焼失点 | ナノ

焼失点

火葬、華葬

仇討の果てに何がある。世界を壊した処で何が残る。ただの空虚しかないじゃないか。もし“あの人”が生きていたならば、これまでやってきた“復讐”は無意味だったのだろうか?
突如目の前に現れた“あの人”は“あの日”以来何も変わっていなかった。

01 過去が燃焼した日
02 初雪
03 なくなって染みる愛おしさ
04 氷結
05 あって解かる安堵感
06 慕情
07 何も聞かずに傍にいる
08 混沌
09 吸い込んだのは酸素と冷えた空気
10 空音
11 絡まるような青空の綿雲
12 丹英
13 有為転変は世の習い
14 晦渋
15 恨みも悲しみも相無く
16 一興
17 秋草のやうな波をたて
18 風薫
19 桃栗三年柿八年
20 硝子