並行世界.8



※注意※
『』の表記が咲夜≠フところの三蔵一行、清蘭、朱麗
「」の表記がわたくし黒音側の葵を含む三蔵一行の会話になります。


序章


















清蘭の周りに集まってる様子を見て、敵集をかけた主犯格の兄弟は清蘭が一行の弱点だと思い目を付ける。
不気味な笑みを浮かべたかと思えばなにやら子分たちにサインを送る。そのサインを合図に清蘭めがけて一斉に襲いかかる。

しかし標的が一点集中になったために敵が分散する、という手間がなくなったので2組の一行は全員でまとめてかかることにした。



『いいか清蘭!とりあえず精霊をしまえ!!そいつらが怪我すればお前はまたケガ負うことになる!!』
『兄さんそれって…』
『ちがう。足手まとい、じゃなくてお前自身を守るためだ!!』
「ま、俺が護るからには精霊もろとも護ってやるけどな」



どうも仲違いを続ける清蘭側三蔵と…。



『…そうじゃない。兄さんの言いたいことも葵ちゃんの言いたいこともわかるよ。でもやっぱりそれは違うの…!』



三蔵の忠告、葵の発言になぜだか突っかかる清蘭。どうやらまもられる≠セけということに納得いかない様子。

そう言われないために努力をしてきた。それは清蘭だけではなく、葵も同じなのだがお互いのことを知りもしない二人のあいだには少し距離ができる。



女の子だから、ではなく女の子でも

絶対的な チカラ





『…似てるのね、あの子達』
『見た目は真反対に見えるけどな』
『たぶん、葵にも色々あるのよ…』




自分たちにいろんな事情があってここまで来たように、葵にもきっとなにかあるのだろうと朱麗はなにかをみすしているようだった。



清蘭は難しそうな顔をしていた。なぜかといえば先ほど葵に言われた【籠の鳥】という言葉が妙に引っかかってしょうがなかったようだ。

そう…それはまるで兄、三蔵に束縛されているかのような言い方だった。

自分でもやれる、自分自身の意思で生きている。言葉にしないものの、その意思を見せつけるかのように精霊を引っ込ませては、雷と風の花札を使い妖怪の集団を蹴散らした。



「すげぇ!!!!!!」
「手負いとはいえやるな清蘭ちゃん……」


『葵ちゃんあのね?確かにこの足のケガは、朱麗が言い出した変なことを聞いた私のせいでもあると思うの』

『おい、私のせいなのか!?』
「実質お前が熊出させて襲わせたんだろ、アバズレ」
『うわー、同じ三蔵なのに余計に腹立つ』
『ちなみに姉貴は片手で数えるほどしか男を知らない』
「え、マジかよ。意外と乙女なんだな、朱麗ちゃん。じゃあ、この後俺とランデブーし…」
『悟浄、ちょっといいですか??』
「あっ…あぁぁぁ、ごめんなさいごめんなさい!!!」

『それに見てわかるように、兄さんは私に対して超が付くほどの過保護だし?口うるさいの』

『おい』
「やっぱその辺は似るもんなのか…?」
「悟空、油に火を注ぐような言葉は厳禁ですよ?」


『でもね、兄さんはちゃんと私を守ろうとする【理由】があるの。それに私だって精霊たちを出さなくたってちゃんと戦えるわ。どうしてそこまでして私を護ろうとするの?』
「……それ、は…」



成り行きとはいえ確かに守ってくれるように頼んだのは清蘭自身である。短い時間に感じた清蘭の性格は割と温厚な方であったためか、怒った顔をした彼女をみて葵はすこしたじろいでしまう。
それほどまでにも守られているだけ≠ニいうのがどうしても受け付けないらしい。重荷になってそれを背負わせる兄達を、自分の弱さ故に苦しめているのではないかとあの日∴ネ来感じてから、自分の身は自分で守れるくらいに強くなろうと思った。




「おい、さっきから聞いておけばお前、わざわざ葵が守ってやってるんだぞ。それをお願いするとか嫌とかワガママ過ぎるだろ」
「三蔵、清蘭さんは悪気はないんですよ。多分、葵の言い方が何か悪かったんでしょう」
「………」





葵側の三蔵が清蘭に詰め寄るが、そこはさすが八戒、と言うべきか八戒は三蔵を止めた。男性恐怖症の清蘭を案じてのことであろうか、その瞳は優しかった。その話を聞く葵はなにか難しい顔をしていた。
そんな中、清蘭が弁護してくれたことに気をよくした三蔵は朱麗に声をかける。



『…おい、朱麗。お前なら残りいけるか』
『【死蜂】使ってもこの数はちょっと無理があるわね。けど、あの親玉兄弟ならいけると思うわ』
『そうか、ならあいつら倒せ。それで勘弁してやる』
『やりぃ!!さんきゅ三ちゃん!!』

