花盗人はいずこ
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月は幻を生む
ただひとつの優しさにすがる
世界の全てがさよならと
仮初めのおまじない
世界はきみを見捨てたけれど
やさしい夜明け
甘酸っぱい贅沢
普通の幸せを贈るね
傷跡にハチミツ
うつむいてわらって
やわらかな境界線
わがままな休日
しあわせすぎてくだらない
ゆるやかにふかく
迷子の怪獣
永い夜に灯火を
ひだまりで泳ぐ犬
この愛を手放せない
咲かせた花の行方
少女と女と
蜂蜜色の宝石
ときめき不足
春色の日常
いつかの予感と非力な子羊
ふたりで沈めばこわくない
低体温に寄り添う
秘密を愛を約束を
きみのとなりに帰れない
まるででたらめ でもうんめい
きみは微熱に気がつかない
花のなかで夜を待つ
恋と愛の間に咲く花
真実をあとひとかけら
きみの白い指のため
なんてことないさよならを
ちぐはぐなぬくもり
神様のわるふざけ
芽吹いた微熱
また夜に逢いましょう
ふれて、とけて
胸騒ぎの花嵐
羽化するときを待っている
もしもしわたしきらきら
ずっと青くてきっとせつない
きらぼしがなく
知らないことはわるいこと
きみのためのぼく
本物だったぼくの初恋
君の花に埋もれて
あとがき