並行世界.5

※注意※
『』の表記が咲夜≠フところの三蔵一行、清蘭、朱麗
「」の表記がわたくし黒音側の葵を含む三蔵一行の会話になります。


序章














葵のぽろっとこぼした魔の一言によって始まった朱麗による着せ替え人形遊びがやっと終わった。やっとの思いでお店から出ることができた葵。




「…苦しい」
『我慢しなさい?ほら背中はまっすぐしないとかっこ悪いでしょ!シャンとして』
「注文が多い〜帰りたい〜」
『せっかくだからお茶しようか〜』
「えぇ〜!?」
『朱麗相変わらず鬼畜ねぇ…』
『くーん…』
『さー!行くわよー!』
『いっ!?…』
『清蘭ー?行くよー?』



清蘭はなにか足に痛みが走ったきがしたが、朱麗に呼ばれているので足に負担をかけないように歩くことにした。

そして結局朱麗の意見には立ち向かいきれずに、女子3人、でお茶をすることになった。カフェを探すのに大通りから一本入ったところで葵は声をかけられた。




「お嬢さん俺たちとお茶しない?」
「……はぁ?」
「3人ともスタイル良いし可愛いじゃんか、ラッキー」
「お茶代だって俺らが持つし。その代わりちょーっと、ね?」
『…いや…嫌……』




知らない男に囲まれ、見る見るうちに清蘭の顔が青ざめていくのが見て取れた。その変化にさすがの葵も気に留めるほどだった。



「そんなこと言わないでさぁ〜、ね?」
『嫌ぁっっ!』
「っ!…このアマァ!」
「…調子に乗ってるどうなるのか教えてやらねぇとなぁ?」





嫌だと抵抗する清蘭の手を無理矢理に引こうとするものだから、振り切ろうと払った手の甲が男の頬をかすった。
清蘭は朱麗に抱きつく。怖い顔をして向かってくる男どもをけちらそうにも、こんな状態の清蘭がくっついているのでは、剣を抜いたとしても威嚇にもならない、と少し困った顔をした。その光景を見ながらどことなく呆れたように立ちはだかったのは葵と牙を向き威嚇をする俊雷だった。





「調子乗ってるとどうなるのか、ぜひ教えてもらいたいもんだね」
『ガルルルッッ』




最初は余裕な顔をしていた男達も、急にその手に現れた槍(青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう))に目を丸くし、ひと振、ふた振りすればコレはヤバイと逃げて行った。




「あーあ。逃げちゃった。せっかくなら威嚇じゃなくて殴り飛ばしてやれば良かったか?」
『そんなことしたらせっかくの洋服が汚れるでしょ?』
「…言われると思った」
『葵も俊雷もありがとう…』
「気にすんなって。まぁあいつらのこと斬らなかったってとこは褒めて欲しいとこだけどな」
『ワンッ!』
「オマエも噛み付かなくて偉かった!」




ふわふわっと頭を撫でてやれば満足そうに目を細め、しっぽをぶんぶんと振る。




『あら、俊雷が他の人に尻尾を振るなんて珍しいわね』
『葵がいい人だって俊雷にもわかるのよね、きっと』
『ワンっ!』
「そりゃどーも?」




一方その頃*
清蘭、朱麗一行では(主に三蔵が清蘭の)帰りが遅い、と探しに歩いていた。悟浄と三蔵の二人は未だに清蘭の精霊に押しつぶされた後頭部から首にかけてが痛むようだ。その心配症の兄(三蔵)の手にはなにやら袋をぶら下げていた。




『…まだ首がいてぇ……』
『清蘭のやつ、熊なんかだすか普通』
『いやあんなこと言われたら出すっしょ』
『そーですよ?それに一応水羊羹を持ってきたとはいえ、どこかの誰かさんに似て頑固者ですから?適当に謝っても許してもらえないと可能性もあるんですよ?』



