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忠飛

戦場で戦うその姿に一目見て心を奪われた感覚がした。
最強と呼ばれた己を震わせ感化させたのは、今までいない。
これほどの力を持っていながら、同じ時間に生きていないのが悔やまれる。
今はオロチと言う敵が空間を時空軸を歪ませて創られた世界にいるからこそ出会った奇跡。
ずっと一緒にはいられない。
それが悔しい。
「張飛殿…」
愛しさを込めて名を呟く。
「なんだ、忠勝…?」
笑顔を浮かべ振り返ったそなたは血に塗れていても狂気に満ちた瞳は己をちゃんと見てはいない。
「張飛殿は某を信用しているか?」
「何の事だ?」
「張飛殿は自分だけで物事を解決しようとする。拙者が側にいるのに何故だ」
「…俺は弱いからだ。強さなんかよりも心が弱いからただ守りたいのに、必死なだけだ」
「なっ!?」
張飛からの意外な言葉に忠勝はただ、信じられなかった。
己と同じ強さを持つ男はただ、弱いからと言う。
「でも、隠していてもいつかはバレるんだよな。兄者達は感がいいからよ」
「なら、今だけは拙者が張飛殿を守る槍となろう」
忠勝は張飛を抱きしめた。
愛しい人を守れるのなら命を懸ける事もできる。
「忠勝…恥ずかしいから放してくれ」
「断る、張飛殿は拙者の大事な方だから側にいさせてくれまいか?」
真剣な眼差しに張飛は溜め息をついた。
「わかったからそんなに見つめるな…」
恥ずかしいのか目線を逸らした張飛に忠勝は張飛の頬に掌で包み張飛を自分の方へと目線を合わせた。
「拙者は張飛殿を愛してる。だから逃げないでくれ」
「忠勝…」
「あなたを離さない、拙者の愛しい翼徳…」
忠勝はゆっくりと張飛に唇を落としたのであった。


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30th.Dec.2014


嘉飛

不意に口づけられて息が止まるかと思った。
美しい金糸と空よりも青い瞳が印象でいた男に唇を奪われていた。
自分は何故だか抵抗する気分ではなかった。
柔らかな舌が唇を割り侵入し己の舌に絡み合う。
その感触に我を忘れてしまいそう。

「どうして抵抗しないんだい?」
「…聞いてどうする。俺が嫌がる仕草を期待してたのか」
「違うよ、素直な君はあまりみないから新鮮だからつい訊いてしまったよ」

青年は笑う。
その笑顔をもっと見たいと思うのは自分だけだろうか?
その笑顔を誰にも見せたくはない。

「どうして君は素直になれないのかな?」
「うるせえ、俺がどう思おうが勝手だ」
「…そうだね、君がどう思うが勝手だけど、翼徳が私以外の者を想うのはいただけないなあ」

青年は虎髭の男を押し倒してはその身体に触れる。
敏感な身体は触れる感触に背筋にゾクゾクとした感覚が背筋を伝い脳髄に到達する。

「なんだよ、俺をどうしたいんだ?」
「アナタを私だけのモノにしたい。束縛したいのだよ…」
「俺を束縛したいとは物好きな奴だな」
「アナタが私だけを思ってくれるならそう想っても結構です」
「郭嘉…」
「愛してますよ張飛殿…」

