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嘉飛

不意に口づけられて息が止まるかと思った。
美しい金糸と空よりも青い瞳が印象でいた男に唇を奪われていた。
自分は何故だか抵抗する気分ではなかった。
柔らかな舌が唇を割り侵入し己の舌に絡み合う。
その感触に我を忘れてしまいそう。

「どうして抵抗しないんだい?」
「…聞いてどうする。俺が嫌がる仕草を期待してたのか」
「違うよ、素直な君はあまりみないから新鮮だからつい訊いてしまったよ」

青年は笑う。
その笑顔をもっと見たいと思うのは自分だけだろうか?
その笑顔を誰にも見せたくはない。

「どうして君は素直になれないのかな?」
「うるせえ、俺がどう思おうが勝手だ」
「…そうだね、君がどう思うが勝手だけど、翼徳が私以外の者を想うのはいただけないなあ」

青年は虎髭の男を押し倒してはその身体に触れる。
敏感な身体は触れる感触に背筋にゾクゾクとした感覚が背筋を伝い脳髄に到達する。

「なんだよ、俺をどうしたいんだ?」
「アナタを私だけのモノにしたい。束縛したいのだよ…」
「俺を束縛したいとは物好きな奴だな」
「アナタが私だけを思ってくれるならそう想っても結構です」
「郭嘉…」
「愛してますよ張飛殿…」

郭嘉は張飛に再び唇を重ねその身体を抱き締めた。
いつまでアナタと一緒にいられたら良いのに。
今だけは。 





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10th.May.2014



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