【ふたりへのお題ったー】
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【 カイリンへのお題 】

・条件反射みたい。
・「はいはい、降参です」
・指をさされて臆病と言われても



声を聞くと歩調を緩めてしまうのは少し前からの癖。
足音がすると身構えてしまうのは条件反射みたい。
背中に飛びついてくる小さな身体に敵わないと思い知らされたのはつい最近の出来事。


「カイト兄!じゃぁこうしよう、あたしと勝負してから」
「はいはい、降参です」
「まだ何も言ってないよ!」
「帰ってからね」
「意味無いじゃん!」

行かないでって言ってるのに!と背中にぶら下がった義妹が叫ぶ。そろそろ耳が痛くなってきた上にずり下がる腕で首がしまる、から背中から降りてもらった。

「友達待たせてるから…」
「チキッてるんだ!?」

指をさされて臆病と言われても、笑って首を傾けるくらいしかできない。

「だって、勝てる訳ないもんねぇ」
「オーホホホ!跪きなさい!?」
「はいはい、ウチの姫さまがいちばんカワイイです」

高笑いする義妹に合わせて適当に誉め称えたら、間を置いて真っ赤になって固まった。その隙に玄関まで行って靴を履く。

「待っ、カッ兄ィ今の、もっかい」
「帰ってからね」
「あう。あうわう」
「行ってきまーす」

焦ったように追いかけてきた義妹は玄関前で地団駄踏みだした。無駄な足留めは諦めたのか、早く帰ってきてね!と怒鳴る。
友達の買い物に荷物持ちで付き合うだけだから、そのつもりだと始めから言っていたのに。相手が迎えに来た途端、聞いてないとか怒り出して今のすったもんだでした、と。

「ごめん待たせてメイちゃん」
「キモイわー」
「ひどい…」
「アンタの顔の方がヒドイわ」


緩みすぎだ、と待たせていた姐さんに詰られた。

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焦るリンちゃんにニヤニヤする兄さんの話。


2016/01/05 ( 0 )





十二国【ふたりへのお題ったー】マギ
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【 シンジュへのお題 】

・てのひらに飴玉
・「泣き顔がすきだな」
・かみさまのいうとおり



「探したぞジュダル」
「頼んでねぇよ」

シンドバッドの声に即座に否定を返してしまう。視線だけで振り向けばシンドバッドの傍らには顰めっ面の女仙が控えていた。
ジュダルが舌打ちをすれば女の顔は更に不快に固まり、ジュダルの不愉快さは増す。

「何の用だよ」
「特に用も無いが」

暢気な顔のシンドバッドに苛ついて近くに生えていた花を蹴散らした。女仙は聞こえよがしに溜め息を吐く。
物心つく前に拐われたジュダルには蓬山の記憶はない。誘拐時に巻き込まれて死んだ女仙は運が悪かったがジュダルの所為では無い筈だ。
王を選んだから慣例に従ってわざわざ足を運んでやったというのに、女仙は麒麟の帰山を歓迎はしたが、黒く染まった麒麟に困惑し扱いあぐねていた。
忌避される事には慣れているジュダルにはどうという事もなかった。女仙の態度だけなら。
問題は王の方だった。

「シンドバッド様、そろそろ丹桂宮にお戻りになられませんと……」

声をかけるのに、その男の腕に絡まる必要がどこにあるというのか。女仙の猫撫で声も気に入らない。
ジュダルは煙たがられているのにシンドバッドばかりが女仙に持て囃されるのは腑に落ちない。あいつなんて俺が選ばなかったら、ただのちょっと目立つ覇気の強いだけのおっさんの癖に。

「ほら」
「…何だよ」
「桃は無いんだと」

無視している事に気づいていないのか無神経なだけか、シンドバッドは無理やりジュダルのてのひらに飴玉をのせる。

「お前は女どもに囲まれてる方が楽しいんだろ」
「まぁな。でもお前も、泣き顔がすきだな」
「…何言ってんだ……」
「うん。だから、気にするなって事だ」

戻るぞ、と頭をぐしゃぐしゃに撫でて、シンドバッドはジュダルを置いたまま踵を返した。
探しに来たんじゃねぇのかよと愚痴りながらジュダルはその背中に従ってしまう。飴玉も、投げ棄ててやろうと握って、結局口に放り込んで噛み砕いた。
俺が選んでやった、俺の王様、の筈なのに。この感情すらかみさまのいうとおりだとしたら、俺は道化でしかないのか。

「…バカみてぇ」
「なんだいきなり。失礼な」
「違ぇよ。うるせぇバカ殿。肉をよこせ」
「馬鹿者」

そんな事言うから疑われるんだとシンドバッドは呆れたように隣に立ったジュダルの頭を小突いた。


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歓迎の宴で「野菜ばっかかよ!肉は!?」と言ったに違いない黒麒麟サマ。
時間経過としては偽王(銀行屋)を倒した直後。
結果、拍手お礼にしなかったもの。


2016/01/05 ( 0 )






「わたし、あなたの心が読めるの」

赤い目を禍々しく煌めかせ、弧を描いた唇で少女は言った。

4. 不釣合いだなんて言わせない



「ラララララ、ララ、ララララ…………」
──…………!?

