劉飛
優しい貴方が好き。
守ってくれる両腕も、燐とした声も、美しい色の瞳も。
全てがすき。
あまり一緒にいる時間は少ないけど、側にいる時はうーんと甘えたくなる。
貴方といると幸せを感じる。
だから好きと囁くの。
だから俺を離さないで欲しい。
彼を見てそう思う。
「何だじっと見て、私の顔に何かついているのか?」
「ううん何でもないよ」
劉備は張飛を見ていくと胸が熱くなる気がした。
劉備は張飛を抱き締めた。
私は…お前のそういうとこ好きだな。
強くて優しい真っ直ぐな瞳に…惹かれたんだ。
張飛は私より強いんだな…。
全てを包み込む優しさと力がある。
私には無いものを沢山持っている。
「どうしたの、兄者?」
胸に収まる彼は上めがちに見つめてくる。
「恋は盲目とは良くいったものだな…」
「兄者…?」
盲目でなければ恋などできないかも知れない。
自分がこんなにも惹かれるとはな。
太陽のような笑顔。
眩しく輝く髪と瞳に、酔いしれた。
透けるような肌に触れたくなる。
「そなたは私にだけに笑顔を見せてくれ」
他の奴には見せるな。
それは独占欲と言うものだろうか。
「何故?」
「無自覚なのか、まあそれもお前の良い所だ」
誰からも惹かれる事を気付いていない。
それが救いになっているんだろう。
「そんなに心配しなくても、俺は兄者だけが好きだから…」
「翼徳…」
突然の行為に不意打ちを食らう。
張飛が劉備に口付けをする。
愛しい恋人からの口付けは珍しい。
劉備は嬉しいのか微かに微笑んだ。
「私は少し自惚れしてもいいのかな?」
劉備は溜め息まじりに呟く。
不安も残しておいて、余計にかまいたくなるんだ。
愛しい彼に口付けを落としたのであった。
終
comment : 0
5th.Jun.2011
comments
↑back next↓