Tin ice in the sun

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東京モダンアパート(rank)
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Diaryの最新記事: 誕生日でした!!

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未解決殺人クラブ

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タイトルからして何だミステリー?? と思っていたんですけどもちゃんとしたノンフィクションです。 そもそもの発端はNetflixにある猫イジメを許さねえっていう感じのドキュメンタリーからなんですが(タイトル忘れた。)その元となった事件の話のほかにも色々とまとめている犯罪ノンフィクションということで購入。読了です。 被害者の遺族であったり、はたまた友人関係であったり、弁護士と死体であったり。 いわば、フィクションでよくみる「ひらめき」などはなくてものすごい地道な執念と努力の話です。いわば根性です。 州をまたいで死体を処理するとかそういうのは確かに警察では難しいかもなあと思った。 いろんな関係性と同時に、それらの根性を正義というにはあまりにも危ういところが何個もありました。 プロに任せきれないことは多く、しかし、アマチュアの素人探偵の行いは正義だとしても責任をとれるものでもなく。 エンディングというかラストの事件はインターネットでの正義の苛烈さの話でもあり、自戒として大切にしなければならないお話でもありました。しんどい。 これらを手放しに褒めることは難しく、またこれらの行動のためにきっと救われた命がいくつもあるのだろうと思います。 そういう意味では読めてよかったなあ……。

  • 19th.Mar
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たった独りのための小説教室

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花村萬月『たった独りのための小説教室』を読んだ。 Twitterでもバズってたような…… バズってなかった?? かもしれないけど、確か「独りとは、小説を書いて認められたいという承認欲求を持つ貴方の話では無い」というツイートが流れてきて興味が出て買った。 プロの小説書きを目指す人なら読みたい一冊だと思ったが、ただの興味本位で買うのはオススメはしないなーとなった。わたしは二次創作を書いているのでプロになる気はさらさらなく、まあちょっと上向きになれればいいかなくらいの気持ちだったけど……。生半可な気持ちでみると余計に削られて疲れてしまった。 指南されて行動しろと言われて1人で隠しきってでもやりきろうとする人のための書き方本。ただそのご指摘はかなりかなり赤裸々かつ、小説をちょっと書いてきた人だとメッタメタに刻まれるタイプの指摘をするので中々難しいですね。 ある意味、プロってこんなこと考えてるんだの舞台裏暴露本でもありそういう意味では面白かったです。

  • 13th.Mar
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7月のダークライド

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ルー・バーニーって〇月の〇〇になる法則でもできました???? なんだ、この邦題 はい感想。(読了日は2/26だったようです) ミステリーを読んだのはかなり久々な気がします。『復讐殺人』以来な気がする。合ってるかな……。いや、ジェフリー・ディーヴァー以来かな!? ひと月ぐらい空いてる気がします ハーパーBOOKSのこの手の本は大体ハッピーエンドではないという認識なんですけども。これもご多分にもれずという感じでした。レーベルからのメタ推理。 ストーリーはテンポが良いのと主人公の「とにかくこの事件だけは解決させたい」という西部劇のヒーローのような価値観がよかったです。 この手の「トラブルを解決したい!」ミステリー作品、なんだかんだでインフレが起きがちというか「やばい組織」と戦う芯の強いヒーローのお話が多いのだけど この主人公はそんな中でも平凡というか非力というか、とにかく「摩擦のない」人間のお話で面白かったです。

  • 4th.Mar
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オリンピア

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2月に読んだんだけど感想書いてなかったなー。 CAVA BOOKSさんの配本サービスで届きました。最近、このサービスで届く本が大体自分のチェックしてる本なのでなんとも言い難い気分になります。 さて感想。 ざっくり言えば、オリンピックととある移民の家族のお話です。 何度か喋ってますが、移民のお話を見る度に「分からん……」になります。それこそ、自分が語っていいのか毎回疑問です。 でも、このお話での移民とは「生きるためには仕方がない」というお話で、そしてオリンピックを見る度に「自分の故郷とは」という感覚とスポーツへの情熱を見せるのです。 この故郷の感覚と、スポーツの感覚の重ね方が劇的にうまいな!? と感動していたのですがあとがきを読んだ時に「読みやすい文体では無い」と書かれていて驚きましたね……。へんな翻訳小説よりよっぽど面白かったですが……。(突然の某出版社の悪口が出そうになる。) あと装丁やデザインも面白かったですね! ひとり出版社系を管理人は応援しております。

