並行世界.17

※注意※
『』の表記が咲夜≠フところの三蔵一行、清蘭、朱麗
「」の表記がわたくし黒音側の葵を含む三蔵一行の会話になります。



序章









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『清蘭…清蘭!起きて起きて!』
『ん〜…おはよぉ〜…』
『はいそのまま寝ないで顔洗う!』
『昨日遅かったから眠いよ〜……あれぇ?葵ちゃんは〜?』
『私が起きた時にはもう居なかったわ』
『早起きさんなんだねぇ〜、ふぁ〜…』






清蘭がやっと目を覚ました。朱麗が起きた時にはすでにその隣にはいなくて、床を触ってみればまだほんのり温かみが残っていた。
ということはつまり朱麗が起きる少し前までは寝ていたというところか。



『ほんと、三蔵との約束を守るなんて葵は律儀ねぇ〜』
『…Zzz』
『立ったまま寝るなーっ!!起きろーっっ』
『あと5分〜…』
『布団に帰っちゃダメぇーーーっ!!!』




いつもの就寝時間を過ぎてから寝たから睡眠時間が足りずに、布団へと吸い込まれるように清蘭は眠りについてしまう。



*時は少し戻る*




「ただいまぁ…」




葵はその条件通り起きたらみんなの元へと戻っていた。部屋割りが三蔵と葵、八戒の三人部屋。悟浄、悟空の二人部屋の二部屋。八戒はまぁともかく、三蔵は寝起きがとても悪く、低血圧なので自分が部屋に帰ることで目を覚まさせてしまったとあればその後の三蔵の機嫌が悪くなると思い、音が最小限になるようにゆっくりとドアを開ける。






「!!!」
「なんだ、早かったな」
「お、起きてたの…?」
「あぁ、今さっき目が覚めた」
「八戒は…」
「まだ寝ている」
「…それにしても早起き過ぎない?」
「そんなことよりもちゃんと寝れたのか?今日のうちにはここを出るんだぞ」
「どうかな。寝た寝たけどなんかいつもと違う感じがして早く目が覚めた」
「そうか」







結局ふたりは似たもの同士だ。いつもの環境でないと、いつもの人がいないと安心して眠ることができなかったのだ。



日が昇りきり、しばらくすると八戒が目を覚ました。さして遅い時間でもなくいうなればいつも通り。二段ベッドの上で寝ていた八戒は目をこすり、枕元においてあったメガネをかけた。
そこからは斜め下の葵が使うはずのベッドがあったもののそこには葵の姿はなく、八戒はまだ彼女が帰ってきてないものだと認識した。
顔を洗ってから朝の日課であるコーヒーを淹れるとともに、三蔵を起こそうと考えながら二段ベッドから降りた。が……。






「…結局いつも通り一緒じゃないとダメなんですかね」






そういって布団をかけた。

きっと早く起きてしまった三蔵と、早く帰ってきた葵はそのままなにか話していたのだろう。ベッドに深く腰掛け、壁によりかかり寝ている三蔵とその三蔵の肩にもたれるように眠る葵がいた。











***








「あーー、なんか肩とか腰とか痛い〜!」
「でもそれは自業自得ですよ?」
「葵、どっかにぶつけたのか?」
「違いますよ。葵と三蔵、僕が起きた時に二人仲良くベッドに腰掛けて寝ていましたから、無理な体制でしたし体が固まってしまったんでしょう」
「なんでベッドで普通に寝ないんだよ、変なの〜」
「……」
「そ、それは…」





三蔵は知らん顔で話を聞いてないふり、葵はどう説明していいのかと言葉をつまらせる。そこへ

『あ!葵ちゃんいたぁ〜っっ!!♪』

と大きな声がしたと同時に葵の背中にドシン、と振動が伝わる。




「うわっ!!??…ってなんだよ、清蘭か……びっくりすんだろ〜…」
『えへへー』




その振動にびっくりして振り返ればくっついていたのはなんだか満面の笑みの清蘭だった。その後ろの方には朱麗や他の面子もこちらへ向かって歩いているくるのが見えた。




「どうしたんだ?清蘭達も買い忘れでもあったのか?」
『えぇ〜!昨日自分で私に頼んだでしょ〜?』
『服を選んで欲しい、って。清蘭に』

『あ、姉貴微妙に根に持ってる…』
『うるさい』
『へーへー』

「あぁ、そっか。そう言えば頼んだっけか」

『姉貴、今回は手を出してやんなよ??』
『わかってるわよー、しょうがないけどね』
『あ、それとそっちの兄さんと八戒も一緒に服選び考えてくれるとありがたいんだけど。葵ちゃんのことよく知ってるのはそっちだし』
「え、えぇ……。僕らは別に構いませんが清蘭さん僕達の怖いのではなかったんですか…?」