「……そちらの三蔵、なんだかご機嫌ですね」
『それは清蘭がが、三蔵を庇って弁護したからでーす』
「本当にシスコン……」



朱麗が親玉兄弟に向かう間三蔵は魔天経文を唱え始める。どうやらこちらは魔戒天浄で雑魚を一掃させようとする魂胆である。
それゆえ無防備になる三蔵と走る朱麗を残った3人は援護に回る。



「ちょ、三蔵!?これなんか美味しいとこ全部あっちのシスコン三蔵にとられてるよな!?」
「それよりアレ、いつもみてる経文となんか違うよな…?」
「あぁ、経文が………生きてるみたいだ………」
「はぁ??おいおいどういうことだよ」
「それはあちらの三蔵が唱えてるからではないでしょうか…」
「………違う、あの女の呼吸に合わせてるみたいだ」
「朱麗と……??」





葵達はうねうねと動く経文と朱麗見比べる。そしてふと後ろに感じた微かな気配のする方を振り向けばそこには清蘭が座り込んでおり、三蔵の経文の声に聞き入るかのように気持ちよさそうに目を細めていた。
それまでの彼女たちの姿は確かにどこにでもいるただの女性だった。しかしどうだろうか、三蔵が経を唱えていくにつれ彼女たちの後ろには彼女たちによく似た姿の女性が現れる。その女性の額には神の証であるチャクラ。

まるで片方は闘いを楽しんでいるようで、もう片方は消えていく命を見守るかのような顔をしていた。
葵達はその神々しい姿に頭とからだが追いつかずにただ呆然と眺めていしまう。下手をすれば飲み込まれてしまいそうだ…。



『【魔戒天浄】!!!!!!!!』



お決まりの文句が聞こえた。



「こ、子分たちが全滅だと!!?」
「あ、兄貴!どうしよう!!?」

『あんたたちはここで死ぬのよ』
「お前は、三蔵の女!?」
『ざんねん、それはちょーっと違うかな』
「うっっ!!?」



さすがに子分たちがやられ目の前には朱麗、その後ろには三蔵一行がなぜだか二組。どうやらかなわないと確信したらしく恐怖の色を浮かべ逃げようとする。
しかしそれも虚しく足に激痛が走る。どうやら朱麗の隠し武器でもある【死蜂】で彼らの影を斬ったようだ。この武器は不思議な武器で時空を関係せずに刃を向く。影を切り裂けば本体も斬れてしまうのだ。
恐れをなして逃げようとした兄弟へとゆっくり近づく朱麗。



『ねぇ?私が嫌いなもの、2つ教えてあげようか。1つ目は私の可愛い妹に手を出そうとしたってこと。2つ目は新しい命に手を出そうしたこと』
「……兄貴、俺聞いたことある。どっかの世界に妖怪の神様が…12人いてよ、その中に死の女神として崇められてる妖怪の神がいるんだってよ」
「その話、俺も聞いたことあるぞ。たしか……その女神は…白い髪に赤い瞳だったよな…?」
「ま、まさか…」

『さぁ、悔い改めなさい罪深きモノ』
「混ぜろよっ」
『なっ!?』





葵は割り込むようにとなりに来ると、朱麗の蛇腹剣が兄をさばく前に葵の青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)が喉元をに突き刺さっていた。ちらっと無邪気な顔を見せたように見えた葵の顔はまたすぐ難しい顔をする。まるでそれは何かに苛立ちを感じているような…。




『あのねぇ、あぁいう場合普通はあの辺で見てるものなのよ!?』




後ろで見ているほかのみんなを指さして口論を持ちかける。




「普通?そもそも俺ら、の敵だろ?五分五分じゃないなんて、おかしいだろ」
『…はぁ、まぁいいわ。三蔵とりあえず清蘭のかたきとったわよ』
「……おい、アバズレ…お前はいったい何者なんだ」
『おいこら、そっちの三蔵さっきからアバズレアバズレってうるさい』
「なぁ、ちょっといいか。特に清蘭と三蔵…」






葵はその難しいことを考えるような、それでいてなにかに苛立ちを感じているような面持ちのままもうひと組の一行の方を向き、話しかけた。











***
割と煮詰まってきた!というかこう頭の中でいろいろみんなが考え始めるとそれだけ余計にこっちも考えてないといけなくてこんがらがる(^ω^)←お前が考えて書いてんだろ


とまぁ、今回は温厚な清蘭ちゃんがちょいキレっていう。
そして【死蜂】っていう朱麗姉さんの武器はもうなんかずるすぎんだろ←
時空だけじゃなくてなんでも切れるらしいです。奥の手として普段は使わないでいただきたいところですねー(なぜだ)


一方葵さんの方はなにやらこっちはこっちで引っかかっていて、考えているようですよ〜?

それについてはまた次回!な感じです。はい。

あぁ、そうだ。朱麗姉さんが新しい命を手にかけようとするやつは嫌いだ、の件の理由としては姉さんの過去がちらっと関係しててそれもおいおい書けたらというか、ねじ込ませたいです←


以上で8話おしまい!


読んでくれてありがとうございました。
2015.07.08
黒音 未唯


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