28th.Jul.2018
面白い作品があって、
それを紹介することによって関心を持つ人が増えて、
コミックスなどを買う人が増えれば連載は安定すると思う。
だから、面白そうな作品は
ちょこちょこSS化して紹介していくつもり。
24th.Jul.2018
「もっと仲良くできないかな、荼毘」
青年に問いかける男の口調は、言葉と裏腹に怒気をはらんでいた。
密会場所として選ばれた倉庫の中は薄暗く、彼らの他には誰の姿もない。
男は、一枚の羽根から作られた短剣の鋭い切っ先を青年の喉元に突きつけていた。
その羽根の剣は男が自らの背中から“個性”によって生成したものだ。
「ザコ羽しか残ってなかったんじゃねえのか?」
青年が訊く。切っ先は喉元に突きつけられたままだ。
「嘘つきと、丸腰で会うわけにはいかなかったからな」
「嘘つき」と男は青年を呼んだ。
彼の返答は、自身もまた青年に真実を伝えていなかったことを暗に示している。
青年――荼毘は、射るような視線を
彼に向けている眼前の男、ホークスを改めて見やった。
困っている市民がいればすかさず助ける人柄と、気さくな性格、
そして端麗な容姿によって、No.2プロヒーローとして
人々から高い人気を博している男の双眸が、静かな怒りに燃えている。.
/落書きSS・密会
僕のヒーローアカデミア 191話より
*
今週のヒロアカ191話から、ホークスと荼毘の密会シーン。
この見開きは、まさかホークスが…!?とドキドキした。
もう1ページめくって更に一ひねり。
作者の手のひらの上な俺ガイル。
3rd.May.2018
「試合入る前に、『あれ』やりましょっ」
「おうっ」
相楽華子の言葉に油川が応じて、チームの一同が円陣を組む。
「(『あれ』……?)」
何が始まるのか、といぶかしんでいる蛍の前で、油川は深く息を吸い込んだ。
――そして、「それ」が始まった。
「我が体は会社にあり!!!」
「我が心は会社にあり!!!」
「我が魂は会社にあり!!!」
円陣を組んだ人々の発する大音声が辺りの空気を震わせる。
相楽たちのチームは、全員が会社勤めの社会人なのだ。
*
このシーンが面白かったので勝手に小説化。
14巻でここだけ作画に力入ってるw
/ 青春×機関銃、作者:NAOE、社畜隊、油川恵、河本三木三郎、相楽華子隊長
SS・我ら社畜隊(1) (「青春×機関銃」14巻56話)
3rd.Apr.2018
「待ってくださいよ!」
すぐにでもその場から立ち去りたかったのに、
一学年下の大羊《ドールビッグホーン》の少年はレゴシの手を掴んで引き留めた。
「ハハハ、先輩超純粋なんですね! 一匹決めてる子がいるんでしょ?」
並外れた寡黙さのために周囲に誤解されることも少なくない
ハイイロオオカミの本心を、美しい容姿を持ち、
学園の大勢の生徒たちと浮き名を流している後輩はなぜかずばりと言い当てた。
「すごいなー。なんかイヌっぽい」
よくわからない感想まで付いてくる。
イヌっぽいとは一体どういうことなのか……。.
/ BEASTARS ビースターズ 63話ノベライズSS (「待ってくださいよ」)
印象深かった63話のピナの誘惑シーンを、少しずつ勝手に小説化中。
31st.Mar.2018
この作品が気に入ったので、ビースターズ63話ノベライズ落書き中。
「モラルなんてものは、僕らに何も与えてくれないじゃないですか」
放埒という言葉に血肉と美しい容貌を与えたらこうなるだろうというような、
見事な巻き角を生やした大羊《ドールビッグホーン》の少年――ピナが微笑む。
「だから……もし僕が」
言いながらピナは眼前のハイイロオオカミ――レゴシに歩み寄る。
「レゴシ先輩にパクッて食べられちゃったら、
その時だって、僕……先輩のことを責めませんよ」
大羊の少年はレゴシのすぐ前に立つと、
鋭い牙が並んだ彼の口に手を差し入れて、長い犬歯に触れた。.
/ BEASTARS ビースターズ 63話ノベライズSS ・ふしだらな子羊と寡黙な狼
29th.Jul.2017
ヒロアカ×エヴァのバカネタSS。
・逃げちゃ駄目だ
―雄英高校入試―
デク「逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ!
でも動けない……!」
―切島中学時代
大男ヴィラン遭遇時―
切島「逃げちゃ駄目だ! 逃げちゃ駄目だ!
