小ネタ集
category
all

その他カプ

惇淵

操仁

劉飛

遼仁

ホウ仁

羽飛



archive
2014.12

2014.11

2014.5

2013.11

2013.10

2012.10

2012.4

2012.3

2012.2

2012.1

2011.12

2011.11

2011.10

2011.9

2011.7

2011.6



惇淵

時として、休息は必要だ。
無自覚なのはどうであろうか?
仕事をこなすのは良いのだが。
休みをあまり取らないのも困者だ。
夏侯淵の心配をよそに夏侯惇はいくつもの仕事をこなそうとしている。
いくらなんでも、無理をしているのは分かった。
「惇兄、こちらの仕事は俺がやっておきます…、少し休んでくれよ」
夏侯惇の隣にいた夏侯淵の制止の声がかかった。
「すまない淵、頼む…」
夏侯惇が夏侯淵に竹簡を渡す。
その後、椅子に持たれ架る。
「少し休む、終わり次第起こしてくれ」
「解った…」
炎山は瞼を閉じて眠りに入った。
夏侯淵は渡された竹簡を処理していった。
これぐらいなら、そんなに時間はかかるものではない。
暫くすると仕事は全て処理し終えた。
夏侯惇を起こさないと。
ふと夏侯惇を見るとすっかり眠っていた。
何だか起こすのは可哀想にだ。
暫くはこのままにさせたい。
でも、起こさないと。
「惇兄…仕事の処理が終わったぜ」
夏侯淵が声をかけるが反応が無い。
もう一度声をかけた。
「惇兄…」
声が届いたらしく閉じられていた瞼から漆黒の瞳がこちらを見つめる。
「ああ、すまない淵。つい眠ってしまったようだ」
「疲れてるな?ここの所ろくに眠っていないのに」
「心配かけてすまないな淵…」
「少し御自分の事を大切にしてくれよ惇兄」
「ああ、お前の言う通りにしよう」
夏侯惇は夏侯淵に微笑んだ。
「惇兄…」
「これからも頼んだぞ淵…」
「ああ…」
夏侯惇が楽になるならこれからは、多くこなしていかなくては。
そう誓った夏侯淵であった。



comment : 0
7th.Jun.2011


羽飛

戦いの後は興奮が冷め止まぬ。
砦の奥まった場所で縺れ合う者がいた。

「んあ…雲長」
「翼徳、愛している」

関羽は張飛の腰を掴んで律動を早める。
いつも戦いの後は関羽と身体を重ねていた。
互いの体温を感じる事が唯一の救いであった。

「雲長、もう離れないで…」

張飛は関羽の首に腕を回して引き寄せる。

「翼徳…」

口付けをして愛撫を強くする。
関羽は律動を早めていく。

「ああ…イク」

張飛は限界を訴える。

「一緒にイこうな」
「うん…」

そして二人は快感の絶頂を迎えた。
快楽の波が通りすぎるのを待った。

「雲長、もう行くのか?」

快楽の波からまだ立ち直れない張飛は身支度を済ませる関羽に問い掛ける。

「ああ、これから任務があるからな…」
「そうか、気をつけてくれ。次はいつ会えるんだ?」
「暫くは仕事三昧だと思うが、暇になったら会いにいく」
「わかった…」

張飛は関羽に抱き付いた。

「愛している雲長…」
「拙者もだよ翼徳」

別れ際に口付けをして約束を交わす。
本当は別れたくは無いのに。
自由に会えないのは寂しいけど仕方ない。

「ずっと待っているから」
「ああ…」

関羽は名残惜しそうな表情を浮かべる。
今度会ったら沢山の愛の言葉を囁こう。
そして二人での時間を大切にしたい。
関羽は張飛に想いを馳せ、任務の地へと向かった。




comment : 0
6th.Jun.2011


遼仁

(獣化パロ)


