並行世界.6

※注意※
『』の表記が咲夜≠フところの三蔵一行、清蘭、朱麗
「」の表記がわたくし黒音側の葵を含む三蔵一行の会話になります。



序章










散々いじられにいじられた葵はできることなら今この場から早く逃げてしまいたいと思うのだが、きっと今逃げたら朱麗に全力で追いかけられる気がしてならなかった。
そして両方の一行が揃ったことで店の前ということもあり、近くの喫茶店に寄ることになった。そして、清蘭と朱麗、葵はそれぞれお互いの一行に改めて自己紹介することにした。




『お互いのそっくりさんのことは自己紹介しなくていいわよね?』
『当たり前だ』
「今更といいますか、よく知った顔ですしね?」
『そう、じゃあ私からするわね。私は沙 朱麗って言います』




沙≠ニいう苗字に4人はピクリと反応する。その問に声を出して問いただしたのは悟空だった。



「え…沙ってお前…あれ?」
『俺の義理の姉貴。ま、血は繋がってねぇけどな』
「はぁぁぁ!?!?そっちの俺、こんなボッキュンボンのお姉さんがいるとかマジかよ!!」
「あー、でも悟浄の姉ちゃんだろー?悟浄より年上ってことは、俺からすると結構年上だよなー」

『猿にしては頭が回るけど、それ禁句……』
「え……いぃっってぇぇぇぇええ!!!???」




本日二度目の禁句ワード≠言われた朱麗は悟空の頭に思いっきり、それはもう思いっきりゲンコツぶつけた…。石頭の悟空ですら頭を抱えるほどの威力があったとか、なかったとか…。

葵はその光景を目の当たりにすると、自分が着せ替え人形されたことはまだマシだったのかもしれないと自分の服装を見下ろした。
一方清蘭は恋人である悟浄の腕に顔を押し付けて、向かいに座る葵の一行の誰とも目を合わそうともしなかった。どうやら先ほどのナンパされたこと、そして目の前にはいつも見ている三蔵一行と同じ顔といえど、違う三蔵一行つまり知りえない男の人≠ェいることによる恐怖からか昔の記憶(※詳しくは
オリキャラ設定にて確認してください♪)がフラッシュバックされているようだった。



『清蘭、ホントどうしたよ。まぁ俺的にはめっさ嬉しいんだけど…。あ、なんか姉貴に怖いことされたのか?』
『おい、朱麗どういうことだ』
『なんでそうなるのよっ!』
『じゃあこたえろ』
『えー、っと…』



清蘭の様子が明らかにおかしいことから(過保護な)兄が顔を険しくしながら朱麗へ詰め寄り問いただす。




「……てかよぉ、あっちの俺はリア充とか…」
「いやー、あちらの悟浄は成長してるみたいですね♪」
「ごじょー見習えよ〜??」
「なっ、うっせぇ!猿にだけは言われたくねぇ!!」
「あー!また猿って言ったなぁぁ!!!」

『実は、ね…?』

「お前らうるせぇっ!」
『お前らうるせぇっ!』


「「すんません…」」
『三蔵が二人揃うと流石に迫力満点だな…』
『なんか言ったかゴキブリ』
『なんでもないデース』



三蔵は何も言わなかったものの、いつにもまして眉間にシワを寄せ鬼の形相で悟浄を睨んでいた。



「さっきの話を続けろ」
「すみませんね、うるさくて…。朱麗さん続けてもらえますか?」

『!…っ……』




朱麗は騒がしくして話が途切れてしまったことを軽く会釈とともに詫びた八戒と目が合った。そして未だにぬぐいきれない違和感にびっくりし、さっきまでしていた話をどう切り出したらいいものかと言葉をつまらせた。言えばまた清蘭への負担に(トラウマ)になるかもしれない心配があるからだ。



「ナンパされたんだ。少しだけだが清蘭が絡まれた」




言いにくそうにする朱麗をみこしてか葵が代わりにこたえた。するとその話を理解した瞬間、悟浄と三蔵は怒りを含んだ顔にする。
未だに悟浄怯えているくっついている清蘭の頭を三蔵が「もう平気だ」と言わんばかりに優しく撫で、落ち着かせるのであった。



「三蔵、あの子は清蘭、あっちの三蔵の義理の妹らしい」
「そうか……」




どうやら三蔵は清蘭ともう一人の自分の関係性には薄々と気づいていたようだった。
清蘭と向こうに座るもう一人に座るを見てから葵に目を向ける。



「?なに、三蔵…」
「いや。なんでもない」





俺が葵を見る瞳と同じだった
かけてしまったらいけない存在
誰よりも、誰よりも…




少し落ちついたのかまだ悟浄の袖を握ったままだが、顔を見せる清蘭。そしてペコリとおじきをしると自分からも一応挨拶した。
悟浄が途中声をかけようとしたが、今の清蘭には確実に良くないと判断した葵はテーブルの下で足を踏んだ。




