〔トレヴォの刃・本文〕
13th.Jul.2018
※[小劇場]バーンハンマー(2)の続きです。
*
「フラム。今決めている魔法は初めて使うんだろう?
今回の冒険で使う前に、どこかで練習させてもらったほうがいいんじゃないのかい」
セフェルの問いかけは一応仲間を気遣ってしたものだったが、
華奢な体つきの魔法使いからは静かな視線と沈黙だけが返ってきた。
こちらに向けられた深い海のような瞳から
その魔法使いの意図を正しく汲み取ることは、
人間と密接に関わって生きている夢魔の直感をもってしても難しい。
セフェルはそっと溜め息をついて眉を寄せた。
整った顔立ちによぎる陰が、人を誘惑して精気を吸う
彼の種族が生まれながらにして備えている美貌をより一層際立たせる。
この夢魔は、レイルおよびフラムとパーティを組むようになってから、
彼らとそれなりの日数を共に過ごしていたつもりではあった。
しかし、自分の隣に座っている高い水の魔力を持った人間の少年との
意思疎通を今でも時々難しく感じることがセフェルにはあった。
「(ヒューマンって普段はみんなこうなのかなぁ。
いや、でもレイルはもっと喋ってくれるし)」
彼が感じている困難は種族の特性ではなく、
単に当人の並み外れた口数の少なさによるものなのだが、
セフェルはまだ真相に気づいていない。
取り立てて反応がないところをみると、何もしなくても問題ないだろうか。
夢魔はひとまずそう結論した。
〔トレヴォの刃・本文〕
13th.Jul.2018
フォリオ
「うーん。じゃあ、キュートフォリオファイアーハンマー!
これならどうですか?」
リーヴェ
「それは長すぎるから使えないかなー」
フォリオ
「むーむー」
リーヴェとフォリオのやり取りを眺めながら、
室内の一角にある応接用のソファに座って
魔法の設定が決まるのを待っているフラムと、付き添いで来たセフェル。
レイルはクエストの手続きで街に出かけている。
フラム
「(今度の話では新しい武器と魔法が使えるらしいけど、
どんなのになるんだろう)」
セフェル
「フラム。今決めている魔法は初めて使うんだろう?
今回の冒険で使う前に、どこかで練習させてもらったほうがいいんじゃないのかい」
フラム
「(ん……。たぶん、大丈夫)」
〔トレヴォの刃・本文〕
13th.Jul.2018
リーヴェ
「スキル名を急ごしらえで決めたけど、
バーンハンマーって、burn(動詞) + hammer(名詞)だから
文法的にはめちゃくちゃだなぁ(^^;」
フォリオ
「じゃあ、代わりにラブリーフォリオハンマーなんていうのはどうですか?
文法上も問題ないし、いい名前でしょ!」
リーヴェ
「それは炎属性っぽい要素が入ってないから却下」
フォリオ
「むー」
リーヴェ
「考えるんじゃない、感じるんだ……ってことで何とかなるかなぁ」
〔トレヴォの刃・本文〕
12th.Jul.2018
クエスト:タンブルウィードモンスター大発生
クエスト概要…
タンブルウィードモンスターが大量発生して人々を悩ませている。
現地に出向いて、タンブルウィードモンスターを討伐しよう。
クエスト難易度:C(やや難しい)
〔トレヴォの刃・本文〕
8th.Jul.2018
書きかけの「ハードストライク」と少しかぶるエピソード。
内容的に似た部分もあるけど、
こっちをひとまずある程度書き上げてしまいたいです。
華奢な魔法使いフラムが、
新しく手に入れた強い打撃武器を扱う話。
〔トレヴォの刃・本文〕
27th.Feb.2018
町にやって来たレイル
店の人「毎度!今、当店でお買い上げの方には福引きに参加してもらっています」
店の人「こちらのくじが入った箱を振ってください」
レイル「へー。何が出るのかな?」ガラガラ
コロッ
店の人「おめでとうございます!特賞の『闇夜の杖』が当たりました」
※闇夜の杖…武器。 レア度:B
重くて扱いにくいが、装備した者の魔法の威力を大幅に強化する
レイル「特賞かー」
杖を持ってみるレイル
華奢な造りの杖だが、見た目の割にかなり重さを感じる
レイル「うん、確かに重いや。
僕は魔法メインじゃないし、ちょっともて余しちゃうな」
レイル「フラムの魔力ならこの杖でも問題ないかも?
