肉塊になった君


完結済み作品「肉塊になった君へ」の加筆修正版
上段H×H/下段呪術



 



はじめに

夜が迎えにくる前に

最愛を狂気が微笑する
幸せに唾を吐く
這い上がれぬほど踏みつけろ
不完全な僕らの微睡
歪んだ湖で泳ごうか
凍える前に冬眠させて
誰かの願いが叶うまで
深淵で僕は笑うから

渦巻く呪いに逃げ込んだ


構わないで
ああ、だめだ、全部ダメ
過去を食い破ってくれよ
聖者などいるものか
海を抱いて眠る
漆黒の獣は夜に笑う
さらわれた明星
凶暴な渇きと共に
ぬかるみに沈んでいく
夜明けに溺れる月のように
裸足のままでいたいのに
全て偽りのマリア
主よ、その潤んだ唇に
悪鬼が通る
聖域に銃口を向ける時
遠回りして逢いにきて
星を孕む
同じ青を見てたのに
首輪をつけた野良猫
彼らを強くするもの
君の中の流星
僕の心を掬い上げてよ
たまには泣きたい夜がある
肉塊になった君へ
あとがき

続編

欠けた牙で威嚇して

IF

僕の祈りが届きますように
貴方が残した残骸です



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