アルギエバ感想まとめ

2014.10.01.Wednesday


参加させて頂いたアンソロジー、アルギエバの感想をやっとこさ書き終えたので、自作品も含めて16作全て載せます。
ツイッターに投稿したものなので、160字以内に納めてあります。文字数制限で伝えたいことの6割も書けませんでしたちくしょう。


屋上の魔法使い
小学生にとって衝撃的すぎる事件を目の当たりにし、バラバラになった三人。時を経て立ち直った2人が、1人後悔の海で足を止めていた幸に手を伸ばして助け出す姿に、友情に安堵しました。途中の幸の空想の世界の表現が美しく、もっとこの娘の世界を見たい。と思いました。

西に鸚鵡、東に鷹
陰謀、権力、思惑が入り混じる宮中を舞台にした歴史スペクタクルといった印象を抱きました。中盤以降、皇帝に対する怒りが炸裂しました。感情的に突っかかる鵬覧に対する啄飛のスルースキルの高さに、ニヤけ、最後の立場逆転ににんまりすること間違いなし。

ギイ・クラレンスの挑戦と失敗
呪詛を解くため、性別を偽って裏返しの世界へ飛び込んだギイの、時に権力を使っての奮闘記が何とも愉快でした。ギイを嫌いと口にするシエラに、どれほど「ギイが望んだ訳では無いんだよ」と思ったことか。最後のシエラのターンに思わず笑みが溢れました


近未来の情報が支配する世界で、犯罪者を捕まえ、葬る部署に配属された二人の男女の真っ直ぐで、だからこそ交わらなかった哀しい運命。最後まで感情を露にせず、一人耐えた水澄。ただ正義の為にと一人戦った律の姿がとにかく切ない。冒頭と対を成す最後の台詞が、ズンと胸に来ます。

トゥリからの手紙
とにかくイハナを可愛く書こう。サーダを完膚なきゲスにしようと必死こいていましたが、終わってみれば、登場人物全員が好きになっていました。2つの可能性をぼかしています。サイトに公開してから裏話をする予定です。

サテモ散ル散ル花ノ先
独特な韻と文章表現が新鮮でした。純粋なお嬢様が裏切られ、次第に修羅となる姿は読んでいて背筋が凍りました。どこか楽しむかのように呪いを掛ける姿が何とも言えない不気味さと悲しさを引き立てていました。因果応報。人を呪わば穴二つ。が当てはまる物語。

最後の竜が眠る森
竜、崩壊した文明、竜騎士、精霊、駆動鎧……独特な世界観が非常に興味深く、またファンタジー好きの壺を押さえていて、出だしから終わりまで十二分に楽しませて頂きました。エルシュラインとライゼの優しい世界が永く続きますように。

ちいさな悪党のはなし
世の不条理に疲れ切った悪党が救われる終わり方に心が洗われます。彼に沢山の幸せが訪れますように! と願わずにはいられない。短くも簡潔に纏められているお話でした。絵本。もしくはアニメで日曜の早朝に頭を空っぽにして見たい。そう思える優しい物語でした。

フェアシュプレッヒェン
不器用な女同士の友情にニヤつき、主従関係の信頼性の高さに思わず感嘆し、緊迫しつつもテンポの良い戦闘シーンに手に汗握る。感情が表情に出てしまうお話でした。ユーリアの不器用な一途さがとにかく可愛らしく、蹴り飛ばされるラピが不憫で思わず笑いました。

あおいそらに
大事なもの、大事な人は気が付かないだけで、いつだって自分の側にいる。当たり前で忘れがちなことを再認識させてくれた物語でした。全てを受け入れた木鳥の最後の演奏シーンで、天井の穴の奥にある青空が自然と脳裏に浮かびました。

銀の滴降る降るまわりに
箱入り娘の乙楠と野性的なアイカリシマ。性格も、生まれも、育ちも全く違う二人が、ぶつかり合いながらも、お互いを理解し、成長して行く姿が愛おしく感じました。個人的に最初は泣きべそをかいていた乙楠の成長っぷりが見所です。あれは惚れ直す。

砂に見る夢
美しい砂漠の描写に続く、え!? と思わざるを得ない展開に、ぐっと引き込まれました。届かなかった思いが長い時を越えて伝わり、そして朝露のように消えていく。切ないけれど、温かいお話でした。現在、過去、そして未来に繋がる友情の物語に目頭が熱くなりました。

ドリーム IN どり〜む
苦手から始まった恋。女子力を気にする。ひょんな事から傷付き、動揺する。恋にまっしぐらな等身大の女子中学生、愛良がとても印象的でした。また、愛良達狩人が戦っている夢魔も個性的で、他の人の夢魔はどんなのだろう? と気になりました。

背中合わせの家
外国文学に似た語り口に、日本特有のじわじわと真綿で締め付けて来るような恐怖が見事に合わさった印象を受けました。廃屋と人形。それが徐々に近付いて来る底知れない恐怖。幼少期に見たらトラウマ必至のお話でした。もしかしたら……を匂わす終わり方も怖い。

チョコレート・パラノイア
凸凹コンビの絶妙な相性に、一時ミステリという事を忘れて和む。それ程までに登場人物が魅力的な作品でした。また、おまじないを巡って繰り広げられる事件が、どこかホラー味を帯びていることもあり、一つで二度、三度美味しく、沢山の観点から楽しめる物語でした。

雲居の超能力者は朝が早い
エミーリヤとジルドの駆け引き、窮地からの共闘が王道ながらもとても痛快で次々頁を進めました。エミーリヤが終始優勢で、思わずジルド頑張れ。と応援したくなりました。また、舞台である宇宙船、グラントルが古代文明好きとしてはたまらなく魅力的。

兎にも角にも、背中合わせが好きな方には是非読んで頂きたい一品です。
言葉足らずですが、上記を読んで興味を持って頂けたら、飛び上がるくらい幸せに思います。


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