「子孝殿…」
「どうした張遼殿?」
「その頭はどうされたのですか?」
「実は殿の悪戯によって兎の耳が生えてしまった」
「はあ、そうなのですか?」
「しかも尻尾まで生えておる」
曹仁が後ろを振り向くと可愛らしい尻尾が見えた。
「これはまた奇妙な…」
「私だけではない夏侯淵は猫耳が生えたらしい」
「なんと夏侯淵殿も?」
「元譲が戻るまで保護しているようだが。本当に困ったものだ…」
曹仁は溜息をついた。
気分に合わせてなのか曹仁の兎耳が垂れてしまっている。
よほど嫌らしいとわかる。
「このままでは、外出もままならないぞ…執務はともかくだ。会う人に説明していくのも面倒だ」
「なら、曹仁殿が元の姿に戻るまで私が貴殿を保護したいのだが…」
「え゙っ…!」
張遼の提案に曹仁は嫌そうな表情を浮かべた。
「まさか、良からぬ考えで申してはおるまいな?」
「何を言う。愛しい曹仁殿の為なら私はなんでもしよう…」
「せっかくの申し出だが遠慮しよう…」
何故であろうか、悪寒がしてならない。
嫌な予感が拭えないのだ。
「曹仁殿は私の事は信用しておらぬのか?」
「そうではない。たかが兎耳が生えた位で何も問題はない。自分でなんとかなる」
「夏侯惇殿のように私も貴殿を保護して戻るまでの生活を保障したいのだ」
張遼は曹仁の両手を掴み、真剣な眼差しで訴える。
その姿に曹仁は溜息をついた。
「解った、お主の申し出に従おう。ただし、変な事をしたらお主とは絶交だ。よいな…」
「わかりました。こな張文遠、約束は守りますぞ!」
元の姿に戻るまで愛しい者と一緒に居られるなんてなんて幸運か。
張遼は嬉しさに笑顔を浮かべ、曹仁を抱きしめたのであった。




comment : 0
6th.Jun.2011


劉飛


優しい貴方が好き。
守ってくれる両腕も、燐とした声も、美しい色の瞳も。
全てがすき。
あまり一緒にいる時間は少ないけど、側にいる時はうーんと甘えたくなる。
貴方といると幸せを感じる。
だから好きと囁くの。
だから俺を離さないで欲しい。
彼を見てそう思う。
「何だじっと見て、私の顔に何かついているのか?」
「ううん何でもないよ」
劉備は張飛を見ていくと胸が熱くなる気がした。
劉備は張飛を抱き締めた。
私は…お前のそういうとこ好きだな。
強くて優しい真っ直ぐな瞳に…惹かれたんだ。
張飛は私より強いんだな…。
全てを包み込む優しさと力がある。
私には無いものを沢山持っている。
「どうしたの、兄者?」
胸に収まる彼は上めがちに見つめてくる。
「恋は盲目とは良くいったものだな…」
「兄者…?」
盲目でなければ恋などできないかも知れない。
自分がこんなにも惹かれるとはな。
太陽のような笑顔。
眩しく輝く髪と瞳に、酔いしれた。
透けるような肌に触れたくなる。
「そなたは私にだけに笑顔を見せてくれ」
他の奴には見せるな。
それは独占欲と言うものだろうか。
「何故?」
「無自覚なのか、まあそれもお前の良い所だ」
誰からも惹かれる事を気付いていない。
それが救いになっているんだろう。
「そんなに心配しなくても、俺は兄者だけが好きだから…」
「翼徳…」
突然の行為に不意打ちを食らう。
張飛が劉備に口付けをする。
愛しい恋人からの口付けは珍しい。
劉備は嬉しいのか微かに微笑んだ。
「私は少し自惚れしてもいいのかな?」
劉備は溜め息まじりに呟く。
不安も残しておいて、余計にかまいたくなるんだ。
愛しい彼に口付けを落としたのであった。




comment : 0
5th.Jun.2011


ホウ仁

(現代パロ)


静かな美しい夜に柔らかな風がふく。
こんなにも月が綺麗な夜は一人で飲むのは勿体ないそう思った。
曹仁は濡縁で酒を呑んでいた。
今は仕事は無く、任務も無い。
久しぶりの休日だ。
このままゆっくりと過ごせると思ったがそれは無理だとわかり。
「何かあったのか張遼?」
背後から自分の相棒が現れた事に直ぐに気付く。
「曹仁大佐、ホウ徳殿がお出でになっておりますが、いかが致しますか?」
「あやつか…上がってもらえ」
曹仁は溜め息をついて答えた。
「御意…」
張遼が姿を消してから数分経つと、背後からホウ徳が現れた。
「夜分にすまないな、どうしても貴方に会いたくてな…」
「ふん、酔狂な奴だ、こんなにも綺麗な夜で過ごす時間も邪魔するのか?」
「こんなにも綺麗な夜だからさ」
ホウ徳は曹仁の隣りに座る。
「何故だ?」
「満月の光は人を惑わせると言う」
「…だから惹かれてきたと言うのか?」
「さあな。只、曹仁殿に会いたいと思った」
「まあいい、呑むか?」
「ありがたく頂く」
ホウ徳は曹仁から酒を注いでもらい呑んだ。
ホウ徳は曹仁を見る。
月明りに照らされた白い肌が妖艶に浮き出される。
漆黒の髪が引き出す色香に惑わせる。
ホウ徳は無意識に喉が鳴った。
曹仁が欲しい。
甘く鳴いて濡れた瞳で俺を見る姿が見たい。
「曹仁殿…」
「どうした、ホウ徳殿?」
ホウ徳は曹仁を濡縁に押し倒していた。
「貴方が欲しくなった」
「クククッ、本当に酔狂な奴だ…」
この私を抱きたい男がいるとは変わった奴だ。
曹仁はホウ徳の首に腕を回す。
「好きにするがいい…」
「子孝殿…」
ホウ徳は荒々しく口付けて曹仁を抱いていった。
微かに曹仁の濡れた甘い声が響く。
妖艶な満月が二人を照らしていたのであった。



