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ジャンル入り混じります。ご了承ください。
趣味のクロスオーバーもあるかも
・完結見込みのない話も置いてあります。


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設定とか
(いつも隣りに) 2012/03/16

いつも隣りにのちょっとした小話
今後のネタばれ(笑)を含みますがいつ書くかもわからないので。

続き…




栄養不足編-3
(いつも隣りに) 2012/03/03


「お弁当ですかぁー?」



午前の仕事が終わり昼休憩になる。
事務所の一角にある商談、来客用のソファに腰を下ろして一息ついた。
来客用とは名ばかりで、大体はこうして従業員が好き勝手に使っている。

「あ、一緒していいです?」
「おう、構わねぇよ」

パーテーションの向こうから顔を出した同僚に頷くと、俺の向かい側に腰を下ろした。
ウチの仕事場きっての不思議系女子と言われるこの同僚。
確かに言動や様々な事に対して不思議なのだが、見た目や普段喋りのふわふわした印象に反し仕事はきっちりこなすので頼もしくはある。

「ユースタスさん今日お弁当ですかぁ?珍しいと言うか久し振りな感じ」
「ちょっと…余らせちまったからな。勿体ねぇだろ」
「前は良く持って来てましたよねー。最近はあんまりなかったけど」
「余る事がなくなったからな」
「もしや恋人さんです?」
「ノーコメントだ。そっちこそ、毎日牛丼喰ってっけどいい加減飽きねぇか?」
「毎日違うところの牛丼なんで全然です。昨日はコンビニLで、今日のは本場吉牛ですよ」

パキ、と割り箸を割ってさっそくと食べ始める。
なんとなく溜め息を吐きながら弁当替わりのタッパーを開けた。
昨夜の残りを詰めて来たこれは、つい、いつもの癖で作ったトラファルガーの分だ。

「うお!美味しそうっユースタスさんの女子力っ」
「女子力ってんだよ…俺が女子力なら、そっちはしみったれ過ぎだろ」
「ユースタスさん、私の紅生姜とお肉をちょっとだけあげるので全部をちょっとずつください」
「明らかに釣り合ってねぇ量じゃねぇか」
「じゃあ紅生姜を半分あげます」
「バカッんな要らねぇよっつーかなんだこの紅生姜の量は」

捨てるのも勿体ないから弁当にして持ってきたが、昨夜も全く同じものを食べたし正直あまり食べる気はしなかったから丁度いい。
少しだけ交換した牛丼の味。
遠慮なく箸をつける同僚に苦笑が零れた。

「晩飯、牛丼でも食いに行くかな」
「いいとこ教えましょう?お高いですけど贅沢するには持って来いです」
「高々牛丼に…」
「されど牛丼です!」

飯を作るのが面倒だなんて、久々に思った。









栄養不足編-2
(いつも隣りに) 2012/03/02


「いやぁ、仕事覚えるの早いし助かるよ!」
「はぁ…どうも」



深夜のバイトを始めて1週間が過ぎた。
朝っぱらからの講義を受けるため明後日のバイトは休みを貰ったが、深夜の数時間のバイトも7日出ずっぱりだと流石に疲れてくる。
大学は勿論、元からのバイトも忙しい時期ではないので日数と時間は少し減らしたが続けている。
深夜まで起きている事自体は良くあることだから苦ではないが、流石に動いているからか疲れは溜まって行く一方だ。
今日なんて講義を受けてからバイトへ行きその足でこのバイトへ来たのだ。2日目も同じ事をしたがあの時はまだ余裕だった。

「トラファルガーくん、これ頼むね」
「はい」

皿を洗ったり、酒や料理を運んだり…当初はその仕事だったが、何故か今日に至るまでにウーロンハイなど簡単に酒を割っただけの物を作らされるようになり、案内やオーダーまでとらされていた。
初日から伝票運びくらいはしてたが、この間、ちょっと喧しそうな客に呼び止められその時にやむを得ずオーダーを取ったのがいけなかったらしい。

「接客出来るんじゃん!悪いけどこれからオーダーも取ってきてくれないか。分からないことあったら他のスタッフ呼んでいいから」

…付け上がりやがって。
日増しに仕事がランクアップしていく。
バイトだと言えど仕事は覚えるのが当たり前だが、話が違う。
ホールに出て歩き回るのがこんなに体力使うとは思わなかったし、こんなことなら昼間のバイトは一時的に休むし、もっと短い間隔で休みも取ったのに。

「悪いなトラファルガーッ」
「…殺す」
「悪かったって!俺も休みないんだからお互い様だろーっ」

この店で働きだして1年だという、例の友人に矛先を向ながら溜まったグラスを洗う。
ユースタス屋と付き合うようになって皿洗いはお手のもんになった。
…ユースタス屋。
そう言えば、この1週間は朝飯を食うくらいしか顔を合わせてねぇ。
ユースタス屋が先に仕事行くとその日は顔を合わさねぇし、俺が時間ギリギリだとろくな会話もない。

「……一番、堪えんな」

はぁ、と溜め息を付くと同時に呼ばれる声がする。
短い返事を返しながら、賄いじゃなくてユースタス屋の作った飯が食いたいと思った。








栄養不足編-1
(いつも隣りに) 2012/03/01

『そうそう、トラファルガーさぁバイトしないか?』




大学で、学内を一緒にうろつく程度には中の良くなったいわゆる友人の中の1人にバイトの話を持ち掛けられた。

「21時から25時まで?」
「新しく出来た姉妹店に加勢で従業員出したら人出が足りねぇってんで、2週間から1ヶ月くらいのバイトを雇いたいらしくてな」

バー、と言ってはなんだか聞こえはいいが、その友人が言うにちょっとお洒落な居酒屋だ。
仕事内容は酒や料理を運んだりグラスや皿洗いらしい。
臨時バイトに求めるのは最低限の事だが、その最低限の仕事が減れば古参スタッフでなんとか店は回ると言う事だ。
時給は1350円。仕事内容からすれば大分良い値だが、これは臨時代金含んだ店長泣かせな値段らしい。
人出不足は深刻なようだ。

「まぁ姉妹店とも売上が上がる事を期待しないとな」と友人はやつれた顔で笑っていた。

「大丈夫なのか?」
「テスト期間とも被らねぇし、今やってるバイトと折り合いつけば、やらねェ手もねぇと思ってさ」

別に、今はバイトをしなくても生活費やらその他は親に甘えてしまえば十分なのだが、それだとユースタス屋がデートや、例えばプレゼント等をする時に良い顔をして受け取ってくれない。
考えずとも尤もだと思った俺は取り敢えず社会勉強も兼ねて今バイトをしている。
無理せずに休みや持て余した時間(ユースタス屋が仕事の日や時間)を選びバイトを入れているだけなので、今も金が欲しくてわざわざ深夜の臨時バイトを考えているわけではない。
ただなんとなく、誘われたのと気紛れだ。
それに時給がいいのも確かだし、短期間ちょっと頑張れば…ユースタス屋とちょっとした贅沢が出来る。

「まぁ、働くのはお前だからな…俺がなに言うこともねぇけど。俺の言いてぇ事はわかんだろ?」
「ああ。学校も、今のバイトもおろそかにはしねぇよ」
「…なら、頑張れ」

そう言って苦笑混りに笑ったユースタス屋に軽く頷いて見せた。

覚悟が少し足りなかったと、後悔することになるんだがな。




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