どうやら袋の中身は清蘭の好物の水羊羹のようだ。…食べ物で手を打とうというわけなのだろうか。



『…このことがきっかけで清蘭が朱麗と同室がいいと言った際には二人のこと末代まで、とまではいきませんけどそれなりに怨みますから、ね♪』



やっと壁と屋根とで大事な人と二人っきりになれる、と八戒は思いのほか実は楽しみにしていたらしい。



『八戒さん…溜まってませんか??』
『まさか、アナタ(悟浄)ではあるまいし』
『たまる?金?肉まん買う!?』
『お前は黙ってろ』
『キュー!!!!』



ジープの鳴き声で一行は道の先の光景に気づく。そこにはちょうど店から出てくる清蘭、朱麗、葵が見えた。
声を発するよりも早く、悟空が走り出した。

彼女達を挟んで向こう側からもう一つの世界の自分たちも同じように近づいていくることに気づいた様子もなく……。



『清蘭!朱麗!
どこ行ってたんだよ!』
「葵!……じゃなかった。悪ぃ!人違…」



『もう一人の俺!!』

「もう一人の俺!!」





まるで鏡合わせにしたようなこの同じ反応の仕方。葵は仲間たちを見ることなく目を背け、からだを反転させ背をむけた。



「あー……死にたい。いっそ殺して」
『そんなこと言わないの〜?案外似合ってるよー?』

『あー、もう焦れったいわね!ほぉらっ!』
「なぁっ!!」





腕を引っ張りみんなの前へとだした。





「な、なんだよ!!笑えばいいだろ!似合わねぇって!!」
「…いや、逆に…なぁ」
「ええ、これはこれで」
「似合うぜ!なぁ、さんぞ!!」
「…あぁ。悪くはない」
「なっ…。あー!!もう見んな!バカヤロー!!!」



『葵ちゃんめっちゃ照れてる…。なにあれ、可愛い……』
『俺もあれはあれで乙女で可愛いと思う』
『コラッ!』
『うそうそ、清蘭が一番だって』
『…バカップル時と場合を考えろ。あと後ろには気をつけてね?』
『あ、やべ』




このあと悟浄は清蘭の義兄である三蔵に無言で思いっきりハリセンで叩かれるのであった。




「なぁ葵チャン、ちょっとクルッと回ってみろよ」
「調子のんな!ゴキブリの分際で!!つかちゃんつけんな!!!」
「…中身がまんまだから残念だな」
「そこはまぁしょうがないですよね」
「ていうか葵ホントに女だったんだな!あ、葵ちゃん?」
「改めて真実を突きつけんなバカ猿!!!ちゃんつけんじゃねェつってんだろ!!!!!あーーーーーもう!!!!!!!!」




顔を赤くして怒る葵はもう何に怒ってるのかも自分でもだんだんと分からなくなってくるのだった。



『…果てしなく可愛い』
『私もそう思う…』


「そこ!可愛いとか言わなくていい!!」



























***
以上ですね!!
今回はなんぱにあって蹴散らして、みんな鉢合わせしました。
まぁ一行どうしの絡みは次回かな?
それより先に葵さんをいじりたかった←

今後ぜってぇ何があってもスカートなんざ履かねぇ…!

と心に決めるのでした( ˇωˇ )


まぁスカートだけじゃなくてきっとさりげなく軽く化粧も施され、ウィッグもかぶっているので見た目から女の子!≠ネんですけどねぇ?

とりあえず当分このネタはいじられるのかなぁ、と←
さりげなく三蔵さまもスカート買ってやろうか?っていじればいい(多分ない)
悟浄あたりはこれことこれがお前には似合うから着たらいいとか言い出す( ˇωˇ )それに応戦して八戒も加わるのかな??

最終的には悟浄だけが蹴散らされる( ˇωˇ )おつかれ悟浄さん←




清蘭、朱麗の一行さん、全然絡めてなくてごめんね!次回頑張るね!←



ではでは


読んでくれてありがとうございました。
2015.06.26
黒音 未唯


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