!設定
ゆらゆら、
△惚れさせ上手なあなたのくせに▽諦めさせるの下手な人
△赤い顔してお酒を呑んで
▽今朝の勘定で青くなる
△どこがいいのと尋ねる人に
▽どこが悪いと問い返す
△逢うたあの日の心になって
▽逢わぬこの日も暮らしたい
バラバラ、
△井戸の蛙が空うち眺め▽四角いものだと議論する
△人の口には戸は立てながら
▽門を細めに開けて待つ
△金の屏風に墨絵の牡丹
▽中に二人の狂い獅子
△こうしてこうすりゃこうなるものと
▽知りつつこうしてこうなった
△「諦めましたよ」「どう諦めた」
▽“諦めきれぬ”と諦めた
きらきら、
△察しておくれよ、花なら蕾▽咲かぬところに味がある
△喧嘩した時この子をご覧
▽仲の良い時できた子だ
△これほど惚れたる素振りをするに
▽あんな悟りの悪い人
△恋に焦がれて鳴く蝉よりも
▽鳴かぬ蛍が身を焦がす
△異見きく時ゃ頭を下げな
▽下げりゃ異見が上を越す
△入れておくれよ、かゆくてならぬ
▽私ひとりが蚊帳の外
△上を思えば限りがないと
▽下をみて咲く百合の花
△ひとりで差したる唐笠なれば
▽片袖濡れよう筈がない
△どうせ互いの身は錆び刀
▽切るに切られぬ腐れ縁
△積もる話が仰山おすえ
▽それに今夜は雪どすえ
△逢うて心のくもりも晴れて
▽ふたり眺むる蚊帳の月
△昔馴染みとつまずく石は
▽憎いながらもあとを見る
△白だ黒だと喧嘩はおよし
▽白という字も墨で書く
△意見するのは親身の人と
▽思いながらも恨めしい
△雷の光で逃げ込む蚊帳の
▽中でとらるるへその下
△つねりゃ紫、喰いつきゃ紅よ
▽色で固めたこの体
△お前の為にと結いたる髪を
▽今宵乱すもまたお前
△不二の雪さえとけるというに
▽心一つがとけぬとは
△星の数ほど男はあれど
▽月とみるのは主ばかり
△出せぬ手紙が積もり積もって
▽いつしか字だけがうまくなる
△論はないぞえ惚れたが負けよ
▽どんな無理でも言わしゃんせ
△嫌なお方の親切よりも
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