郭嘉は張飛に再び唇を重ねその身体を抱き締めた。
いつまでアナタと一緒にいられたら良いのに。
今だけは。 





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10th.May.2014


嘉飛

「一緒にお酒を飲みませんか?」
最初に声を掛けたのは美しい金髪をした青年。

「どうして俺なんだ?」
虎髭を生やす男は青年に問い返す。

「私は貴方に興味があるのですよ…」
青年は男に微笑む。

「いけすかねえ…なにを企んでいる?」
男は青年に警戒しているのか眉間に皺が寄る。

「もしかしたら星彩に手を出す気か?」
「いえ、美しいお嬢さんよりも私は貴方に興味があります。だからそんなに警戒しないでください…」

青年は男に近づいて呟く。

「どうして俺なんだよ…?」
男は更に青年に問い返す。

「敢えて言うならば私が貴方を好きですから。美しいお嬢さん達よりも魅力的で興味を持ったのは初めてなんでね」
「好きだなんて信じられない」
男はを否定する。

「貴方をもっと知りたいのです、だから一緒に飲みませんか?」
「一緒に呑むのはよいが、俺はお前を好まねえぜ、それでもか?」

「是非、私とお付き合い下さい。戯れでも貴方と一緒にいられるのは嬉しい」
「馬鹿な奴だ…」
男は溜め息をついた。

私は貴方にとって心に刻めれる存在になりたい。
忘れる事がないように。

「今宵は楽しみましよう張飛殿…」
「勝手にしろよ…」

青年は男の手を掴み、歩みを進めた。

触れた手は温かな温もりで忘れる事が出来ないのであった。


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1st.Nov.2013


蝶淵

足りない、足りない、足りない。

自分が自覚していないのが悪かった。

無意識にアナタを目に映す。

その姿を見ずにはいられない。

美しいアナタを欲している自分はなんて醜い。

自分の想いはアナタの美しさを損なう。

なんて愚かであろう。

それでも想わずにはいられない。

ああ、私はアナタを想い、無意識にアナタを見ていた。

私はアナタに恋をしている。

だから、気高いアナタに触れる事が出来るのは奇跡でしょう。

将軍の為に私は今日も美しさを極め、アナタが私を意識してくれたらいい。

私はアナタを愛しているとやっと自覚出来た。

誰よりもアナタを一番に愛しています。

だから私を見て下さい夏侯淵将軍。

私はアナタの為の華になりたいのですよ。


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1st.Nov.2013


忠飛

雪が降る夜、張飛は外の風景を肴にし酒を飲んでいた。
一人っきりで酒をのんでいたかった。
なのにそうはさせまいと近づく気配。
感じ慣れた気配が近づくと張飛は振り向いた。
「何か用か忠勝…?」
「張飛殿、隣宜しいか?」
「ああ…」
張飛の返事が返るなり忠勝は張飛の隣に座る。
「飲むか忠勝…」
「張飛殿から頂ける酒なら頂戴しよう」
忠勝は張飛から酒を貰うと味わうかのように酒を飲んだ。
「美味いでござるな…」
「それで用は何だ?」
張飛は忠勝の意図を探るかのように呟く。
「こんな所で一人で何故酒を飲んでおられる?」
「今は一人っきりで飲みたい気分なんだ…」
張飛は忠勝を見る事はなく風景を見ながら酒を煽るように飲んだ。
何故だろうか、自分を見てはくれない張飛に腹が立つ。
「張飛殿…」
忠勝は張飛の身体を引き寄せ抱きしめる。
「何しやがる…もう酔ってるのか?」
張飛は忠勝を睨みつける。
今日、初めて張飛が自分をちゃんと見てくれた気がした。
「張飛殿が拙者を見てはくれないからであろう…」
「何だよ、もしかしてヤキモチか?忠勝以外の男と一緒に居たのが嫌だったのか?」
昼間、張飛は忠勝以外の男と一緒にいた。
そしてあろう事か忠勝が見ていると知っていながら張飛は男にその身体を触れさせた。
忠勝には決して許す事はなかった身体を他人に触れさせた事に忠勝は嫉妬していた。
「張飛殿がいけないでござる。拙者以外の男に触れさせた事が許せない…」
「ふふ、まるで雲長の兄者のようだな…」
「関羽殿?」
「忠勝は雲長と同じ事を言っている」
張飛は悲しげに呟く。
「張飛殿…」
忠勝は張飛の顎を掴むと無理矢理口づけた。
「んっ、んん…」
強引に唇を割り、張飛の口内に舌を挿入し張飛の舌を絡ませていく。
「んむっ…んふ、んっ…」
忠勝が満足するとゆっくりと唇を離す。
「ふあっ…やっ、止めっ」
「張飛殿、拙者の愛を受け入れてもらうぞ…」
「嫌だ…離せ」
「離さない…そなたは拙者のものだ張飛殿…」
「忠勝…」
まるで獲物を狙う獣のような目で見る忠勝に張飛は逃げられないと悟る。
「愛している張飛殿…」
「忠勝…お前、本気で言っているのか?」
「拙者は至って本気だ。何度でも言おう…張飛殿、愛している…」
忠勝は真っすぐに張飛の瞳を見ながら告白する。
告白された張飛は顔を真っ赤に染めた。
そして恥じらうような態度をとる。
「俺を好きになるなんて物好きだな…」
「気づいておらぬのか。そなたは魅力的なのだと言う事を」
「さあな…俺は気にしていないからなあ」
忠勝は張飛を床に押し倒した。
「張飛殿…」
「忠勝、どいてくれ…」
「嫌でござる。言った筈だ、拙者の愛を受け入れて欲しいと…逃がしはしない」
忠勝は張飛の着流しを左右に拡げ荒々しくその鍛えられた身体に触れる。
「止め、嫌だあっ!」
「抵抗しても無駄だ…張飛殿は拙者のものだ」
忠勝は欲望を押さえる事なく張飛を犯していった。
犯された張飛はただ涙を流し抵抗する。
その姿が美しい。
それだけ張飛の存在が魅力的であった。
ただ、貴方が欲しかった。
欲望を抑えられなかった。
欲だけで、貴方を傷つけた。
それでも拙者は張飛殿を愛している。
忠勝は張飛を手放す事はなく抱きしめ口づけを落とした。