行けよ…!! 行けよ!」
物陰
デク&切島をこっそり見ているオールマイト&クリムゾンライオット
オールマイト「……」
クリムゾンライオット「……」
オールマイト「先は長そうだな……」やれやれ
クリムゾンライオット「ガキども、根性見せろぉ!!
必要なのは一歩踏み出す漢気だぁ!!」ガチッ(前髪を硬化させる)
22nd.Jun.2017
ヒロアカ140話が熱い展開だったので
この回を部分的にSS化してみているけど、こういうことはやっぱり難しい。
元の作品をしっかり読み込んで理解できていないと、
重要な部分を誤解したり、
書き漏らしてしまったりしておかしなことになる。
一部を抜き出して一時的にやるだけならともかく、
作者の意図を教えてもらえない一般読者が
週刊連載の漫画と同じペースでずっとできるようなものじゃないんだ。
21st.Jun.2017
重要な部分を削ってしまっていたことに気づいたので、修正しました。
*
それが小学三年の春のことだ。
始業式と同時に転校して来た俺は、自己紹介で上手く話せなかった。
クラス替え直後の教室。同じクラスだった人で固まり、新しいグループを作る。
スタートでつまずいた転入生の俺に、その中へ単身乗り込んでいく勇気はなかった。
それまでだって上手く友だちを作れた試しはなかった。
自分はそういう地味でつまらない人間なんだと思っていた。
もう俺はこのクラスにずっとなじめないままなんだろう。
この学年が終わるまで。いいや、もしかしたら卒業までずっと。
小学生にとってはあまりにも長い時間だ。
そのときの俺は、この世の終わりみたいな気持ちになっていた。
17th.Jun.2017
またまた細切れ更新。
*
それが小学三年の春のことだ。
始業式と同時に転校して来た俺は、自己紹介で上手く話せなかった。
クラス替え直後の教室。同じクラスだった人で固まり、新しいグループを作る。
スタートでつまずいた転入生の俺に、その中へ単身乗り込んでいく勇気はなかった。
もう俺はこのクラスにずっとなじめないままなんだろう。
この学年が終わるまで。いいや、もしかしたら卒業までずっと。
小学生にとってはあまりにも長い時間だ。
そのときの俺は、この世の終わりみたいな気持ちになっていた。
*
[ヒロアカSS]ミリオとの邂逅(2) 〈僕のヒーローアカデミア、天喰環、140話〉
12th.Jun.2017
安定の細切れ更新。
*
「あま……です……。えと……ヒ……」
――ああ、だめだ……。
心臓がバクバク鳴っている。頭の中が真っ白になって、口はカラカラだ。
自分が何を言っているのかわからない。
教室のあちこちで他の子たちがこっちを見てひそひそ囁き合っている。
クスクス笑う声がどこかから聞こえるような気がする。
――終わった……。
新しい学校になじむための最初の一歩で早くも自分が失敗したことは、はっきりとわかった。
教室の前でぽつんと一人立ち尽くす俺に、クラスメートたちの視線が突き刺さってくるように思えた。
10th.Jun.2017
ちょっとずつ書いていきます。
*
「期待されちまったら……応えねえとなぁ!!」
拳を振りかぶった宝生が叫ぶ。
ごつごつと尖った鉱物の塊を無数に生やした宝生の拳が、環の腹めがけて叩き込まれた。
重く、硬い一撃。
「ぐっ……」
呼吸ができなくなり、目の前が暗くなる。
薄れる意識の中で、過ぎ去った日の記憶が環の脳裏をよぎった。
9th.Jun.2017
ネガティブな先輩こと天喰環(ヒーロー名・サンイーター)が気に入ったので軽く落書き。
これは一シーンだけだけど、話の内容がわかるところまで書いたら結構な分量になりそうだ。
何をやってるのかわかるところまで書けるといいなー。
*
――静まれ……静まれ――
ガクガク震え出しそうな体を必死に抑えて、俺は息を深く吸い込んだ。
左胸の奥で誰かがドラムを連打してるのかと思うほど、心臓の鼓動がめちゃめちゃに速い。
全身がかあっと熱くなる。
目の前が白く霞んで、視界がトびそうだ。
――しっかりしろ。大丈夫だ、やれる――
懸命に意識を集中して、「それ」が自分の右手にあるイメージをはっきりと思い浮かべる。
――行けっ!――
息を吐き出して、一気に力を注ぎ込む。
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