▼いちあい:金木犀 「おや、金木犀ですかな?」 「あ、一期だ。部屋に飾ろうと思ってさ!」 「歌仙殿が喜びそうな事を……珍しい」 「そうかあ?」 「花瓶はありますか?」 「無いからラムネ瓶に生けようと思ってた」 「それなら私の一輪挿しをお貸ししましょう」 「お、助かるぜ! ありがとな!」 「いえいえ、お気になさらず」 03/11 |
▼鶴獅子:もみじ 「お、椛が染まっているじゃないか」 「紅葉狩りに行くか?」 「珍しい事を言うな」 「いや、鶴丸が鶴になるかなって」 「鶴らしくはなるが、鶴にはならないぜ」 「わかねーじゃん。変身するかも」 「きみは俺に何を求めているんだ?」 03/11 |
▼笠今:イクラ 「イクラをもらったんやけど」 「醤油漬けだな」 「理由とか聞かんのか。まあ漬けたるけど」 「あ、それぐらいなら俺できるわ」 「もう手洗ったからワシがやる。タッパー出してくれん?」 「任せろ」 03/11 |
▼グラハウ:桃 「桃の缶詰?」 「貰い物だよー」 「それは分かる」 「ホイップクリームとかいる?」 「確かにオレは桃の缶詰にあまり面識はないが、ホイップクリームを普通はつけないだろう」 「じゃあゼリーにするー?」 「それはうまそうだな」 03/11 |
▼マツミナ:枝豆 「マツバ、枝豆食べるか?」 「食べるけど、突然だね」 「向かいのおばさんから酒の肴にと貰ったんだが、私たちはそんなに呑まないだろう」 「そうだね。でもたまには晩酌もいいんじゃないかい?」 「二人とも酔い潰れたら誰が介抱するんだ」 「そんなに呑まないよ」 「じゃあ布団の用意も風呂も済ませてから月見でどうだ」 「そんなに信用ないの?」 「少なくとも私は久しぶりだから飲み過ぎると思う」 「ええ……」 03/11 |
▼膝獅子:花種蒔く 「獅子王、その種は何だ?」 「んー、なんかの花の種だって」 「曖昧だな」 「ごめん、なんかその、数種類あるんだって」 「何?!」 「頑張って見分けて畝ごとに花をまとめようぜ!」 「そうか、仕方ない。全力で見分けるぞ」 「ありがとう膝丸、めっちゃ頼もしく見える」 「いつもの俺は何だと?」 「ピザ丸」 「兄者ァー!」 「落ち着けって! ごめんって!!」 11/08 |
▼鶴獅子:苗床 「苗床作りをするぞー!」 「おー」 「鶴丸にしてはテンション低いな」 「地味だからな」 「地味」 「驚きの為にとびきり地味に頑張らないといけないだろう」 「驚きの為に」 「より良い野菜の為に俺は地味を極める」 「ごめん何言ってんのか分かんねえ」 「とびきり美味い野菜で皆に驚きを!!」 「すっげえ壮大な計画だな?!」 11/08 |
▼じじしし:桃の節句 「桃の節句だな」 「そうだな! 手の中にあるのはあられか?」 「うむ、ひなあられだそうだ」 「三食でかわいいな」 「うむ。獅子王のふわふわに似ているな」 「んん?」 「うむ、そこの髪留めだ」 「あー! そっちかー! 確かに白いの似てるかもな!」 「そうだろうそうだろう」 「でも俺の髪留めは食えないからな?」 「うむ……」 「残念そうだな……」 11/08 |
▼笠今:くわい 「くわいの煮物を作ったんやけど」 「ん? 正月の食べ物じゃないか?」 「いや、何となく食べたくなってなあ」 「何か祝い事でもあったか?」 「……妹の誕生日で、す」 「お前」 「ちょっと浮かれて、て」 「家に帰れよ」 「いややー! 会わす顔があらへん!」 「兄が妹に会うのに理由とかいらねえだろ」 「何歳離れとると思っとるん。兄だと認識されてるかも分からんし」 「うるせえ今日はもう遅いから明日帰れよ」 「はい……」 11/08 |
▼笠今:鱒 「鱒がここにある」 「鱒寿司か?!」 「反応はっや!」 「それとも普通に焼くか? 塩焼きか?」 「新鮮やし、鱒寿司を作る自信もあらへんし、塩焼きにでもするでー」 「ところでつい昨日、粗塩を買ってきたわけだが」 「とうとう普通の塩じゃ物足りなくなったんか」 「試食で感動した」 「塩の試食って珍しいなあ?! 笠松お前どこ行ってきたん?!」 「専門店」 「はあ?!」 「検索したら案外近くにあったから」 「その行動力凄すぎん?」 「俺が塩振ってもいいか?」 「……自分の食べる分だけならええで」 「お前、俺の腕を信用してなさ過ぎだろ」 「笠松の調理はな、怖いねん」 「目を逸らすのやめろ」 11/08 |