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26th.Dec.2011


羽→飛←忠

※無双オロチ再臨ネタ

長篠の戦いで忠勝が張飛を万人の敵が仲間として見ていたがどうやら少し違うようだ。
忠勝は張飛を大切に扱う。
敵に襲われそうになれば体を抱き寄せ敵から護ろうとする。
まるで女子を守るかのように。
「忠勝…ありがとうな。いい加減離してくれ…」
「いや、張飛殿が無事で何よりだ」
見上げて忠勝を見ると忠勝は微笑み張飛に呟く。
未だに腰に腕を回された状態で密着されたら恥ずかしくて体温が上がった気がした。
「あの…忠勝、頼むから離してくれ」
「嫌でござる。暫くは張飛殿を感じたい」
「なっ、何を言って…」
「拙者には張飛殿を好きでござる。だからこの手で守りたい…呂布になぞに手を掛けさせたくない…」
「忠勝…」
忠勝のさらりと告白されて張飛はどうして良いのかわからなかった。
さすがにやばいと感じたのか忠勝から離れようと身体を突き放すように押すがびくともしない。
「張飛殿…」
忠勝がゆっくりと口づけをする。
だがその寸前で声が掛かる。
「翼徳、どうした…忠勝殿も如何した?」
「あっ、兄者…」
張飛の義兄である関羽が後方の守りを固めていた筈なのに前線にまで来ていた。
「忠勝殿、翼徳を離されよ…」
「…嫌と言ったらどうする?」
「翼徳は拙者の物、忠勝殿でも容赦はせぬ」
「ちょっ、兄者、何を言って…」
「事実であろう…」
関羽が忠勝から無理矢理、張飛を引き離し抱きしめる。
「翼徳、拙者以外の男に抱きしめられるとは…」
「す、すまねえ…でも忠勝が助けてくれたから仕方なく」
「ふむ、そうか…忠勝殿、翼徳を救ってくれた事は感謝しよう…だが、翼徳は渡さぬ」
「ならば、貴殿から張飛殿を奪うまでだな…」
「何言ってんだ二人とも、今は戦の真っ最中なのに…」
二人が険悪なムードになっていくのを感じた張飛は訳がわからなかった。
「早く呂布の野郎を倒さないとまずいだろ…」
「ああ、確かにな…」
「並ば、この続きは戦が終わった後にしようではないか」
二人は不適な笑みを浮かべた。
その時、張飛は悪寒が背中を走ったのを感じた。
(嫌な予感がしてならないのは何故だ?)
張飛はやっと二人から解放されたが、戦に集中出来なくなった。
関羽と忠勝の二人に狙われた獲物。
そう感じる張飛は早速と呂布を倒して逃げるしかないと思い、馬に乗り駆けていった。
あの二人に捕われたら自分の身はただではすまないと思ったのであろう。
張飛は敵本陣で雄叫びを挙げ、奮闘したそうだ。
そして全力で関羽と忠勝から逃げる張飛であった。



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6th.Nov.2011


関劉

貴方と幸せになれるなら良いのにな。
離れていても心は繋がっていると信じたいから。
最後に会ったのはいつだろう。
それでもいつかまた会えると信じたい。

「早く帰ってきて…」

また触れ合う日が来ればいいのに。
独りの時に流した涙の分、幸せにさせてよ。
ずっと待っているから。
貴方が残した想いはちゃんと受けとめているから。

「雲長、逢いたいよ…」

また孤独な日々を送るのはもう嫌だよ。
帰ってきたら、抱き締めて離さないから。
だから覚悟していろ。
劉備はそう決めつけた。
そして同じ日々を送る。
貴方と会えたら、今までの気持ちが報えるから。
待ってます。
貴方をずっと…。
ずっと…。



