなんだ」

さすがにヤバイと思った。
少年と思っていた彼は少しずつ大人になっていく。
自分の気持ちを隠さず伝えてくれた。
それは嬉しい事だ。
大人の俺がちゃんと応えてあげなくてはな。

「俺も淵が好きだ…愛してる…」

夏侯惇は夏侯淵の小さな唇に自分の唇を重ねた。

「んっ…んん…っ」

ゆっくりと唇が離れると夏侯惇は夏侯淵の躯を強く抱き締めた。

「惇兄、ありがとう…」

やっとの告白がみのったのが嬉しい。

「ずっと側にいてね」
「ああ…」

その言葉が嘘ではないと二人はもう一度唇を重ねたのであった。




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22nd.Jul.2011


羽飛

※張飛フタナリ設定です。


関羽と張飛が義兄弟でありながら恋人なのは周囲に認知されていた。
だが、いつもと変わらぬ日常を過ごしていたかにみえた。
張飛は仕事が終わった後、いきつけの居酒屋で酒を飲んでいた。
一緒にいたのは趙雲と馬超であった。
三人は久しぶりに飲み合った。
「どうした馬超、趙雲。二人ともあんまり飲んでないな…」
「ああ…そういえば、張飛殿、少し太りましたか?」
「そうなのか。俺はそんな風にはみえないけどな」
趙雲の言葉に馬超がそうでもないと意見を言う。
「もしかして、幸せ太りだったりしてな」
「それは関羽殿との恋愛は順調だと言う事ですか?」
「ああ…だって俺、今幸せなんだ」
張飛は嬉しそうに笑う。
そんな張飛に趙雲と馬超は苦笑いした。
三人はたわいのない会話をしながら酒を飲んでいた。
だが、突然張飛の気分が悪くなった。
「何だか、気持ち悪い…」
「大丈夫ですか張飛殿?」
「飲み過ぎではないでしょうか?」
「かもな…今日はもう屋敷に戻る」
「じゃあ、屋敷までお連れします…」
「すまねえ、趙雲」
張飛は趙雲と一緒に屋敷に戻った。
二人は屋敷に戻る道をふらつきながら歩く。
やっとの事で張飛の屋敷に着くと星彩が出迎えた。
「父上…大丈夫ですか?」
「星彩、今戻ったぞ…」
「星彩殿、張飛殿は酒の飲み過ぎだと思います。ゆっくりと休ませてあげなさい…」
「はい…」
趙雲は星彩にそう言って屋敷を後にした。
張飛は星彩に連れられて屋敷に戻ったのであった。



次の日になり張飛はゆっくりと覚醒した。
昨日はあまり酒を飲んでいなかった為か二日酔いもなく何もなかった。
そしていつもの通りに屋敷で食事をしていたが何故かあまり食べ物が喉を通らない。
料理の匂いが鼻につくだけで吐き気がしてきた。
張飛は飲み水と軽い食事をして城に向かった。
(何だ、あの気持ち悪さは…あんなのは初めてだ)
張飛はそんな事を思いながら城に着き出仕した。
劉備と関羽達と会議をしたりと自分の仕事をこなしたりと今日は何かと忙しかった。
そして昼時になると関羽が張飛の元へと訪れる。
「翼徳、兄者と一緒に食事をしよう…」
「ああ…」
張飛は関羽と一緒に劉備の元に訪れる。
既に円卓の上には食事が用意されており三人は席についた。
三人は食事を始めた。
楽しい昼食の時を過ごせるとそれぞれ思った。
だが、張飛は朝食の時と同じ吐き気に襲われた。
「どうした翼徳?」
「兄者…なんか気持ち悪い。吐き気がして仕方ないんだ。食べ物の匂いを嗅いだだけで吐きそうだ」
「大丈夫か翼徳!」
関羽が張飛の側にいき、背中を摩る。
「駄目だ、吐きそうだ…」
張飛は床に倒れ込み吐いてしまう。
劉備と関羽は張飛を連れて医務室へと向かう。
そして急いで医師に張飛を診てもらう。
そして暫くして医師が張飛の診察を終え、劉備と関羽の元に向かう。
「おめでとうございます…張飛様はご懐妊されました、この様子だと腹の子は二ヶ月だと思われます」
「何だと…!?」
「翼徳が懐妊しただと言うのか?」
「まさか、拙者の子を孕んだと言うのか!」
関羽は張飛に近寄ると張飛の腹に触れる。
「…雲長、俺、雲長の子が腹の中にいるなんて信じられないんだ。これは夢なのかな?」
「医師が調べたのだ。この腹には拙者と翼徳の子がいるのだぞ」
張飛は自分の腹を摩った。
「雲長…俺、雲長の子を産みたい。駄目か?」
「何を言うか、やっと翼徳に拙者の子の命が宿ったのだ。是非、産んで欲しい…」
「雲長、嬉しい!」
張飛は関羽に抱きつく。
「よかったな翼徳…」
「兄者…」
劉備が張飛の頭を摩る。
「愛しい義弟が子を宿すのは嬉しい事だ」
「兄者、ありがとう…」
「元気な子を産んでおくれ翼徳…」
「ああ…」
劉備も張飛が懐妊した事を自分の事のように喜んだ。
「翼徳、共に元気な子を育てていこうぞ」
「ああ、雲長…約束するよ。一緒に子を愛していくと」
関羽は張飛の腹に触れ幸せな顔を浮かべたのであった。