帰ったら渡してみよっと」.
*
2/27
元のタイトルは「ヘビーストライク」でしたが、
本文中の「武器が重い」という記述とタイトルの「ヘビー(重い)」が偶然かぶって、
武器の重さがストーリーの中心になるような
誤解を生みそうだったので、タイトルを変更しました。
〔トレヴォの刃・本文〕
29th.Jan.2017
最近書いていたものの続きがまだできていないので、代わりにこちらをご覧ください。
フラムと駆け出し冒険者ティム。
「堅水」とちょっと関連のあるエピソード。
*
フィールド(平地)
必死の形相で走っている駆け出し冒険者・ティムと、
それを追っている魔物・ロックバード
ティム「うわぁああ!! なんでこんな所にロックバードが!?」
ダダダダダッ
ロックバード「クェェエエ!!」
ドドドドド
ティム「こ、この辺りは初心者でも大丈夫なエリアだって聞いたのに……!!」
ロックバードはダチョウに似た大きくて凶暴な魔物
強い魔物で、今のティムの実力では太刀打ちできない
ロックバード「クェェエエ!!」
ガガガガガッ
硬い羽根を飛ばして攻撃するロックバード
ティム「わあ、痛い痛い痛いっ!」
ティム「こんな強い魔物、手に負えないよ! な、なんとか逃げ切らなきゃ……!」
ダダダダダッ
必死に走りながら、前方に人影があることに気づくティム
???「……」
ティム「あ! あれはこの前助けてもらったパーティの……」
移動中のフラムがたまたまその場を通りかかっていた
フラムに向かって叫ぶティム
ティム「すいませーん、離れてくださーい!!
そこにいたら、この魔物がそっちに――」
ロックバードがフラムに気づく
フラムを「新しい敵」と見なしたらしく、羽根を逆立てて攻撃態勢を取るロックバード
ロックバード「ケェェエエ!!」バッ
ティム「(遅かったー!!)」
フラム「……。君、どいて」
ティム「は?」
〔トレヴォの刃・本文〕
23rd.Jan.2017
駆け出し冒険者に名前を付けました。
名前はティム。
その他の部分も微修正。
*
盗賊「身ぐるみ置いていけ!」
駆け出し冒険者・ティム「くっ……」
……
レイル「はい、そこまでだよ!」
フラム「獲物、見つけた……」
盗賊「なんだお前らは!?」
……
盗賊「はっ、そんな攻撃が効くかよ!こっちには対魔の護符があるんだ」
※対魔の護符…魔法攻撃への耐性:高
レイル「うわ、面倒くさいなー。――セフェル、行って」
セフェル「はーい」
ティム「(わ、あのセフェルっていう人、すごい美形……!
ヒューマンじゃなさそうだ。インキュバス?)」
セフェル「いくよ。この剣を受け切れるかな?」
……
盗賊「がはっ……」
セフェル「ふう」
レイル「んー。こんなもんかな」
ティム「(この人たち、強い……!)」
……
レイル「大漁だね! 戦利品を山分けしよう」
セフェル「レイル。お腹空いた」
レイル「あ、じゃあその子『食べて』いいよ」
ティム「は? 『その子』って、俺?」
セフェル「やったー」
ティム「え、ちょっ!?
インキュバスの食事って、それって……!」
セフェル「いただきまーす」
ティム「あのっ、待っ――!?」
…………
〔トレヴォの刃・本文〕
15th.Jan.2017
魔石採集に行ったにしては荷物が多いのは、
どうやらそこで魔物を倒して得た戦利品も入っているためらしい
しかし、弓矢の材料になる素材のような
レイルたちが使わないアイテムも荷物には混じっている
そうした物は通常なら町で売って金に換えるのだが、それをせずに持ってきているということは
現地近くの町に立ち寄らずまっすぐ帰ってきたのか、と考えるレイルとセフェル
セフェル「リャドの町には行かなかったの?」
フラム「あの町は、こっちと逆方向だから……。
魔石と魔物の素材で荷物も増えたし、もう時間も遅かったから……『旅の翼』で」
話しながら何かを投げ上げるように片手を動かすフラム
※旅の翼…拠点へ瞬時に帰って来られるアイテム。空中に投げ上げると効力を発揮する
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