Tin ice in the sun

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東京モダンアパート(rank)
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2023年書籍ベスト

数字とランキングは一致しません  今年に読んだ本かつ3年以内に出版されたもの で選んでいます @村田沙耶香ほか『絶縁アンソロジー』(2022) A村田沙耶香『信仰』(2022) Bナン・シェパード『いきている山』(2022) Cグレゴリー・ケズナジャット『単語帳』(2023) Dラシャムジャ『路上の陽光』(2022) Eモハメド・ムブガルサール『純粋な人間たち』(2022) Fアルテュール・ブラント『ヒトラーの馬を奪還せよ』(2023) G『「その他の外国文学」の翻訳者』(2022) Hクォン・ソヨン『まだまだという言葉』(2021) Iナヴァー・エブラーヒーミー『十六の言葉』(2023) 短編小説がひとつ、ノンフィクションがひとつ、エッセイひとつ、インタビュー集がひとつ入ってます。 オススメです。ほんとに。

  • 30th.Dec
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薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪

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「ポストモダン」と呼ばれる時代でのアメリカの小説をジャンル分けで歴史を追いかけた評論(……?) アメリカの広さ、戦争によって獲得してきた土地と増やしてきた国民、アメリカンドリームを求めた移民、アメリカからむしろ立ち去った人間など ジャンル分けが結構細かくて「こんな成り立ちだったのか」と興味深い一冊だった。 知らない本がいっぱいあったので読みたい本がたくさん増えたし、自分のちょっとした「知ってる」が繋がるのが面白かった。やはりわたしはサバービアについてもっと知るべき……。 ただこれ、ほんとにアメリカ文学を好きって人向けの入門書的な立ち位置にあたるので 万人向けはしないと思った。 あとこれ、本ていうか装丁の話だけど ぷっくり浮き上がるタイプの画像加工がされていてタイトルをちょっと隠しているのよかったな〜〜! これは電子書籍じゃなくて手に取ってみてほしい!! あとまじで軽い感じで進むので楽に読めてオススメです。1時間くらいあれば読み終わる。

  • 27th.Dec
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魔法少女はなぜ変身するのか ポップカルチャーの中の宗教

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『魔法少女はなぜ変身するのか』という問いかけは結構おもしろくて、プリキュアシリーズは「魔法じゃない」とか まどマギの「大人向けの魔法少女概念」だとか フェティシズムのように消費される巫女、宗教の概念とか結構おもしろかった。 やっぱり宗教って軽く消費されてる世界なんだなーって気がしているし、巫女とかシスターとかただの「萌え」の要素のひとつとしてしか使われてないよなぁとは思っていたので ちゃんとそれを論じていたのは面白かったです。 作品タイトルの衍字を1点発見したのと その作品はそこに入らないだろ〜〜! の解釈の違いが1点ありましたが全体的には面白かった!! おすすめ!! という1冊でした。 追加から気になったところ

  • 27th.Dec
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蛇の言葉を話した男

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TLでずっと「エストニアのジブリ」と言われていたので読みたかった本。 ちなみに途中までずっと「タラ・ダンカンとか、そういう児童書ファンタジー……。いや、手塚治虫好きそう……」でした。 読み終わってみると「確かにジブリ感が……あるっっ……!」になりました。どっちかっていうと漫画ナウシカの時のような勢いと人間性のお話。終焉を見届けなければならない人間をファンタジーな(そしてあったかもしれない)世界とともに描いているの そりゃあヒットしますわという感じ。どうしようもない人間の孤独と、それを見つめる自然とのコーラス。 読んでる最中ずっと「何起きてるんだこれ」と思ったが最後までその感情と隣り合わせでした。でも神話だ。今はもう居ない人間のおとぎ話であり語り継がれていく神話だ。 死生観がわりと川端康成に似ていると思うのだけど世界観がほんとに違いすぎるので難しい。上橋菜穂子系の世界観に川端康成の死生観が合わさっている感じ。おすすめ。

  • 25th.Dec
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影踏み

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SNSでおすすめしていただいて読んだ本。その時はゴーストのお話が読みたいと喋っていた時にオススメされたのだが、よいゴーストのお話だった。最後の最後にゴースト(イマジナリーフレンド)とちゃんとけじめをつけているのもいい。 これは自分の人生ではなく自分の実存に対するけじめなのだ。 横山秀夫の作品の湿度のない人間の愛情が好きなのでこのお話とてもよかったな……。(キャラ読みの人間) あらすじとしては、ミステリー小説として泥棒が主人公なのだが、その頭の中には死んだ弟が存在していて会話しながら解決していくというもの。 正直「なんだこの女……」みたいなキャラがいない訳じゃないけど、いろんな泥棒たちと悪徳キャラと出てきて面白かった。ぐいぐい進んでいく男たち。武士と家で待つ女の類型のような感じはある。 ゴーストの弟と主人公は別に考えを共有しているわけでもなく、どちらかと言えばイマジナリーフレンドのようなものなのだけど最後の最後で「そっちか〜〜!」になって面白かったです。この「そっちか」はダブルミーニングなのであれとそれと合わせ持つよ。 追記はネタバレ

