並行世界.2

※注意※
『』の表記が咲夜≠フところの三蔵一行、清蘭、朱麗
「」の表記がわたくし黒音側の葵を含む三蔵一行の会話になります。

今回の視点は 咲夜 側の三蔵一行になります。



序章










偶然か 必然か





はたまた信じてすらないが神のいたずらか





信じられるのは…おのれ のみ












葵を連れた一行がその場をさってから清蘭、朱麗達も同じくご飯を食べる、ということになったようだがだんだんと繁華街からは離れて行っているようだ…。




『飯ー!!!飯行くんじゃなかったのかよおおおお!!!』
『…あーもう!うるさいわね!!あっついんだからわざわざ怒らせないでよ!!バカ猿!!』
『猿じゃねぇやい!!』
『朱麗の強い希望で先にシャワー浴びて、綺麗になってからご飯にしようねって話になったじゃん』
『え、なにそれ。私のせいなの?清蘭だって賛同したじゃない!』
『まーようはオンナとおんなじよ、キレーな体で迎えてやんねぇと。そーゆーことだろ?朱麗』
『いや、…それはなんか違う』
『私もそう思う』
『アレ?』
『なんにせよ宿はとってあった方がいいですしね』
『えー、飯はーーーっっっ!!!』
『悟空、そんなに早く飯がくいたきゃ早く宿を見つければいいだろ』
『あ、そっか!宿〜宿〜っっ!!』



やっとの思いであたたかいご飯にあり付けるとあってか、悟空以外もわりかしがっついているようだ。だが相変わらず悟コンビの戦いは避けれないものらしく……



『うわっ、悟浄てめぇ俺のシューマイ返せ!!!』
『はん、てめぇのだという証拠があるのかよチビ猿??』
『アンタ達、いい加減に………』



だんだんとうるさくなってくる戦いが大ごとになる前に朱麗が注意しようと声を発した瞬間、同じタイミングで気に触ったらしい三蔵サマの 必殺☆ハリセン が二人へと鉄槌をくだしたのだった。



『飯ぐらい静かに食え!!この低脳共!!!』
『ほーら、言わんこっちゃない』
『あはは……。清蘭、大丈夫ですか?さきほどから箸の進みが悪いようですけど…』
『え、あ…うん……。さっきの兄さんたちに似ている人達のことを思い出しただけ…。ありがとう、大丈夫……』




八戒の気遣いに清蘭はすこしひきつっているものの笑顔を見せる。しかし、顔は青ざめていてどうやら身体は震えているようだ。
三蔵はそんな清蘭を優しく落ち着かせるようにゆっくりと頭を撫でた。
同時に悟浄も手を伸ばすがワンテンポ遅く恋人を甘やかす係りというのを三蔵に奪われてしまう。



『大丈夫だ。清蘭、お前の兄貴は今目の前にいる俺だけだ。心配しなくていい』
『うん…。ありがとう兄さん』
『チッ…シスコンボーズめ……』
『悟浄、ドンマイ(笑)』
『うるせぇ、姉貴!!』
『でもさー、ぶっちゃけ俺らにめっちゃ似てたけど、俺らは俺らだろ?別に怖がる必要なくね??』
『そう、なんだけど…違うの。確かに兄さんたちだけど……でもどこか違くてなんだろう…【他人】、みたいな感じ?…むこうの悟浄に見られた時、すごい寒気がしたの』
『……そうね、それは私も同感だわ。こっちの八戒は愛してる、けどあっちの八戒には全然そんな気持ちなかったな―』



朱麗は八戒の肩へと頭を傾けて乗せると、それに応えるように満足そうな顔をした八戒が朱麗の頬を撫でる。それを見る悟浄はなんだかんだ上手くやっている二人を見て安堵の表情を浮かべ、傍らでは悟空が無心でご飯へとがっつき、足元ではつまらなさそうな顔をした俊雷が八戒の足を尻尾ではたいていた。