comment : 0
5th.Jun.2011


羽♀飛

(現代パロ)


いつものように夕飯を作り二人で楽しい時間を過ごすだけで幸せで。
それが好きな人とだとしたら恥ずかしい。

「そんなに急がなくてもおかわりは沢山あるぞ」

張飛は関羽に言う。

「翼徳の料理はおいしいからつい…」

張飛はニッコリと微笑む。

「雲長が喜んでくれるだけで嬉しいよ」

ドクン…。

張飛の笑顔が綺麗だ。
いつもはあんな風に笑うなんてないのに。
二人っきりだからか?

「どうした、雲長…?」
「いや、何でもない」

さすがに見とれていたなんて恥ずかしくて言えるはずがない。

「?」
「そうだ、冷蔵庫にお前が好きなケーキを買ってあるから後で食べなさい」

関羽が張飛にケーキの事を伝えた。

「何で?」
「いつも、世話になっているし…そのお礼も兼ねている」
「ふふ…素直じゃないんだから」
「何の事だ…?」

張飛は極上の笑みと共に彼にキスをする。

「ありがとう、大好きだよ雲長」
「翼徳…」

関羽は優しくその体を抱き締めた。

「可愛いぞ、翼徳…」

甘い口付けが落ちる。
自分だけのものに出来る喜びを感じる。

「二度と離すものか、だからずっと側にいてくれ」
「ああ…」

二人はもう一度口付けを交わしたのであった。
貴方の側にいる時は、ふさわしい彼女としていたい。
だから笑顔を絶やしたくないから。
貴方といるだけで私は綺麗になるの。
張飛の甘い囁きに関羽は優しく髪を梳いたのであった。




comment : 0
5th.Jun.2011


惇淵←覇

ねえ、僕に見せてよ。

貴方が心許した相手に見せる笑顔を。

どうして僕には見せてはくれないのであろうか?

なんか悔しい。

大好きな父親を取られた気分だ。

「ねえ、父さん…」
「どうした息子よ?」

鍛練の合間に夏侯覇が夏侯淵に問い掛ける。

「父さんは伯父上が好きなんですか?」

その言葉に夏侯淵は飲んでいたお茶を吹き出す。

「ゲホゲホ、突然何を言うかと思えば下らない」
「下らなくはないよ、僕にとってはとても大切な事なんだから!!」

夏侯覇は夏侯淵に抱き付いた。

「…」
「父さんは僕の事嫌いですか?」

不安そうに夏侯覇は呟く。

「どうしてそう思う?」
「伯父上と一緒にいる時が父さんは良く笑っています。僕には見せた事の無いから」
「嫌いな訳なかろう、それに邪魔ならお前を切り捨てている」

夏侯淵は夏侯覇の頭を撫でる。

「僕の事好きなの?」
「さあな…」

他愛の無い会話に見えるがあの夏侯淵が小さな子供を託っているのが不思議だ。

「父さんの意地悪。ちゃんと答えてよ」
「お前には敵わんな、その…好きだぞ」

微かに好きと言う言葉は耳元で囁かれた。
その言葉に夏侯覇は笑顔になる。

「父さん、大好きだよ」

お返しのように夏侯覇は夏侯淵に不意打ちの口付けをしたのであった。



comment : 0
5th.Jun.2011


遼仁

(軍人パロ)


