Diaryの最新記事: 2025年
Archiveの最新記事: フォレストページ(無印)の振り返り
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おもしろかった! 笠井潔がこれまで書いてきた探偵小説論の統合版みたいな感じなので初心者に入りやすいなと思った。 探偵小説の歴史、ミステリーという言葉に含まれる「謎」の広さ、そもそも死体ってさ…… みたいな究極的なまとめもあって面白かった
16歳になった少女たちがサバイバルゲームを超えて生き残ったら結婚できる世界線。自分には生きていけないディストピアフェミニズム作品だった。中々読み終わらなかったので今のうちにえいやっと。 これは映像で見た方が面白いよなあと思いながらも、児童書を見ていた時のような主人公のピンチの切り抜け方が面白かった。ハンガーゲームのような生き残り戦略ものとしても面白い。 ただこの1冊で終わらないの!? の気持ちもちょっとある。全部しっかり終わらせてほしかったなあ。
アマプラの100円セールでも見るの忘れていて、ユーネクストで配信きたのでようやく見た。 4歳の子どもを残して自分が死ぬ前に里親を探してあげたい、余命残りわずかのシングルファーザーの話。新聞に投稿された実話が元ネタ。 4歳の少年の幼さと、父親の愛情、大泣きするような表現はなくひたすらに見つめ合うふたりの会話で「別れが来てしまう」話をしていてしんどくてそれでも幸せを願わずにいられなかった。 お父さんの語る「死」と男の子の理解もいい。ラストの視線とタイトルバックが秀逸。アレはどういうエンディングと解釈すべきなのかは人によると思うけど、ビックリするぐらいに幸せを物語る作品だった。余命わずかな人間たちが大泣きする邦画の世界になれているため、こういう静かな作品に弱い。 ボロ泣きした。
お久しぶりです。生きています。 #読了 『オリーヴァ・デナーロ』 性暴力を受けた少女が、その加害者と結婚させられそうになり「いやだ」と言い切るまでの物語。そもそも主人公が大人(16歳)になるまでの過程もなかなかにしんどくて、時代と共に人間……! という感じがしていた。村田沙耶香が好きな人にはおすすめである。 主人公が自分は酷いことをされたし怒っていいんだ、という結論にたどり着くまでの長さにも辛くなる。怒っていいと言ってくれる人が周りに全然いなかったため。 それでも自分の気持ちに正直になって中指を立てた主人公が好き。(比喩です。ネタバレじゃないよ) その後のお話として主人公のつきつけたNOがゆっくりゆっくり積み重なって第四部の世界に繋がるのも良かった。第一部と第四部にだけ時間の表記があるのはなんで? と思ってたけど内容に納得。 くそみたいな法案がちゃんと改正されたこの世に生きていてよかったし、改正するため働いた数多くの人間がいることに感謝した。
#読了 ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ『過去を売る男』 2025年の最初の読書になりました。エクス・リブリスとは幸先がいい(いいのか?) 語り手は家に住み着くヤモリ。主人公は家系図などを完璧に仕上げて望む過去を作る男、もうひとり真っ当な過去を作り出してほしいという男が現れてーーという内戦の中で生き延びた男たちのお話だった。ヤモリがたまに擬人化して主人公とお茶飲みしたりしていて面白い。ヤモリからも主人公からもお互いのことを友達とも言えない共同のものという感じがしていて面白かった。 ストーリーとしてはシェイクスピアとかにありそうな王道のものなのに、ヤモリが語り手になり人間に対して距離が近づきすぎない視点を持っているためにぽんぽん読めてしまって面白かった。
作者の自伝的作品。たまに入る太文字ゴシック体と改行の多さと子どもが一つずつ確認をするような文体が面白かったけれど……父親の「生まれた子どもを次の妻にしていく」という生活だとか色々なことがしんどいお話であった。好きかどうかで言われたら中々好きになれないかも!? をした怪作。 おかゆの中で煮えている子どもに対して「おかしい」と思える成長になってよかった。
タイトルにひかれて予約してた本。めちゃくちゃ面白かった。 表題作、韻を踏まなければ生きていけない長安という街全体機構になっているところにひとり自分の得意なラップでしかけて生きやすさを問いかける言論統制ディストピアSF×ラップでした。そ、そんなの想像つかないって……。 たいへん面白い作品でした。翻訳もラップ調にしてあるのがすごい。エミネムだ! をしたところが本当にエミネムでした。 その他の作品でいうと(ネタバレになるので伏せますが)陽の山月記みたいなお話が面白かったです。虎は出ないです。 三蔵法師のお話も面白かったし、スチームパンクならぬ牛皮筋パンクというバトルものも面白かったし、円城塔はいつも通りでした。 李白のあの生きざまをみんな見てくれ……。
精神病院に入院が決まった患者たちとセラピーを行った司法精神科医のノンフィクション本。 作中で触れられているが、社会復帰の見込みなしと言われる加害者たちとのケアすることに意味があるのかという言葉に対して この本は「ケアが必要な人間に手を差し伸べて生かすことが悪いことか?」と怒っていて悲しんでいた。もちろん犯罪行為が許されることでもなく、自分がしんどいなと思ったところは読み飛ばした時もあるんだけど。それでも語り合って向き合うことはまわりめぐって誰かの支えになるのだろうと思いながら読んでた。 (病院から出られず問題児として暴れていた男がその後の入院患者たちのケアする側に変わったように)
黒沢清の考えるエンタメってこうなんだ……! になった。ファン心理としての「分かりやすい!」と「こんな映画を作ってもまあ分からない人は分からないかも!」のマウントをとるいやな気持ちとある。エンタメだった。 フリーファイヤーになったりボニー&クライドみたいになったり、三池崇史の「初恋」が好きなのかな? と思うぐらいのヘンテコな展開。奥平大兼のあの空虚な顔と菅田将暉の呆然としながら流されていく表情がとてもよかった。 偶像化をつきつめた世界が現代的なのにどこか古さを感じさせる。悪魔との契約というよりかは、持ち上げられた先が地獄の果てだったような。 https://filmarks.com/movies/114844/reviews/183728371
アルレーの悪女もののようなフレンチミステリだった! 個人的には映像化した方が面白いと思う作品だった。好きだった。 警部ふたりと、死体がないが殺したと宣言する女から始まるミステリー。どうせ〇〇だろうという予測を裏切ったり裏切らなかったりする王道さもあってよかった。ラスト10ページの某キャラクターが1番驚かされたし、タイトルを華麗に回収していくのもよかった。 ささいなことだけど、チップとデールの注釈がついていて彼らがシマリスであることを初めて知った。ミステリーで知らされることあるんだ。