重たい荷物を床に置いて、笠を取って椅子に座る。デイダラは先ほどの疲れきった表情はどこへやら「何にしようかな〜」と言って、壁に貼られた品目を浮かれたように眺めていた。…ただ食べたかっただけじゃねぇか。俺は溜め息をついて、ふてくされたように何にすんだと聞くと、デイダラは悩みに悩んでコレ、と壁の札を指差した。俺は手招きして店員を呼ぶ。やってきたのは、桜色の着物に身を包んだ、髪の短い若い女。
「何にしましょうか?」
「茶一杯とあんみつ頼む」
女は「畏まりました」と言ってチラ、とデイダラを見て厨房に戻る。デイダラはというと、最初は顔を伏せていたけど女が向かった方を気にしていた。
…なんだ?
「だ、旦那っ!」
「あ?」
「今の子すっげぇ可愛いかったな!」
「…はぁ?」
何を言い出すかと思えば。俺も体を動かしてさっきの女に目を向ける。確かに…綺麗というより可愛い感じだな。
「あー、ムリムリ。あぁいうのはお前みたいなガキには興味ないんだよ」
「なっ!?オイラはガキじゃない!」
反発するデイダラを気にも止めず、俺はそういうところがガキなんだと心の中で思う。お気に入りの人形が他の誰を好きになったところで構いやしない。それだけデイダラには俺しかいないという自信があった。
「まぁ、俺の余り物でいいならくれてやってもいいが…」
先ほどからチラチラ此方を気にする女の集まりに目を向ければ、黄色い声が上がる。目ェ合っちゃったと嬉しそうに騒ぐ女共を横目にデイダラはいらねーよ!と言った。するとその眉間に皺を寄せた顔を、瞬時にグルリと逸らす。背後から足音が聞こえた。
「お待たせしました、お品物です」
「…どうも」
そういうことか。わかりやすい奴だ。先ほどの女が御盆を手に戻ってくると、品物をテーブルの上に置く。茶をデイダラの手前に置こうとしたとき、
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デイダラもお年頃
女の子に恋する純粋なデイダラが書きたかった´〜`*
結局のところサソデイオチなんですが、shortに載せるか載せまいか≧ヘ≦
かなり前に書いた話なんで手直しが必要orz