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15th.Jul.2011


典許

夜空に流れる天の川(典許編)


典韋と許チョは七夕飾りに短冊を括り付けた。
それぞれの願いは違うものであろうとも叶って欲しいと思う。
「なあ、許チョ…」
「どうしただ、典韋?」
「許チョは俺と一緒にいて楽しいか?」
「ああ…楽しいし、典韋と一緒に居られてオラは嬉しいだ」
許チョは笑顔を浮かべて典韋の問い掛けに答えた。
「もし、俺と許チョが離れて過ごす事になったらどうする?七夕の織り姫と彦星のように一年に一度しか会えなくなったら許チョはどうする?」
「そんなの嫌だ。オラは典韋が一緒にいたからずっと頑張ってこれたんだ…」
「許チョ…」
「一度に一度しか会えなくなるなんて絶対に嫌だ。典韋、遠くにいかないでくれよ」
「ああ、俺はお前に黙って遠くにはいかない…」
典韋は許チョを抱きしめる。
「俺も同じ気持ちだ。許チョが俺のしらない処に行ってしまったらと思うと辛いんだ…」
「て、典韋…どうしただ?」
「お前は可愛いからな。誰かに取られてしまうかもしれない…」
「オラは典韋以外の人と恋仲になる気はないよ。典韋が大好きなのに他人に気持ちが揺らぐ訳がないよ…」
「許チョ…」
許チョは典韋の背中に腕を回しその身を寄り添う。
「織り姫と彦星もオラ達のようにずっと一緒に居られたら幸せだろうな…」
「ああ、そうだな…」
ずっと一緒に居られる幸せが続けばいい。
そうしたら寂しい思いはしなくて済むのに。
密かに短冊に願った思いは確実に稔らせる。
それが永遠ではなくても現在(いま)一緒に居られる時を大切にしていきたいと二人は思った。
「許チョ…一緒に何処かで食事しないか。奢るからよ」
「本当か、典韋大好きだ!」
「決まりだな…じゃあ行くか」
「うん!」
二人は七夕の夜は一緒に楽しい時を過ごしたのであった。






お題配布元:ALLODOLA
http://id17.fm-p.jp/313/allodola1000/
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7th.Jul.2011


操仁

夜空に流れる天の川(操仁編)


「今日は七夕か…」
曹操は七夕飾りを目にして呟いた。
古くからの伝統を現在に伝えるのか笹の枝に沢山の飾りと短冊を見ると思わず笑みが零れる。
幼い頃は信じてやまなかったが大人になるとそれさえも忘れてしまう。
曹操は願う事もしない、欲しいものは自分の手で得ていた。
だから七夕伝説も偽りであろうと思っていた。
彼と一緒にいる時が増えてからその伝説を信じてみたくなった。
本当に自分らしくもない。
「殿…こんな所においででしたか」
「子孝…待ってたぞ」
「本当に綺麗な星空ですな。ずっと輝きを失わない美しさに私は惹かれてしまいます…」
「子孝は七夕の伝説を信じているか?」
「ええ…大人になってもこの伝説は信じてみたくなります。一途な恋を稔らせた二人が一年に一度だけ会う事を許された日。私と殿が離れ離れになったとしても私は貴方の元に出向きます…」
「会う事が出来ないかもしれぬのにか?」
「私は貴方を愛してます。愛しい人を命を掛けて守ると誓った。愛しぬくと願ったから…」
「子孝…嬉しい事を言うな」
「殿はもし願いが叶うとしたら何を願いますか?」
「そうじゃな…儂は子孝が側におればいい。子孝を離したくはない」
「そうですか、良かった。私と殿の願いが同じで。嬉しいですぞ…」
「いつまでも儂の側でいてくれ子孝…」
「ええ、殿の願いは私の願いでもあります。ずっと貴方の側におります…」
曹仁は曹操に抱き着いた。
この温もりを失いたくはない。
この満天の星空に誓う。
ずっと一緒に生きていく事を。
「…孟徳、愛してますぞ」
「儂も子孝を愛しておるぞ…」
二人はゆっくりと唇を重ねていく。
愛しくて大切な人といる幸せを感じたのであった。






お題配布元:ALLODOLA
http://id17.fm-p.jp/313/allodola1000/
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7th.Jul.2011



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