『つまりあいつらは俺らであって俺らではないってことか?』
『???どういうことだそれ??』



あらかた食べて落ち着いた悟空は最後にお茶を飲み干すと会話へと参加してきた。



『つまり私達が認知しているこの三蔵一行ではなくて、もちろん敵の罠でもないの。その証拠に…』
『むこうの5人目の子の存在ということ、かぁ』
『…………並行世界現象か』



三蔵がポツリと何かの確信をつくようにつぶやくが悟空をはじめとした4人にはなんのことだか全く理解できない、と言った顔をしていた。




『三ちゃん、ナニソレ』
『パラレルワールド』
『????』
『いいですか?例えば別次元というものが存在するとして、そこにはもう一人の僕たちが住んでいます』
『別次元なんてないと思う』
『いやそこはあることにしとかねぇと話が進まねぇだろうが』
『じゃあ、ある』
『悟空、あんたって…』
『ん?朱麗どうかしたか?』
『…なんでもないわ。八戒続けて』
『わかりました。で、そこには同じ顔同じ声の僕たちがいるんです。でもそれは全くの別人。なぜなら過ごした時間、会った人、感じたことなど全てにおいて今いる僕たちとは違うからです。なので僕たちであるが彼らは僕たちとは違う。そして最後に彼らが僕らの次元の人間じゃないという例としてあまり挙げたくないですが……』
『清蘭と朱麗はあちら側にはいないということだ』
『『………………』』





向こうの世界≠ナはもしかしたら存在すらしないのかもしれない、そう思うと清蘭と朱麗はなんとなく切なくなった。向こうの世界の自分はいま、何をしているのだろうか…。




『そ、そういえばさ』



変な空気を保ち沈黙するこの場に耐えられなくなった朱麗が口を開いた。




『あっち側の三蔵一行の5人目の子、ちいさかったわねー。絶対に悟空より小さいわよね』
『判断基準俺かよ!!?』
『てか思ったんだけどアイツ女、だよな』
『お、さっすが悟浄〜』
『何言ってやがる、てめぇら。アイツは間違いなく男だろうが』
『ほほー、では三ちゃんその根拠は??』
『胸だろ、清蘭より小さい奴はガキを除けば他は男しかいない』
『んなもん、女への冒涜だな。それに清蘭の胸は俺が大事に育て…』
『葉月、こいつら沈めて』



清蘭は怖い顔で花札を取り出すと精霊≠召喚する。するとすぐさまヒグマが出てきて三蔵と悟浄の顔ををそのまま机に突っ伏させた。
それと同時進行で三人(朱麗、八戒、悟空)が空いてる机へと料理を手早く避難させ、何事もなかったかのように先ほどの会話を続ける。



『僕はあの方は男性だと思いますね。言動や仕草、立ち振る舞いがどちらかと言われれば男性に近いですし』
『んー、八戒までそういうのかー…。……あ!いいこと思いついた♪ 清蘭、俊雷ちょっと付き合って』
『あ、ちょっと朱麗!!?』



清蘭、三蔵に続き八戒もが葵を男だとおす。朱麗はどうしても葵が男だというのが認められずしばらく考えると突然、ニヤリとなんだかいたずらっ子のような顔をする。
そしてそのまま半強制的に清蘭と俊雷を連れ出すと葵のいる一行が去った方へとむかうべく食堂をあとにした。



『…おーい、さんぞー、ごじょー生きてるかー?』
『慈悲は無駄ですよ、悟空。恋人と(義)妹の胸を判断基準なんかする人達なんてほうっておくことにしましょう』
『んー…、それもそうだな!!』


















***
今回は咲夜側の三蔵一行さんたちだけ!です!
次回に同時進行で黒音側の三蔵一行さんたちの会話文を書き出します!
で、そこからバーンってどーんってなる予定です()

今回は描写や、お直し、付け足し位をしただけであとは 咲夜 が書いてくれたので楽チンしました←

同じ三蔵一行でもなんとなく違う感じの三蔵一行に感じられるように頑張っていきたい所存です!



では




読んでくれてありがとうございました。
2015.06.07
黒音 未唯


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