  • 4th.Mar
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京都に咲く一輪の薔薇

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あー。なんと言うべきか、この作品は全然好みじゃなかったなあ。 わたしはもう随分と前からグザヴィエ・ドランの作品に「面白いけど好みじゃない」の感覚を持っていて、今回はその路線だった。 最終的に恋愛至上主義に陥っている感じがとても好みじゃない。 外国人による「京都という観光地にみられる地に足のついた社会」のお話だったし、これが外国で評価されることはわかるがそこを評価ポイントにするほど作品が面白いかと言われたらそうでもなかった。 いやほんとに。ドラン監督作品だったな………。優雅なハリネズミの方がよかった。

  • 25th.Jan
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映画論の冒険者たち

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東京大学出版会のこういう本たち好き。 映画論の導入まとめって感じです。掘り下げてもらうことが前提にある。 でも最後についている「この評論家を学ぶならこの本!」とか注釈とか諸々あるので結構助かります。ただまあ、映画が好きってだけで読む本ではないかな。映画論とかそういうところに興味があって、リュミエール兄弟から続く映画の世界と批評の関係性が好きな人は好きだと思います。 おすすめとは言わないかな……。 あとA4冊子1段組という組版チェック好き人間には面白い事例だわHAHAHA! の気持ちはある。いいね、こういうのま。 でも体系的というか凄くざっくり「この人たちはこう! こう! こう!」とバシバシ出してくれるのでまるで講義を受けてるみたいでした。大学時代の映像美学の講義を思い出しますふふふ。

  • 16th.Jan
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みんなが手話で話した島

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読了! 去年のノンフィクション本ベストに入れている方も多かったので気になって買ってきた〜。 いわゆる閉鎖コミュニティのことを「因習村」として消費してしまう昨今のネットミームがだいぶ嫌いなんですけども今回のお話はむしろその因習が手話だったという「今読むべき本〜〜!」になりました。昨今のあれそれの消費をだいぶ嫌っているからこういう書き方をしています。(怒ってる) 聾の劣性遺伝がコミュニティによる狭い血縁関係での結婚を繰り返したことによりあらわれがちになった、というところから「みんなが手話で話すことが当たり前になっていた地域と時代がある」というのが真相です。 今は無いのでそこには終わりもありますし、終わりの聾の方がコミュニケーションができないと怒っていたこともあるようですが。 生まれた時から手話と共にあり、育つ周りでも手話があり、狭いコミュニティだからこそ成り立っていた事例なんだなあということは感じます。 そこにあるのは配慮とかではなく、2種類の言語の共存の方が正しい。クレオール語みたいなものなんだと思います。

  • 16th.Jan
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まず牛を球とします。

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日本の現代SFかー、と思ったけど短編集だったのでノリにのれるまで時間がかかってしまった。石油王のお話が好きです。 というかね、これあんまり言っちゃいけないと思うんだけど全体的に「なんだろうなこれ……」の話が多くてさっっぱりだったの。でもなんとか読み終えた。えらい。 申し訳ないけど本はサヨナラした。 超近未来社会で、いまの現代社会と通じる感覚の生き方(説明が難しい)の人間が面白いんだけど 近未来すぎてついていけないことがあったんだとは思う。わからん。好みじゃないと思う。

  • 16th.Jan
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イスタンブル、イスタンブル

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読了ー。というか、感想記事投げてなかったんだけど2023年に読み終えている子だったので日付を昔のにしています。すみません。 クルド人問題として今も続いているけど 今回のはクルド人への苛烈な拷問をしていた時代のイスタンブルのお話。過去にイスタンブルへ遊びに行っている分その負の歴史のことを考えると辛くなってしまう。 それぐらいに強く訴えかける作品だった。 中身を語ると千夜一夜物語とおなじ、生きていくために紡がれる物語と、死ぬことが決定している話。すべてのおとぎ話がイスタンブルのものになり、世界の中心で生きていたことを錯覚させる。制圧によって地下に閉じ込められてしまった人たちが最後に見るものとは何だったのか。 今読んでよかったなあと思う本でした。

  • 31st.Dec
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2023年書籍ベスト

数字とランキングは一致しません  今年に読んだ本かつ3年以内に出版されたもの で選んでいます @村田沙耶香ほか『絶縁アンソロジー』(2022) A村田沙耶香『信仰』(2022) Bナン・シェパード『いきている山』(2022) Cグレゴリー・ケズナジャット『単語帳』(2023) Dラシャムジャ『路上の陽光』(2022) Eモハメド・ムブガルサール『純粋な人間たち』(2022) Fアルテュール・ブラント『ヒトラーの馬を奪還せよ』(2023) G『「その他の外国文学」の翻訳者』(2022) Hクォン・ソヨン『まだまだという言葉』(2021) Iナヴァー・エブラーヒーミー『十六の言葉』(2023) 短編小説がひとつ、ノンフィクションがひとつ、エッセイひとつ、インタビュー集がひとつ入ってます。 オススメです。ほんとに。

  • 30th.Dec
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