「いってぇ!!なにすんだ葵!」
「うるさい。自分で考えろバカッパ」
「はぁぁ!?」
「でも今のは悟浄が悪いと思いますよー?ねぇ三蔵?」
「……」
「さんぞー?聞いてるかー?」
「あ?…あぁ」
「いや、いまサンちゃん聞いてなかったよな??」
「それよか清蘭、大丈夫か……?」

『まー、大丈夫っちゃ大丈夫よ。三蔵兄さんと悟浄がいるし』
「なんでしょう、最初に聞いた時から思ってたんですが…三蔵がその…兄さんというポジションは……」
「あー、それは俺も思ってた。似合わねぇよな」
「似合わないつーか、違和感?」

『言わせておけば、お前らっ!』
『まぁまぁ、三蔵…』



似合わないと言われ、違和感と言われると流石に怒りの表情をちらつかせるが、八戒になだめられる。知った顔だからこそ尚更怒りやすいものがあるのかもしれない。




「でもさー、葵はホント見違えたよなー。俺ホント一瞬誰か分かんなかったし」
「悟空はホントホント≠チてうるさいっ。そんでこっちみんな、触んな!」
「こういう服装もちゃんと似合っていて、年相応の女の子って感じがしますよ?三蔵もそう思いますよね?」
「…悪くない、と思う」
「あ、サンちゃん保険かけた」
「黙れゴキブリ」




悟空は葵を改めてマジマジと見つめ、みつあみになっているウイッグなどをいじり出す。八戒悟浄は言葉遣いはいつものまま、もしくはすこし荒だっているものの、これはこれでいいのではないかと改めて見つめなおす。



『ほら、みんな似合ってるって言ってくれたじゃないのー。私の見立てに間違いはなかったのよー♪』
「朱麗はドヤ顔しない!」
『あー、やっぱりこれ姉貴の仕業なんだな』
『そうよー?やっぱりってなによ』
『いや、べつに…』
『だって葵ちゃんが朱麗のことを年増ってつい言っちゃって朱麗がキレたのよ』
「でも元はと言えば勝手に女らしいカッコをさせようとすっから…!」
『でもそう言ったのは確かよね??』
『わー、葵だっけ?お前すげぇな……』
『ある意味尊敬します…』
「お、おう…さんきゅ…?」




葵がなんとなくふに落ない顔をしていると、清蘭なぜ葵がそう言ってしまったのかということや、最終的にこうなった経緯を詳しく説明した。
それを聞き納得したのか、うって変わって葵の向かいに座る一行は葵を哀れみ意を込めて葵をみた。




「いや、そんな目でみんなよ…」
『ねぇねぇ、今度はフリルのスカートとか履いてみない?きっと似合うわよ〜?』
「はぁ!?なんにも悪いことしてねぇのにフリル!!?」
「葵、お前にとってのフリル≠ヘ罰ゲームなのか?」
「え?じゃあ悟浄は着れんの?」
「いや俺男だし」
「俺だって!」
「葵?今の身なりを見てくださいね?」
「……。いや!でもフリルは嫌だ!!!」

『えー、可愛いのにー』
『葵ちゃんが可愛いというこだけは朱麗に賛成する〜』
「お前らふざけてんのか、あ!??」
『ふざけてないわよ?ねぇ八戒、葵にフリル似合うわよね?』
『そうですねぇ…。さりげなくついているものを勧めたらいかがでしょうか?』
「いや、さりげなくとかそんな問題じゃなくて……。てか、ホントそっくり過ぎてヤダな………」



葵は思わず自分たち側の八戒かと思ったが、声の聞こえる方を見れば朱麗たちの八戒だった。でもなぜかやはりいつも一緒にいる仲間とは、何かが違う気がした。声も顔も性格だって(ほぼ)同じなのに。



『たしかにホントそっくりよね。あーでもさ、こいつら入れ替えてもすぐ分かりそうね』
「特に清蘭のお兄様とかが?」
『あぁん?黙れエロガッパ。てめぇに兄呼ばわりされる義理はねぇ』
『じゃあ俺は?』
『言っとくがお前にも言われる筋合いはねぇ!』



この発言に(三蔵と清蘭を除く)みんなが過保護≠ニ言う言葉が脳裏を横切ったことは秘密である。



『でもよー、清蘭ちゃんいなかったらさんぞーサマ即効機嫌悪くなるじゃねェか』
「あ、それはうちの三蔵も同じですよ、ねぇ?」
「んだな〜」
「え?なんの話?」




八戒、悟浄が話す中、葵は理解していなかった。




『そーいやまだ旅に出る前さ、三蔵 清蘭が一人で出かけてたときめっさイライラしてたしな』
『あー、あったなそんなこと。オイ、清蘭はどこ行った!何で一人で行かせたんだ!≠チてな』
『うるせぇ、猿!』
『いでっ!』