そっちの兄さん、というのは葵の方の三蔵…ということになる。
八戒は清蘭の発言を聞いて少し驚いた。当初あんなに怖がったいたからできるだけ接触を避けるのがいいものだと思っていたからだ。



「まぁ、いいんじゃねェの?かわいこちゃんの頼みなんだし聞いてやろうぜ。なぁ、三蔵?」
「ふん…好きにしろ」


『葵ー、話はまとまったー?』
「みたい」
『じゃあ、早く行こうか。夕暮れになるころにはこの街も出発しないいけないんだし』
『だね!えっとじゃあ、昨日と同じ店でいいかな?』
「あ、うん。構わない」




見上げれば日はもう高く登っていて、ゆっくり服を選ぶにはここで立ち往生してる時間ももったいないと女性陣を先頭に店へと向かった。


どうやら少しは当初に比べて清蘭の物腰も柔らかくなりなんだか嬉しそうな葵達。…特に悟浄が。とは言っても彼も一応大人なので手を出したりはせずにおとなしく見守っていた。


店につくなり清蘭は葵を一目散に更衣室へと上がらせた。だが先日の朱麗とは違い、好みや形、どんな用途で使うようなのが欲しいのかを聞き服選んでいく。
1回着替えさせている間に葵のことをよく知っているであろう八戒三蔵にも意見を聞き、また服を何着か選んでいく。


その選んだ服の中にはどこかの誰か(朱麗か悟浄)が紛れ込ませたミニスカートのセットアップもあったりした。



『ありゃ私そんな短いスカート渡したっけ?』
「で、でもあったから着たんだぞ!?」
『さては…』
『せーーーっかくの綺麗な足がもったいないからスカートだって履けばいいのに〜』
「俺もそう思うぜ!!」

「………」




頭だけを閉めたカーテンの隙間から出して朱麗と悟浄に盛大のジト目の視線を送り続ける葵。



「そんな目で見なくたって良いだろー?似合ってるよな、三蔵」
「……知らん」
「あ、ミニスカートはお気に召さなかった?」
『こんなに女を急に出してほかの男にちやほやされたら困るものね〜』
「黙れ、アバズレ」
『なっ!!』




同意を求められた三蔵だったが、そこに頷くことはしなかった。どうやら朱麗の言ったことが図星のようだ…。こちらはこちらで結局過保護なのだ。



『まぁまぁどっちが忍ばせたのかは置いといて、ついでだからこれも着てみてよ!これはちょっと私の好みよりなんだけど』
「お、おう…」




手渡された服はどうやらスカートじゃないことを確認すると内心ホッとした。
ズボンに足を通し、上着に腕を通し鏡で確認してからカーテンを引く。




『キャー!!!葵ちゃんかっこいい!これは惚れる!!可愛い感じもいいけどこれはこれで180°違っていい!!』
『なぁっ!?!?』






「あっちの悟浄なんか振られたんじゃね!?」
「悟空、もしそうだとしたら可哀想なのでそこは声を小さくして」
『問題そこ!?!?』

『うん!似合うよ葵!』
「あ、ありがとう」



これはこれでスカートを履いた時とはまた違う恥ずかしさがこみ上げてきて、少し顔を赤くした。がすぐさまあわてふためく悟浄をみてニィっと笑うと清蘭の肩をすっと抱き寄せ…

「ざまぁ」

と言った。



『!!』
「あ、悪ぃ。びっくりしたよな。平気か?」



男性恐怖症の清蘭にとって知らない男の人≠ニいうのは恐怖の対象でしかない。だからこそ知ってる人間とはいえ、一緒にいる時間はそこであわてふためく悟浄と比べたらちっぽけなもので過呼吸を起こしたりしないか心配をしたのだった。
だがどうやら本人は少し驚いただけで特に異常は内容で葵も安心した。