「張遼…」
声がする。
反応して顔を上げる。
『なんでしょう、曹仁大…佐…』
そこにある主の顔が曇っていて。
なにか悪い事をしたかと思いを巡らす。
『曹仁大佐…あの…』
「っ…よかった…」
そう言って主…曹仁がナビごと俺を抱き締めた。
なにがなんなのか分からない。
『あの…大佐…?』
「ん?」
『どうかされたのですか?』
「ん…ちょっとな」
逞しい腕から解放され、やっと曹仁の顔が見えた。
先程よりはマシになったが、やはり表情がくらい。
『曹仁大佐?』
「…夢を見たんだ…」
ぽつり、と言った。
「夢の中で犯罪が起こって…張遼が殺されてしまった…」
ぽたり、と涙が落ちた。
「俺はなにも出来なくて…ただお前がいなくなった拳銃を握り締めることしか出来なくて…」
『…曹仁大佐…』
電子画面に涙が落ちる。
触れないのにそれに手を伸ばす。
透明な水の塊がユラユラと揺れていて…
とてもキレイだと思った。
『…私はここにいます』
「張遼…」
『私はずっと貴方のお側にいます。勝手に殺されません』
きゅ、と口元を引き締める。
『それに貴方の指示が、私をそんなことにさせるハズがありません』
じっと曹仁を見つめる。
こんな不安そうな曹仁の顔なんて、きっと誰も見たことないだろう。
『私は、“鬼神”張遼です。そして貴方は“鉄壁”の曹仁でしょう?』
「…張遼…」
『私は…絶対、貴方の側からいなくなりません』
微笑んだ…つもりだった。
でも頬を伝うなにかを感じて、きっと俺はいまの曹仁のような顔をしているのだろうと思った。
「私の側にいてくれ、張遼」
『はい、ずっとお側に…』
そっと画面越しに、キスをした。
永遠に、貴方のお側に。
それが俺がやるべき、絶対任務。
張遼は誓いを立てた。
曹仁と共に生きるのが役目だと気づいたからだ。
「ならこの任務を早く終わらせ張遼の元に帰らないとな…」
『ええ、私は待っています。貴方が無事に帰ってくる事を』
「ああ、帰ろう。約束する…」
曹仁は約束を交わすと、再び任務を続行したのであった。



comment : 0
5th.Jun.2011


劉飛

(現代パロ)


自分をひた隠しながら生きるのは大変だなと思う。
幾ら何でも義理の兄である劉備と自分を見比べられたら勝ち目はない。
どうせ、自分は劉備のように頭は良くない。
自分には届かない相手である劉備は多忙な日々を送る。
だからいつも一人で食事をして一人寂しく眠る。
たまに恋人である関羽と一緒にいるけれど、やはり寂しいと思う。
「兄者は俺の事が嫌いなんだ…」
だからたまに家に帰ってきても会話もままならないまま自室で眠ってしまう。
毎日作った料理も無駄になるから自分だけ作るのも面倒だからと外で食べる機会が増えた。
帰ってきてもこんなにも広く感じる部屋。
いっそうの事、関羽の元で暫く暮らそうと思った。
一人は寂しいからと張飛は関羽の元に訪れる。
「どうしたんだ翼徳…こんな夜更けに?」
出迎えた関羽に張飛は抱き着いた。
「兄者が帰ってこない。一人でいるのは嫌だから暫く此処に泊めさせてくれないか?」
「そうか、拙者は構わんぞ…」
張飛の背中を優しく撫でながら関羽は呟く。
「今日はもう遅い。寝室にいこう…」
「うん…」
関羽に連れられて寝室に行くと関羽に寝間着を渡された。
「今夜は拙者と寝よう…その方が落ち着くだろ」
「ありがとう、雲長…」
関羽は張飛と共に一夜を過ごした。
次の日、関羽は張飛に内緒で劉備に連絡をとった。
「兄者、翼徳が寂しがっている。一度家に帰ってきたらどうだ?」
『翼徳には寂しい思いをさせてしまったようだな。解った今から雲長のマンションに向かうから』
「解った…」
劉備が仕事を放りなげても張飛を迎えにくる。
それは劉備が張飛を想っているからであろう。
暫くして関羽のマンションに劉備がやってきた。
「兄者、何で此処に?」
「雲長が教えてくれた。済まなかった翼徳…寂しい思いをさせて」
「兄者ぁ…」
張飛は劉備に抱き着いて涙を流した。
劉備は張飛を抱きしめる。
「泣かないでおくれ。私は間違っていた。今度からは翼徳が寂しくないように家に帰り翼徳と共にいる時間を大切にする…」
「兄者、本当か?だったら俺は嬉しいよ」
劉備の言葉に張飛は笑顔を浮かべた。
「ああ、本当だとも。私には翼徳が大事だからな…」
「兄者…」
「一緒に家に帰ろうな…」
「うん、帰る。一緒に家で過ごそうよ、俺は兄者に家で安らいで欲しいから家事とか頑張るよ」
「なら翼徳が作る料理を食べたい…」「解ったよ、兄者の好きなの作ってやるから」
機嫌を良くした張飛は嬉しそうだ。
「雲長…世話になったな。この礼は改めてするよ」
「いや、気にしてませんぞ。良かったな翼徳、兄者とこれから過ごせるぞ」
「ああ…雲長、また何かあったら連絡するよ」
「痴話喧嘩はしないで下されよ。拙者は巻き込まれるのは御免だ」
「あはは、しないように努力する」
劉備はそう言うと張飛と共に自宅に帰って行った。
「なあ、兄者。毎日、家に帰っても一緒に過ごせるだけで俺は充分だから…」
「遠慮するな。寂しかった分、甘えて良いのだぞ」
「ふふ、兄者のそう言う所が大好きだな」
「私も翼徳が大好きだぞ」
二人は笑いあい安らげる家にと戻ったのであった。