「!? どうしたカイム!」

契約者の精神が著しく動揺したことを感じ取った赤竜は、焦燥を隠さず今は傍にいない己の半身に語りかけた。

──心を読まれた。
「……何だと?」

返ってきた契約者の声は平坦で、しかし内容は
おいそれと聞き流していいものではないように思う。竜が契約者の態度と言葉の意味に同時に疑問を投げかけると、契約者はつらつらと自らの目に写る光景を説明し始めた。

──お前と「引き離されてこんなに切ないところに、敵の司教だけでなく最愛の妹までが赤い。これは天の采配か、世界規模で俺の竜を愛でようという神の意志か。」そんな心の内の高揚を思わず読まれ。
「もうよい!黙らぬか!その血迷った思考を止めよ!……他の契約者がおらぬ所でよかったわ……」

精神的疲労と醜聞を免れた安堵で赤竜は大きく息を吐いた。
腐敗しきった思考に同調させられる此方の身にもなれ馬鹿者めと赤竜が契約者の不遇に落胆していると、元凶の声が淡々と脳内に割り込んでくる。

──帝国のダニ共には聞かれているが。「舌もよく回る子供だな。」
「……何……?……まさか……ッ」

思わず竜は空を飛びながら首を振って辺りを見回してしまったが、先程焼き殺した羽蟲の死骸が墜ちていく様しか映らない。

──司教が全てをおっさん声で通訳している。高速回転しなが「ら。ラ、
ラララ、ララ、──ラブレッド!もうやめろォォ!オガーザーン!」
「本当にもうやめろォォ!」

契約者の絶叫に男は素直に思考を停止させた。自分より、肩で息をする司教の方が呼吸を乱す赤竜と同調しているようだなと言葉にしないままぼんやりと思う。
男の思考に躍らされていた司教は、柱の陰で呼吸を整えると再び現れ、今度は男と目を合わせずに言った。

「……わたし、心が読めるの」
──仕切り直しやがった。

舌打ちした男に司教は一瞬ビクリと肩を波立たせたが、硬直して動けない女神を見て強者の愉悦を思い出す。

「──私は女なのに」
「…やめて…」

震えながら訴える女神の心をさらけ出してやれば、兄だというこの男も衝撃を受けるに違いない。司教は嬉々として声を上げ続けた。

「ちぇっ、ちぇっ、クソが!役に立たない男どもめ!おねがい。助けて。抱きしめて。お兄ちゃん」

女神は顔色を失くして抗う気力も見せない。
勝利を確信し、どうだとばかりに司教が男を見ると、カイムは実の妹を睨むように見つめたまま、あらぬ方向へちょっと言ってみてと問いかけていた。
この男は何を言っているのだと司教が疑問に思っていると、時差を開けて男とは別の声が男を罵倒し始める。

「馬鹿者!確かに我は雌だが、世界と竜一匹を天秤に掛けてどうしようと言うのだ。お主如きに助けられる我だと思うか!そんな世迷い言をほざく暇があるならさっさと世界ごと救ってみせぬか、この役立たずめ!」
──……!

ショックを受けたように顔を逸らした男に司教は不安しか感じなかった。だって何故この男は顔を赤くして鼻を押さえているのだ。

「喜ばせる為に言ったのではないわ!」

やはり喜んでいやがったと驚愕する司教を後目に、竜の怒号を無視しながら何かを求める目つきで男は妹を見やり、女神は自らの感情の吐露を聞き流された事実に困惑しながらも、兄に熱っぽく見詰められている現状に内心歓喜していた。

「私を……見ないで……」

そんな期待した目をしないでと恥じらう妹に、お前はやれば出来る妹だと伝わらぬ声で励ます兄を、此れが血の繋がりと云うものかと赤竜は契約者の不運に落胆するしかない。

「おぬしら、似合いぞ」

だから余所でやってくれと願う竜の思いは届かない。


「憎い、憎いよクソ野郎!!」

司教の血を吐くような罵声も誰にも響かない。



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2は野上→司教→王子→←赤竜だと思っていますが今回は赤竜でも王子でもなく女神のお題でした、という話。
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2015/12/30 ( 0 )





朝、目が覚めると赤竜が幼女になっていた。


『どんな深化だ』
「五月蝿い」

呆れた声の男は溜め息を吐いて、握っていた妖精を放り捨てた。
男の握力か、腹筋と横隔膜の酷使によるものか、地に落ちた妖精はぴくりとも動かない。
踏みつける勢いで歩き出した男の足から妖精の半死体を庇うように伸びてきた盲目の男の手は無言の男に躊躇なく踏まれた。