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28th.Oct.2011


惇♀許(典♀許前提)

※許チョ♀獣化設定。


小さな身体に似つかない零れそうな程の胸が目についた。
許チョが獣化してから暫く立つがその身体は以前にも増して、妖艶と色気が上がっていた。
いつも着ている服は少し窮屈そうでピチピチしていた。
それに小さめな服だからか、その豊満な巨乳がくっきりと形が露になっている。
隠すと言う事をしないのかと問いたかった。
夏侯惇は溜息をついた。
典韋が苦労する筈だ。
許チョを狙う男達が増えて典韋が睨みを利かせ威嚇しているのを許チョは知らない。
知らないのがいけないのか許チョはいつもと変わらぬように生活する。
夏侯惇は溜息を再び付き、許チョに話し掛けた。
「許チョ、ちょっといいか」
「んっ…どうしたんだ、夏侯惇?」
夏侯惇に呼ばれた許チョは、夏侯惇の側に近づく。
「許チョ、その服、きつそうだな…」
「なんか胸が大きくなってからお気に入りの服が着れなくなってきただな…」
「少し大きめの服を買ったらどうだ?」
「買おうか迷ってたけどなかなか良いものがなくて仕方なく、着ているんだけど…」
許チョは自分の胸が以前より大きくなって新たな悩みが増えていたと夏侯惇に呟く。
「なら、俺がたまには服を買ってやろうか…」
「え、いいのか?」
「この前、仕事を手伝ってくれたお礼だ…」
「そう言うなら遠慮なくいただくだよ…」
許チョは夏侯惇に微笑んだ。
夏侯惇はその笑顔を見た瞬間、ドキッと胸が鼓動を強くなる。
(可愛い姿を晒していると襲いたくなる…)
「どうしただ、夏侯惇?」
「いや、何でもない。許チョ、城下街に行くぞ。服を買いにいくから付き合え…」
「わかっただ…」
夏侯惇は返事を聞くなり、夏侯惇に手を掴まれた許チョは夏侯惇に連れられて城下街に向かった。



城下街に訪れた二人は許チョに似合いそうな服を選んでいく。
許チョに似合いそうな花柄の模様が入った服や、美しい刺繍が施された服等選びに選ぶと一着の服を購入すると夏侯惇は直ぐさまに許チョに購入した服を渡した。
「ありがとう…夏侯惇」
「いや、礼には及ばない」
「許チョ、早く戻って着替える事だな」
「うん!」
良い返事を返す許チョに夏侯惇は許チョを抱きしめる。
力強い腕に抱かれた許チョは驚き夏侯惇を見る。
「どうしただ、夏侯惇?」
「許チョ、可愛いなあ。典韋が欲しがる理由がわかる気がする…」
男の欲情を誘う身体と仕種が無意識に煽っていると言う事に気づいていない。
夏侯惇は許チョの頬に掌を添えると軽く口づけた。
「!」
突然の行為に許チョは驚く。
「許チョ、ピチピチな服をもう着るな。男を誘っているようにしか見えないぞ…」
「なっ、何を言ってるだ…オラはそんなつもりは」
「お前がそう思っていても周りはそうは思わないだろう」
夏侯惇は軽く許チョの胸を揉んだ。
「ひゃあ…あんっ!」
「柔らかいな。硬いと思っていたが以外に柔らかいし、軽く揉んだだけで乳首が立っているぞ」
「いや、恥ずかしいだ…」
「エロい身体をしているから襲いたくなる」
「そ、そんな…」
「だから、そんなぴっちりした服を着ると男に襲われかねない。だから今度はゆったりした服を着ろ…無頓着すぎると典韋が苦労するのが解る」
「うっ…解っただ。夏侯惇はそれを教える為にわざとこんな事をしたのか?」
「ああ…」
(本当は襲いたくて仕方ないのだが、許チョがそう捉えたのなら何も言うまい)
夏侯惇の思う気持ち等、知らずに許チョは複雑な気持ちであった。
「それに獣化しているから余計に目立つからな…ちゃんとしておかないと駄目だぞ」
「うん、忠告ありがとう…素直に従うよ」
許チョはやっと自分の姿が危険性を秘めていたのを気づいた。
夏侯惇の優しさに嬉しくて笑顔を浮かべた。
「許チョ、そろそろ帰るか…あんまりうろつくと典韋が心配するからな」
「うん…解っただ」
許チョは夏侯惇の手を繋いだ。
「一緒に帰るまで手を繋いでいていいかな?」
「構わないぞ…」
夏侯惇の返事を聞くと許チョは夏侯惇と一緒に屋敷へと帰っていった。
その後、夏侯惇に買って貰った服を着て楽しそうに典韋とデートする許チョの姿があったとさ。



