12th.Jan.2018
とんがり帽子のアトリエ
感想(3)
○魔法使いの青年キーフリーについて…少女が憧れを抱く「大人」
ある日主人公の店にやって来た頼りなげな青年・キーフリー(推定20代半ば)が
主人公を魔法の世界に連れ出す展開が起きるところでは、
このキャラが「魔法使いの嫁」の魔法使いにあたるポジションで、
何の取り柄もない不遇な少女の元に
地位と権力と実力を持った白馬の王子様のような男性が現れて
別の世界に連れ出して、
連れていかれた先の世界で主人公が
競合相手である同じ後宮の女たちや意地悪な女官たちにいじめられつつ
王子様に守られて全肯定してもらえる、という
ありがちな物語(「まほよめ」はそういう物語だと思う)
になるのかと思ってとても冷めた視線で見てしまった
が、そんなことはなかったぜ
ありがちでつまらない恋愛ものではなかった
10代前半の女の子ばかりを生徒に取っているこの青年は、
現代の日本ならロリコンの疑いありとしてあらぬ嫌疑をかけられそうだけどw
魔法使いの青年は、10代の少女にとって
自分にない知識、経験、分別といったものを持っている存在として
憧れをもって見る「大人」のポジションなのだと思う
しかし「イケメガネ」と作中で評されてるところをみると
(個人的にはそう思えない。
なでしこの澤と素手ゴロで殴り合ったら
こてんぱんにのされそうなひょろさだ)
作者は主人公に思慕されうる対象としてもこのキャラを描いているのだろう
12th.Jan.2018
とんがり帽子のアトリエ
感想(2)
○高い画力とハイファンタジーな世界観
筆者は「ダンジョン飯」を読んでいるので
こういう画面に慣れて麻痺してしまっているが、画力が高い
作者は絵を専門にやってきた人だそうだ
1巻半ばにある初めての試験で
空飛ぶホウキのようなもの(に見えた)を自作して
空に舞い上がるシーンや、
1巻最後の少女たちがいる迷宮の奥に巨大なドラゴンが
現れる見開きといった大ゴマでは「おぉ」と思わされる
この作品独自の動植物や空中に浮かぶ山脈など、
我々の住む世界とは異なる世界のディテールをしっかり考えてあることがわかる
色々な点で「ダンジョン飯」に似た作品
ただし異世界グルメの描写は少ない
12th.Jan.2018
とんがり帽子のアトリエ
感想
作品全体の感想
この作品の読書メモ→
読書メモ・とんがり帽子のアトリエ魔法使いになるには生まれつきの素質が必要とされている世界で、
魔法の素質を持たないながらも魔法使いに憧れている少女が、
ひょんなことから魔法使いを目指す物語
こう書くと「ブラッククローバー」に似ているが…
どこで差が付いたのか>ブラクロ
あっちはスタート地点も向かう方向も間違っていたような気もする
主人公の小さな女の子(10代前半)が旅立つきっかけがなかなかハードで、
同じように小さな女の子が異文化の人々の社会で生き抜けと
たった一人で放り出される「魔女の宅急便」を思い出す
「とんがり帽子」は「魔女宅」よりももっとハードだ
主人公が入る魔法使いの卵の塾のようなところで起きる
女の子同士の陰湿なやり取りがリアルw
女性読者なら「あるある」と共感するだろうw
2巻半ばまでにスネイプ先生的なキャラが
2人も登場するのはどないやねんとも思うが、
ツンケンしていて高い魔法能力を持っている
主人公と同室の黒髪の女の子・アガットも
色々と事情を抱えているようで気になる
とにかく女性読者は読んで損はしないと思う
「ダンジョン飯」のような異世界ハイファンタジーが好きな読者も読んで損はしない
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