『な、なぁ…清蘭ちゃん…??ウ、ウソだよな!??』
『もちろんよ。悟浄がいちばん決まってるでしょ?』
「………なんかそっちの俺、尻に敷かれてねぇーか…」
「でもあなたの底知れない女遊びよりは<}シだと思いますがねぇ。でも、こちらの悟空の挑発に乗れないほど動揺しているようですけどね」
『ほら、こっちには彼女のコワーイお兄ちゃんがいますしね』
「なるほどなー」
『…何か言ったか八戒』
『いいえ、なんにも』




八戒はこわいお兄ちゃんの三蔵に話しかけられたが、何も無かったと満面の笑みで答えたので三蔵もその後のことは追求しなかった。

そして、やっと服を決められることが出来、着替え終わり出てきた葵。前より華やかさがあるが、自分好みの服へ着替えられたらしくどこか嬉しそう。
清蘭と八戒も着替え終わった葵を見て満足そうに頷いた。







『うん、この服がやっぱり清蘭ちゃんらしいかな!可愛いけど、動きやすさ重視にしているし』
「えぇ、とてもいいと思いますよ。着心地はどうですか葵」
「いい、と思う。三蔵…ど、どうかな」
「ん…」
「何が「ん…」だよ!ちゃんと似合うつってやれよな〜!」





あまり素直にすべての感情を口に出さない三蔵だが、やはりその受け答えや、表情の微妙な違いでいつもいる仲間にはなんとなく答えがわかる。
だからいつもそんなに追求しないのだが、服を一式着替えたのはやはり見た目的にも大きな違いであり、似合うも言われるのとなにも言われないのだと大きく違うのだ。

なんだかんだお優しい悟浄は自分の口から素直に褒めてやることを進める。






「……その、いいんじゃないか」
「ありがとう…!」

「まだ硬い」
「でも大きな進歩なのでは?」

『でも急に「良く似合うぞ!」って言われてもちょっと引くかもな〜』
『兄さんはツンデレなのがちょうどいいもんね!』
『オイ、だれがツンデレだ』
『え?兄さん』




初めて褒められたことに葵は照れているのを見て悟浄八戒、朱麗、清蘭、そして三蔵が話をしていた。




『にしてもやっぱ姉貴よりセンスいいよな、清蘭って』
『…おい』
『いやだって、昨日着替えて出てきた時の葵ちゃんと今の葵ちゃんと顔が全然違うのわかるか??』
『いや、わかるけどさぁ…』




そう言われ、朱麗は改めて葵の顔を見る。必死に男として生きなくちゃ≠ニ思い込んでいた彼女の表情は、最初に見た時よりも間違いなく明るく見えた。



『…あの服葵の好みだったってだけじゃないと思うけど、ほんとに良く似合うわ』

『まぁ俺が育てたからな、当たり前だ』



『言うと思った…』
「言うと思った…」






ここで両 悟浄のコメントが被るのだった。
空を見上げれば高くのぼっていた太陽もだんだんと傾き始めていて、彼女達に幾千もの出会いがあるように幾千もの別れがついてまわる。





もうすぐ また 1日が 終わる……。
























***
久々すぎた!!!お互いにほかのことに忙しくて!!!汗

9月くらいから更新が切れてましたね!


書いてる本人が「えーっと…どこまでいったの?むしろ何してたっけ?」っていう勢いでした!!!


こんな感じにまとまりましたね!
前日の夕飯?だっけ?のときに約束をした葵ちゃんのお洋服選びです!
大して多分変わらないんだけど色味があったかい感じになったりしたんだと思います!←


今まではこう黙ってると間違いなく男の子みたいな感じだったのが
表情もたぶん柔らかくなって女の子なんだなってことを節々?所々?に感じるようにみんながなるんだと思います!←

葵ちゃんのところの三蔵様がミニスカートに嫌悪示してたのはまぁ足がメッサ出てるからですよね!
前に咲夜と個人的に話してたエ*リ*ザ*ベ*ス(七*つ*の*大*罪)の衣装が頭をよぎったのです!
まぁ本人もあの服じゃ全力で戦えなさそうですよね(*´・∀・`)


とまぁこんなかんじでした!

次回?次の次?で終わる…のか…な???←

って感じですがよければよろしくお願いします〜。





読んでくれてありがとうございました。

黒音 未唯


2015.11.07










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