並行世界.15




※注意※
『』の表記が咲夜≠フところの三蔵一行、清蘭、朱麗
「」の表記がわたくし黒音側の葵を含む三蔵一行の会話になります。



序章









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『ふー!お腹いっぱい〜っ』
『ちょ!姉貴!!今全てを食べ終わったとか言わねェよな!?』
「俺らなんも食ってねェよ!?」
『残念ながら今ので…』
『はい、悟浄♪少しだけど取っておいたよ♪』
『やっぱ清蘭、女神!やっさしぃ〜!』
『えへへ』
『…んなことしてやらなくたっていいんたぞ』
『んーでもやっぱり、ね?』
「一応聞くけどさ葵ちゃん俺…」
「ナイけど?」
「ですよね〜〜〜〜…。はぁ…」

『愛され具合の違いだな〜〜』
「けっ、言ってろ」




悟空の方から運ばれてくる料理をみんなに分け与えるために、隣の悟浄が各悟空を抑えていた。悟空はその手をかいくぐりなんだかんだご飯にありつけたものの、悟浄'sはそちらに気を取られほぼ手をつける前に悟空に食べられるか、ほかのみんなに食べられるかしてしまったのだった。

悟浄は前に座るもう一人の自分$エ蘭に渡されたご飯を食べるのをチラッと見ながら空腹を紛らわすかのようにハイライトを一本取り出すと火をつけた。

その後直ぐに朱麗のコップからジュースを最後まですする音がズズッとしたかと思えば、『あ、そうだ』と何かを思い出したような口ぶりで話を始める。




『そんでさ!急なんだけど今日、女の子は女の子だけで寝ることにするわ!』
『……は?』
『あ、三ちゃんやっぱり怖い顔〜』
『ちょ、ちょっと待てよ姉貴!それって俺は清蘭と一緒に寝られないってことだろ!?』
『悟浄、落ち着いてください』
『でもお前だって姉貴と寝られねぇんだぞ!?明日にはこの街出るんだろ!?いいのか!?』
『それはまぁ置いといて…』
『あ、つーかお前が姉貴と一緒に寝られないの俺と三蔵のせいじゃねぇから恨むなよ!?』
『…わかりましたから、すこし静かにしてください』




( *話、中程参照)




『朱麗?でもどうしてかを説明していただけるとありがたいです』
『あー理由?理由は私が葵に興味を持ったから…?』
「…どーゆーことそれ」
『いやぁ、ほら…別世界のわたし達の代わり、っていったら変かもしれないけどそういうわけじゃない?そんな葵はこっちの一行とどんなふうにここまで来たのかなー、とか気になったから』
「……」





葵も確かにそれは気になった。
今まで乗り越えて、表には見せなくても育んできた(?)絆がきっと少なからず自分たちにも、もちろん清蘭や朱麗たちにもある。




『…条件を出す』
『兄さん…?』
『受けて立とうじゃないの』
『寝る部屋はこっちの宿でとること、いいな』
『もちのろん!で、まぁ大丈夫だと思うけどそちらの三蔵サマは?』
「は?」
『あら、こちらも怖い顔』
「……朝起きたら部屋に戻る。それでいい?」
「!!」
「おーっと三ちゃんどうする?」
「黙れエロ河童」
「へ〜い」

『葵ちゃんは割と乗り気?』
「…たぶん、だけどこの機会を逃すときっとこの先そうやっていつもの4人以外と一緒に寝るってこととかないだろうし、なんとなく気になったから…かな?」
『言われてみればそうかも〜』
「それに…」
『ん?』
「それに、自分を見つめなおすいい機会なのかもな、って」