  • 25th.Dec
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グッゲンハイムの謎

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CAVAブッククラブで届いた本のひとつ。インフルエンザでやばかった時に読み始め。 全然気づいてなかったけどシリーズ1巻の作者は既に亡くなられていてこの続編はキャラクターと残された構成(未完成)をもとに別の作者が完成させたというものらしい。 そもそも第一巻の方を読んでないのでなんとも言えないんです。(うまいとか下手とかそういうの) 主人公は自閉症スペクトラムかサヴァン症候群あたりの気がありそうなティーンエイジャー。昔読んでいたIQ探偵ムーとかを思い出させるよい児童書ミステリーだった。 主人公の「いいなあ普通の子たちは」の感覚と主人公のお姉ちゃんの「私は我慢しなきゃいけない立場にいる」の感覚がしんどかった……。ないものねだりだ……。ちゃんとティーンだ……。 あと犯人のネタバレは追記から

  • 25th.Dec
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等々力座殺人事件 中村雅楽と迷宮舞台

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既に読んだことのある話もあったのでスラスラ行けてしまった。文庫でこうやって名作リバイバルされるの好きなんですよね。戸板、おめでとう……!(誰視点??) 戸板のミステリーとの出会いは結構昔なので、初見時は歌舞伎のこともなにも知らないまま読んでました! 田舎者なので歌舞伎に縁はなかった。なので、演者たちのお話も主人公の雅楽の解説も結構軽く読んでいたのだけどいままうちょっと知識を深めてから読み直すと「それは……!」というしんどいお話がいっぱいだった。いや面白いんですけどしんどい。 ミステリーでもあり、人情噺でもある。とてもよかったです。あと主人公が探偵のこと大好きで可愛い。ホームズみたいな言い回しをする雅楽(探偵)に対して最初はむっとすることも多かったけど今では話を聞くのも楽しみ、旅行に行こうと誘われてハッピー! になってる。おじさんたちが可愛いミステリーものは面白いんですよ……

  • 25th.Dec
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彼女は水曜日に死んだ

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読みました。犯罪者に巻き込まれるそんなに善良でもない人間たちの物語。 この善良すぎないというところが結構自分の好みの世界観だなあと思います。なかなか邦画でそういう作品に出会えないんですけどね。(出会ってもほかの視点からぐぬぅってなることが多い) レイモンド・カーヴァー、コーマック・マッカーシー的な世界の「弱者」のお話なのがよかった。自分は弱い、と自覚している人間が出会って始めて自分よりも低い立場の人間に出会うようなそんなお話たちがあるのがいい。 ただ、自分がクソ最低な世界にいるのに「不幸なんかじゃない」と言い聞かせるお話がめちゃくちゃよかったですね。そこに入れるんだ〜〜って手を叩いて喜んじゃった。 ただ翻訳ミステリー大賞に選ばれたと聞いているんですがミステリーか、これ……?? ミステリー……。

  • 25th.Dec
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n番部屋を燃やし尽くせ : デジタル性犯罪を追跡した「わたしたち」の記録

n番部屋を燃やし尽くせ を読みました。だいぶ前に読んでたんですけども、このお話自体は「性犯罪について軽い描写しかない」みたいな言葉を信じて読んだら自分としては全くそんなことなくて全てにダメージを受けたというお話です。しんどいの塊か?? n番部屋は実際にあった盗撮とデジタルタトゥーの犯罪の話であり、それを追いかけていた2人組の話です。そもそも2人が韓国でどんなハラスメントを受けていたのか、真面目に考えるとそれはハラスメントで性暴力で加害であったという振り返りのお話も入っています。 正直、n番部屋よりもこの振り返りが辛かった。というのも、読んでいるわたしにも同じことがあって「あれは怒ってよかったのか」と苦しくなったりと実体験がわたしの真後ろにあり続けて読ませてくるお話だったからです。 ということで、ぶっちゃけトラウマがある人にはオススメしません!!!! いいよ別に読まなくても 解決しようと戦った女性たちがいること知っていれば。 脱コルセットという言葉も今でこそトランスジェンダー差別に使われがちですが今回はふつうにフェミニズムの文脈だと思いました。  

  • 25th.Dec
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ハンティング・タイム

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読了。どんでん返し20回もあったのかイマイチわかんなかったけど(ディーヴァーの文体が低体温で軽く進むせいもある。)ラストは痛快でとてもよかった。殺し屋に殺されかかった少女のケアもいい。大物になりそうな子だ。 今までとは違って視点人物がそれぞれできて、どんな風に進むのかたいへん面白かったし「これで終わり」にならないで戦いのそのあとについても念入りに書いているのがたいへん良かった。 全く予想してなかったところでおじさんと少女の関係性にぶつかってしまった。 ぶっちゃけ父親との確執に向き合う物語が好きでコルターショウシリーズ見てたオタクだから 第一部で「第一部 完! 最高!!」で終わるところだったんだけど これは第二部も楽しくなる感じ〜〜!! あとわたしも同人誌でああいう数式挿入するタイプのお話作りたいな。 おわり。

  • 4th.Nov
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