comment : 0
5th.Jun.2011


惇淵

(リーマンパロ)


暑い日が続く中で夏侯淵は残業をする羽目になった。
大量の仕事が舞い込み、一日では終わる量ではなかった。
デスクの上でパソコンとにらめっこしながらキーボードを打ち込む作業が永遠と続いていた。
流石に一人でオフィスにいると寂しいと感じてしまう。
そんな時に携帯にメールの着信音が響いた。
携帯を開くとそれは夏侯惇からであった。

『今日はいつ帰れるのか?』

短い文字でも自分の帰りを知りたい従兄に対して夏侯淵は笑みが浮かんだ。
「今日は残業だから遅くなるよっと」
メールで返事を返すと再びパソコンに向き合い作業を続けた。
今日中に取引先への書類作成と見積書を作らないと明日の業務に響く。
だから必死だった。
カタカタとキーボードを打っていたがやはり集中力は途切れるもの。
休憩しようかなと思っていた時だった。
「淵、差し入れに来たぞ…」
「と、惇兄、先に帰ったんじゃないのか?」
「メールで遅くなると知ってな。わざわざ来たんだぞ…」
「そっか…」
夏侯惇が夏侯淵に風呂敷に包まれた物を手渡す。
「冷めないうちに食べろ…」
「えっ、まさか惇兄の手料理か?」
「ああ、簡単におにぎりを作った。お茶もあるぞ…やはり珈琲の方が良かったか?」
「ううん、これで充分だよ。今休憩しようと思ってたんだ」
夏侯淵は嬉しいのか笑顔が浮かんでいる。
夏侯惇は隣のデスクにあった椅子に腰掛けた。
夏侯淵は風呂敷の包みを解くとラップに包まれた少し大きめのおにぎりが三個あった。
「中身はお前が好きなものを入れた。鮭やシーチキン、明太子だ」
「惇兄、サンキュー。俺、惇兄の手料理大好きなんだよな…」
「そうか、そう言ってくれると作った甲斐があるな」
夏侯惇はクスっと笑うとペットボトルのキャップを外しお茶を飲んだ。
夏侯淵はおにぎりを頬張り嬉しそうだ。
「惇兄、ごっそーさまでした」
「淵、ご飯粒がついてるぞ…」
「えっ、何処?」
「とってやるから動くな…」
夏侯惇は手を伸ばすと口元についたご飯粒を取ると自分の口の中に入れた。
「ちょっ、惇兄…」
「何だ、勿体ないだろ残すのは?それとも妙な事を考えていたのか?」
「それは、その…」
恥ずかしくなったのか夏侯淵は顔を真っ赤にした。
夏侯惇はそんな姿が愛らしく感じた。
「早く仕事を終わらせて一緒に帰ろうな」
「ああ、俺頑張るよ…」
夏侯惇の言葉に夏侯淵はやる気が出たのか再びパソコンと向き合い作業を続けた。
それから30分後に作業が終了した夏侯淵は疲れたとぼやく。
「よく頑張ったな…お疲れ」
「惇兄が居たから頑張ったんだ。ありがとうな」
「そうか…」
会社を出た二人は夜遅い為か街灯だけが点いた道を歩いていた。
「淵、たまには手を繋いで帰ろうか…」
「うん…」
二人は手を繋いで安らげる家へと帰っていた。



comment : 0
5th.Jun.2011



↑back next↓
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -