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君一路

それに今夜は雪どすえ


言いたいことは山ほどあった


もっと謝りたいし、よく帰ってきてくれたとお礼も言いたい。無茶すんなと怒りたい気持ちもある。


せやけど今はコイツが…俺に会いたかったと、俺の隣をもう一度歩かせてと、泣きながらすがる天音のことが愛しくてしゃーなくて



今度は失敗しない

衝動に身を委ねて、俺は自分の欲望を天音にぶつけた



「…っ、!?…し、ん……ァ…っ…」



好きで好きで仕方なくて、黙って居なくなったことに腹を立てて、男と居ることに嫉妬して傷つけて、それを死ぬほど後悔して…そんな俺やのに、お前は会いたかったと涙を見せた


せやからお前が悪いんやで

自分のことを想いながら泣く女を前にして、黙っとれる男なんぞ居てへんわ




寂しさなんかの色んな感情を埋めるために深く深く唇を重ねた。腕を回した腰は異様に細くて、唇は少しかさついていた。二十年間監禁されていた代償のようにこいつの身体は痩せ細っていた。


少し唇を離せばトロリとした瞳が俺を捉えた。心の中がざわつき腰がズクンと疼いたがそこは理性を総動員してグッと押し止める。


もう一度キスをして、かさついた唇が少しでも潤うように舌で舐めた。すると面白いようにビクリと天音の肩が跳ねる。可愛ええなぁなんて思いながら執拗に続ければ流石に制止の声がかかった。




「しん、じ……なんで…」
「…探しとった」
「え、?」



「俺も、二十年間ずっとお前んこと探しとった。なんで俺らに黙って居なくなったんやとか思っとった時もあった。せやけど…やっぱしお前に会いたくてしゃーなかった」


「真子…」




視線を合わせる為に天音の顔を手で包む。すっぽりと両手に収まる小ささに庇護欲が湧いた。顔立ちは大人っぽくさらに綺麗になったが、やはり疲れやストレスが滲んでいて少し頬が痩けていた。


そんな天音の様子をこの目で確認する度、俺ん中で想いが駆り立てられていった。細くて、小さくて、今にも消えてしまいそうなお前を、今度はちゃんと俺が護っていく。



もう二度と、お前を独りにはさせん



「好きや、天音」




多分、初めて会ったあの日から、ずっと