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27th.Oct.2011


関劉←飛

いつもいつも二人っきりで話をする。
自分は置いてきぼりでなんだが距離感を感じる。
いつまでも三人仲良くって訳にもいかないと感じた。

寂しい、寂しい、寂しい。
そんな思いが募る。

「兄者…」

大好きで護りたい存在。
ずっと触れていたいと願ってままならない。
なのに兄者の側にはいつも雲長の兄者がいる。

俺は必要ではないと思うくらいに。
ああ、息が詰まる。

兄者にまるで恋をしているかのような自分。
そんな想いを自覚したら二人の側になんか近づく権利さえないと思った。

「こんなにも好きなのに…」

関羽も劉備も自分を置いて何処かに居ってしまうようでならない。
二人が恋人の様に触れ合う姿を目にしたらもう、目の前が真っ暗で何も見えやしない。

俺を見て欲しいのに、叫んだ所で変わるものはないのだから。

我が儘だと彼等は思うかもしれない。
それでも俺は兄者を、劉備を愛している。
この想いは彼に知る事はない。
伝える勇気もないのだから。

だから一人でまた涙を流す。
誰にも知られないように。

「何故、泣いている…」
「兄者…」

劉備が気づいてしまった。
一人で泣いている所を見られてしまった。

「何があった、翼徳…?」
「………」
「お前が悲しむには何か理由があるのであろう…兄として翼徳の悲しみを和らげたい…」
「兄者…俺は…」

劉備の言葉に張飛は悲しむ理由を言うか言わないか迷っていた。

「兄者…こんな所にいましたか。諸葛亮殿がお呼びですぞ…」
「雲長…」

関羽の姿を見て劉備の表情に笑みが浮かぶ。

「翼徳、どうしたのだ?」
「実は…先程、翼徳が泣いていたのでな。何かあったのではと心配なのだ…」
「翼徳、最近はあまり元気が無かったがどうしたのだ?」

関羽が張飛の側に近づくと顎を掴み顔を上げさせる。
張飛の瞳からは大粒の涙が零れていく。
ポロポロと流れる涙を関羽は指先で拭った。

「何故、泣くのだ翼徳?理由が解らないと我等は対処出来ぬぞ…」
「………っ」

張飛はたまらず、関羽に抱き着き声を殺し泣いた。
時たま、うめき声を上げ泣く義弟に二人はただ宥めるしかなかった。

寂しかったんだよ…。

たったこの一言が言えなくて辛くて、涙が零れる。

「翼徳…」
「!」

劉備は関羽から張飛を引き離すと優しく抱きしめる。

「ずっと一人にさせてすまない…」
劉備は悲しむ張飛の理由に気づいたのかそんな言葉を張飛に投げかける。

「兄者…兄者ぁっ…!」

張飛は更に涙を流して劉備の身体を抱きしめる。
ずっと自分を見て欲しかった。
少しでも側にいて欲しかった。

「いつも甘えていないから私は嫌われていたと思ったが逆だったんだな…」

劉備の言葉に張飛は答えない。

「遠慮してどうする。我等は兄弟なのだぞ…遠慮する事なんてないぞ」
「でも、俺は…二人の邪魔になる。迷惑掛けるから側にいちゃ駄目だと、思っていた…」
「翼徳…」
「だって兄者達は…あの、その、こ、恋仲なんだろ?俺が居たら邪魔だろ…」

張飛の言葉に劉備も関羽も驚き声が出ない。
何故、そのような表現をとられるのか。

「俺がいたら邪魔なら義兄弟の契りも無かった事にしても構わない。二人に迷惑掛けてばかりだから…」
「何を馬鹿な事を言うんだ翼徳っ!」
「そうだぞ…簡単に破棄など出来るものか!」