すこし目線を落とす葵は、短くなった横の髪をくるくるといじりながら恥ずかしそうに話した。



嘘ついてまで男になるのなんて辞めちまえ




嘘をついたのは自分を守るため、生き抜くためだった。今の自分には十分生き抜くための術がある……。どこまで続けるのか…。





『じゃ、そういうことで!もろもろ準備が終わったら来てね〜!部屋で待ってるから!』
「わかった、なるべく早く行くようにする」
『あとでね〜っっ!』





朱麗と清蘭に手を振り、三蔵達と宿に戻った。





宿に戻るとご飯の前にもシャワーを浴びたが、今度はゆっくりと身体を洗ったりとまたシャワー室へ向かった。そして明日起きた時の着替えなどをカバンに詰める。



「これでよし、と。……うわ、悟空もう寝てる」
「お腹いっぱいで眠かったんでしょうね」
「さすが悟空…」
「行くんですか?」
「うん。荷物持ったし、そろそろ行ってくる」
「んじゃ俺も腹へったしまだ寝るのには早ぇってことで、ちょっくら行ってくるわ。途中まで送ってやろうか?」
「いいよ、別に」
「うわ、そっけね〜…ってアレ、三蔵サマはどこいくの」
「八戒」
「なんでしょう?」
「…俺は無視か」
「コイツ送ってくる間、留守を頼む」
「はい、わかりました」
「ちょ、いいってば」
「…おいていくぞ」
「ちょっと〜っ!?」
「あらら、行っちゃった。……なんだかんだやっぱりうちの三蔵サマも過保護≠謔ヒぇ」
「それは承知の事実ですよ、ねぇ?」
「キュ〜」






悟浄はすこし飽きれたように、八戒はいつもの笑顔で、それでいていつもよりどこか少し優しく、白竜を撫でながらそう言った。






「ここだな」
「ちょっとほんともういいって!」




朱麗達のいる宿屋を見上げ、確認すると葵の声など聞かずにそのまま中へと入っていく。
別れ際に耳にした番号の部屋をノックすると『はいはーい、ちょっと待ってね〜』と清蘭の声がした。そのあと鍵がガチャリと回った音がし、すぐに扉が開いた。
扉をあけてくれたのは声の主の清蘭で、どうやら朱麗はいまドライヤーで髪を乾かしているようだった。目の前にいるのが葵だけではなく三蔵もいるということに驚いてしまう清蘭。





『わあっっ!び、びっくりした…』
「わるい…ついてこなくていいって言ったんだが、送るっつってきかなくて……大丈夫か?」
『大丈夫…たぶん』




予期せぬ自分の知らない男≠ニいう存在に少し目を丸くし動揺を見せる。どんなに慣れ親しんだ姿であっても、所詮は他人≠ナしかない清蘭にとって第一の天敵は男≠ネのである。
だがその慣れ親しん姿が幸いしてか過呼吸などを起こすことなく、呼吸を落ち着かせた。





「ほら、だから言っただろ?」
「…俺には関係ない」
「よく言うよ。ほら、八戒心配するから早く帰んなよ」
「お前が自分で出した条件、忘れんなよ」
「わかったってば…起きたらちゃんとそっちに戻るって!ほーらっ」






三蔵は葵に背中を押され部屋の入口から追い出され「じゃあ、おやすみ」と、その一言で扉がしめられた。







「過保護=c上等だ」




金色の髪に夜風がふわっと通る。
三蔵のその顔は開き直った、というよりは本当は元から自覚していたような今にも「だからどうした」とシラッと返してきそうな感じがした。




























***
まいどだんだんスローペースに入りました〜。

えーっと、ご飯食べ終わって
やっぱり悟浄さん残念な配役だね、プププ← って感じに始まりまして

朱麗さんが急に今夜は3人だけで寝ることにするから!と相談ではなく決定事項を持ちかけました〜。


まえにどこかで話した設定の過去の話とかを思い出して頂ければ嬉しいです。あれー、どこだっけな…(11話から13話くらいですね)

なんて言うのかな。3人とも自分に色々起こって嫌なことも嬉しいこともあってここまで来てて、それがお互いの相手の三蔵一行と過ごしてきた日々の中でどう暮らしてきたかなって

…んーーー伝わらないな(真顔)

自分(立場的に)であって自分(物理的に?)じゃないところ?に興味、というか…。


葵さん的には他にもあって、男4人といつも一緒に暮らしてきてたわけだし身近に?女の子自体とか女の子の考え方、振る舞いを見たらなんとなく自分も変われるような気がしたから!

まぁあんな4人と暮らしてたらがさつにもなりそうよね←おい




まぁそんな感じでっす!



読んでくれてありがとうございました。


2015.08.22
黒音 未唯


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