「ちょっと待て!」

背中を丸めて蹲っていた赤竜と言い張る少女が立ち上がって怒鳴る。

「折角、ではなくてだな。わざわざ、我がこの様な有り様になったのだ、何かあるだろう!? ないのか!」
『…? こんな姿とは』

無表情でふり返る男に竜だった少女は、仁王立ちながら怒りと恥辱に打ち震え、男の視線に耐えきれず顔をそらした。

「っ…、…誇りある竜である我が、人間の姿なぞに…」
『ああ、そういう……』

男は顎に手をあてて思案する仕草をすると、間を置かず幼女の元まで引き返した。逃げ出そうとする本能に抗いその場に立ち尽くしていた少女を、軽々と横抱きに抱え上げる。

「ぉわッ!? なっ、何をする!我は竜ぞ、軽々しく持ち上げるなどっ…………た、確かに竜のままでは不可能だが、そうではなくてだな、その……、…………おい、何をして…、待てお主どこを触っ……ッ!ちょ、やめッ……!…………!」

顔を真っ赤に染めた少女は男の腕の中で文句を言っていたが、抱えられたままテントの中に消えていった。
抗うような声に、竜の姿で出来ない事と言ったらこれしか思い浮かばないが、と冷静な男の心情の吐露が割り込み、テント内の状況を予想した盲目の男は裏の林に逃げ込むべく身を翻した、直後、聞いた事もない獣の咆哮のような声が一帯の空気を震わせ、森に木霊した。
鈍い音と男の呻き声も聞いた気もするが、盲目の男は驚きと畏怖に思わず身をすくませる。

「こんな処で純潔を散らしてなるものかー!」

テントから飛び出した少女はそう叫びながら、服を乱したまま涙目で走り去っていった。
盲目の男は立ち尽くし、声を失った男はテントから出て来ない。

どうやら気も失っているようだ。



朝、目が覚めると幼女は赤竜に戻ってい。


『……深化って何だ』
「五月蝿い」

呆れた声の男は溜め息を吐いて、赤竜は首を丸めて蹲ったまま目もやらずに吐き捨てた。
美味しそうな目をする女やら匂いを嗅ごうとする男やら何事にも絶望する爺やら、竜もある意味で身の危険を感じたのかも知れない。
一人で納得して、男は顔を洗いに水場に向かう。その背中に視線を感じて何か用かと思念で問えば赤竜は、昨日の、と言葉尻を濁した。

「……あの、姿を……惜しいと思うか?」
『何故?』

男は濡れた顔を拭いながら平然と言葉にした。


5. 今のままで十分可愛い



「ばっ、馬鹿者め!馬鹿者!」
『? 何故2回言う』


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大小の問題ではなく気にしてるという事が重要だ、という話。
女神になれるということはつまりそういうことだろうという大半が下ネタになる謎。


2015/12/30 ( 0 )





Title


スキビ / DOD / マギ / ボカロ / ディスガイア4R
(※ ↑タイトルからそれぞれの目次に飛べます)


スキップ・ビート!
※ 蓮×キョーコ が前提です

SS
ケンカップルったー/ふたりへのお題ったー/あなたの力でハッピーエンドにしてあげてったー/Marchenパロ【磔刑の聖女】

人魚のひいさま 1 / / / / / ‖  ⇒∃
・続-人魚のひいさま
『Every Jack has his Jill.』 <罠>






DRAG-ON DRAGOON
※ 王子×赤竜 が前提です

SS
ふたりへのお題ったー

年の差の恋のお題
01. 未経験区域
02. 大事にされてるのは分かるけど
03. 年では大勝、恋は完敗
04. 不釣合いだなんて言わせない
05. 今のままで十分可愛い
06. 恋人同士に見られた日
07. あなたに追いつく目標
08. そんな顔もするんだね
御題配布元 >>> 恋したくなるお題




マギ
※ 覇王×ジュダル(♂×♂) が前提です

SS
ケンカップルったー

横暴な彼のセリフ(+裏御題)
1.お前の気持ちなんざ知るかよ
2.たった今、俺が決めた
3.キス一回で許してやる
4.好きって言うまで放さねぇ
5.俺がお前を好きなんだ、お前も俺を好きになれ

御題配布元 >>> 確かに恋だった


(十二国記パロ)


初めての誓約
誓約前日
誓約、完了
采麟と
ふたりへのお題ったー
Q.台輔の不調の原因は?

十二国記で十二のお題
1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 【巧国主従(信号機)視点】
7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 【漣国主従(シンジュ)視点】
御題配布元 >>> 紫龍堂





VOCALOID
※ KAITO×リンが前提です

SS
ふたりへのお題ったー

3つの恋のお題
伝えたい言葉ふたつ5題 1 / / / / ⇒∀


御題配布元 >>> 確かに恋だった





ディズガイア4R
※ 閣下×天使 が前提です

SS
無理矢理キスしてみたー
/ 3つの恋のお題
シナリオ通りにならなかった童話 5題


2015/11/01 ( 0 )




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