何処からともなくでてきた愛用のハリセンで暴露をする悟空の頭をはたいた。当の清蘭はあまり覚えていない表情で『そうだっけ〜?』と三蔵に問うが答えてはくれなかった。



「それも同じだ。なぁ?三蔵ー?」
「…はぁ?」
「おい葵、さんぞーサマ シラ切ってんぜ」
「そうか?うちの三蔵ってそんな過保護ったけか?」
「だってよー?さっき葵がいなくなって一番焦ってたの三蔵なんだぜ!!あ、てことは結局三蔵ってどっちも過保護なんだなっ!」
「バカ野郎、大きなお世話だ」




こちらも悟空に暴露をされ三蔵はハリセンではたく。お互いに同じ流れを踏むのはさすが、とでもいうべきなのだろうか。
そして同時に三蔵は見た目によらずとても過保護だということを2組の一行(もちろん三蔵は除く)は深く思い知った。



『三蔵は清蘭と葵に対する態度でわかるとして、八戒と悟浄は私で分かるんじゃない?』
「悟浄のことは悟浄のお姉さんだから≠ニいうのでわかりますが、僕はどうして?」
『うちの八戒、朱麗と付き合ってるんだぜ』
「そう、なんですか…」



八戒
は驚いたようにもう一人の自分を見る。ふと脳裏に花喃の顔がよぎった気がして、彼≠ヘきっとそれを自分とは違う形で乗り越えてきたんだろうと考えがたどり着いた。


「幸せになってくださいね」
『ありがとうございます』
「朱麗さんもお幸せに」
『あ、ありがとう…。なんかこれはこれで変な気分ね』
『悟空は…食欲で見分けられるかなぁ?』
「清蘭、それは無理あるだろ」
『でも良く考えたら、いつものみんなじゃないと私が何より先に異変に気づく気がする…』
『あーそっか。清蘭そのへんはほんと敏感だもんねぇー』
「そう言えば最初とても僕らのことを怖がってた様子でしたね。…失礼になるかもしれませんけど、清蘭さんは対人恐怖症かなにかですか?」
『……対人恐怖症、と似てるけどちょっと違って…。知らない男の人が怖いの…』
「男性恐怖症ですか、それななんだかすみません」
「てかさ、俺がいうのがあれだけど…清蘭ちゃんはそっちの俺と付き合ってんだろ?よく付き合うことできたな」

『この際だがはっきり言っておく。こいつらのことはまだ俺が認めていない』
『えー、三蔵兄さんいけずー』
『殺すぞ』
『兄さん!だめっ!』




眉間にシワを増やしものすごい形相で懐から取り出した銃を抜き、悟浄の眉間に銃口を揃えれば間に清蘭が止めに入る。
するとそれの少しあとで、朱麗の足元で大人しく寝ていた俊雷が耳をピンッてたて起き上がった。


『俊雷?どうかしたの?』


鼻をひくつかせなにかを察知したのか牙を剥き、唸り声をあげはじめたではないか。




「……おい、この感じまさか」
『妖気、ですかね』


俊雷に遅れて皆が妖気を感じ取ると、ここに押し入られると後々面倒なのを見越して店の外へ出た。


外に出れば一層に妖気は濃く感じられ、家々の屋根や、向こう側からもたくさんの妖気が感じられる。




「よーやく見つけだぞ、三蔵一行………って三蔵一行が2組いるだと!!??」

『まぁ、普通驚くわよねー』
『てか、兄さん二人いたらなんか世界終わりそう』
「俺も同感」
『女三人、なんか言ったか』



三蔵がすごい顔で3人を見るので3人はそれぞれ 別に? とシラを切る。




「でも兄貴ィ!経文二つあったらきっといいことあるぜ!!」
「さすが俺の弟、頭がいいな!おめぇら!!はえぇとこぶっ殺して二つとも経文を手に入れんぞ!!!かかれ!!!!」




どうやら敵の主犯格は兄弟の妖怪のようだった。兄貴と言われる妖怪からの命令で一斉に襲いかかるのはたくさんの手下達。

数に怯むような三蔵一行様ではないので、各自臨戦態勢にはいる。






準備はいいか 野郎ども





















***
えらい長い!!!!!←
この最後の戦いにはいるそれの前にぐだりがほしい!って私が言いました!

そうしたら考えてくださいました!先に言われた通り長かったです!というかもらった部分のおケツはまた次話です(^ω^)←



長すぎて直すの飽きたとかそんな()
まぁとりあえず両方の一行さんでのお話をしてすこし親睦を深めましたよ!みたいな。

そして次話はお察しの通り戦闘がはいりますね!!でもわたし!黒音は戦闘書くのが一番苦手です!(大丈夫なのか)
大丈夫です!なんとかします!気合で!!!!



そして気づいたら今日から7月です。早いです。夏嫌です!!暑いもん!!!←
でも梅雨も嫌です☆〜(ゝ。∂)



ではまた!!


読んでくれてありがとうございました♪
2015.07.01
黒音 未唯


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