ずっと三人で歩んできたのに。
これからもずっと三人仲良く歩めると思っていた二人からは張飛の言葉に驚きを隠せなかった。

「もう、離してくれよ。頼むから俺を苦しめないでくれ!」
「翼徳っ!」

珍しく劉備が張飛に怒鳴った。
その声に張飛の身体がビクッと跳ねる。

「私の前で二度と義兄弟の契りを無くすと言うなっ!私は翼徳を見捨てたりはしない。翼徳はいつまでも私の大切な義弟だっ!」
「兄者…でも」
「でもではない!」
「兄者、落ち着かれよ…」
「しかし、雲長…」
「翼徳は何を勘違いしているのか解らないが、そんな事を言い出すのはただ事ではない。だが、我等に心配掛けさせて、困った奴だ」

関羽は溜息混じりに呟く。

「俺は寂しかったんだ…ずっと、ずっと…二人から距離を置かれていると感じてたから…」

張飛がやっと理由を二人に話し出す。

「やっと理由を言ってくれたな…そうか寂しかったのか、すまない…」

関羽が張飛の頭を優しく抱きしめてくる。

「そんなに寂しかったのなら今日は三人仲良く過ごそうではないか」
「でも、諸葛亮が兄者を呼んでいただろ?なら無理しなくてもいい…」
「諸葛亮は関係ない。これは我等の義兄弟の問題だ。仕事はいつでも出来る」
「で、でも…」
「でもではない!雲長っ、このまま翼徳を連れて私の屋敷にいくぞ!」
「御意…」

劉備の言葉に関羽は張飛を抱き上げる。

「うわあっ、雲長の兄者、何をするんだ!降ろしてくれよ!」
「駄目だ…逃げようとするなっ」

関羽の身体から離れようとするがびくともしない。
暴れていると関羽が張飛の尻を撫でた。

「ひゃあっ!やっ、何処触って?」
「相変わらず、敏感な身体をしておるな翼徳…」
「久しぶりに翼徳が欲しくなったぞ…」

二人の瞳に欲情を秘めていたのを張飛は感じとった。
流石にやばいと感じたが既に身体は関羽に抱き上げられて肩に担がれているから逃げられない。
抵抗したらまた関羽が尻を撫でた。

「やあ、あっ…雲長、止め…っ!」

涙目になりながら制止の声を挙げる張飛に劉備も関羽もゴクリっと喉が鳴る。

「雲長、早く運べ。今から翼徳を愛でるぞ」
「ええ、そうしますか…」
「やっ、待って!」
「逃げられないと思え翼徳、我等を誘った責任はとってもらわねばな」
「ちょ、待って、責任って、嫌だああっ!」

張飛の言葉を無視して二は劉備の屋敷に張飛を連行した。
そしてその後、二人が満足するまで張飛は散々泣かされ、愛される事になったとさ。



後日、諸葛亮が劉備と関羽に罰として鬼のように山のような竹簡を持ってきて仕事をさせたとか。




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23rd.Oct.2011


惇仁

※夏侯惇死後の話。


もう、触れる事もできない。

自分は意地を張り続けるしかない。

だから絶対に言わない。

『さようなら』なんて言葉を口には出さない。

そうする事で彼奴を忘れるなんてできない。

彼奴は私に痕を遺した。

決して消える事のない痕を刻んだ。

「元譲…」

名を呼んでも応える者はいない。

いつになく弱気な自分。

痕が残る場所が、チリッと痛む。

なんともないはずなのに、何故涙は止まらない。

もう一度あの者の熱を感じたい。

でも、彼奴は過去の人間。

二度と逢う事はできないと知る。

どうして私に近付いた。

どうして私に触れた。

依存するぐらいに夏侯惇を愛してしまった。

もう、夏侯惇以外に想いを寄せる事はない。

彼奴は卑怯だ。

わかっていながら私の心を想いをもって行ってしまったから。

残された者の気持ちを知らずに。

「お前は、本当にそれで良かったのか元譲?」

曹仁は空を見上げる。

蒼い空、彼奴も同じ景色を見ているのだらうか?

魂がある場所が違くても、空は同じだと信じたい。

「私はずっと愛している元譲…いつまでも…」

曹仁の頬に一筋の涙が溢れた。

会えなくても、私には彼奴が遺した痕がある。

それを見れば彼奴は此処にいたと、思い出す。

それは決して消えない痕。

心深く刻まれた、記憶。

ずっとこの想いは消えない。

ずっと…。

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8th.Oct.2011



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