犬かご

2021.08.11 Wednesday


─ 爛瓜 ─

 歯形のついた実を板敷きの上で転がした。それはかごめの尻に弾んで、鞠のように土間にまろび落ちた。
 木目に染み込んだ、甘ったるい汁の匂いをたどっていく。
「まだ固かった?」
 拾い上げ、かごめが中を覗き込んだ。彼はその肩越しに、青い実から汁と種がしたたるのを見つめていた。


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