りん+犬かご
2016.12.19 Monday
「子供ができたかもしれません」
半妖と巫女は、夫婦揃って盛大に茶をふき出した。
「……えーと、りんちゃん。今、なんて?」
「ですから、子供ができたかもしれないんです」
ほんのりと頬を紅潮させる少女。兄の失態に、半妖は衝撃を通り越して遠い目をしている。
「あの野郎、こんなガキ相手に何てことしてやがるんでい……」
「口が悪いわよ、犬夜叉」
だが、巫女の浮かべる笑顔もぎこちない。
「りんちゃん、その……心当たりはあるの?」
「はい」
正座したまま、少女はもじもじと膝を擦り合わせる。
「殺生丸さまと、しちゃったんです」
「し、しちゃった?」
「何回も」
「なっ……何回も?」
意を決して立ち上がった少女は、たじろぐ巫女の耳元に内緒話のように囁きかけてきた。
「──口づけを」