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膝獅子:花種蒔く

「獅子王、その種は何だ?」
「んー、なんかの花の種だって」
「曖昧だな」
「ごめん、なんかその、数種類あるんだって」
「何?!」
「頑張って見分けて畝ごとに花をまとめようぜ!」
「そうか、仕方ない。全力で見分けるぞ」
「ありがとう膝丸、めっちゃ頼もしく見える」
「いつもの俺は何だと?」
「ピザ丸」
「兄者ァー!」
「落ち着けって! ごめんって!!」

11/08


鶴獅子:苗床

「苗床作りをするぞー!」
「おー」
「鶴丸にしてはテンション低いな」
「地味だからな」
「地味」
「驚きの為にとびきり地味に頑張らないといけないだろう」
「驚きの為に」
「より良い野菜の為に俺は地味を極める」
「ごめん何言ってんのか分かんねえ」
「とびきり美味い野菜で皆に驚きを!!」
「すっげえ壮大な計画だな?!」

11/08


じじしし:桃の節句

「桃の節句だな」
「そうだな! 手の中にあるのはあられか?」
「うむ、ひなあられだそうだ」
「三食でかわいいな」
「うむ。獅子王のふわふわに似ているな」
「んん?」
「うむ、そこの髪留めだ」
「あー! そっちかー! 確かに白いの似てるかもな!」
「そうだろうそうだろう」
「でも俺の髪留めは食えないからな?」
「うむ……」
「残念そうだな……」

11/08


笠今:くわい

「くわいの煮物を作ったんやけど」
「ん? 正月の食べ物じゃないか?」
「いや、何となく食べたくなってなあ」
「何か祝い事でもあったか?」
「……妹の誕生日で、す」
「お前」
「ちょっと浮かれて、て」
「家に帰れよ」
「いややー! 会わす顔があらへん!」
「兄が妹に会うのに理由とかいらねえだろ」
「何歳離れとると思っとるん。兄だと認識されてるかも分からんし」
「うるせえ今日はもう遅いから明日帰れよ」
「はい……」

11/08


笠今:鱒

「鱒がここにある」
「鱒寿司か?!」
「反応はっや!」
「それとも普通に焼くか? 塩焼きか?」
「新鮮やし、鱒寿司を作る自信もあらへんし、塩焼きにでもするでー」
「ところでつい昨日、粗塩を買ってきたわけだが」
「とうとう普通の塩じゃ物足りなくなったんか」
「試食で感動した」
「塩の試食って珍しいなあ?! 笠松お前どこ行ってきたん?!」
「専門店」
「はあ?!」
「検索したら案外近くにあったから」
「その行動力凄すぎん?」
「俺が塩振ってもいいか?」
「……自分の食べる分だけならええで」
「お前、俺の腕を信用してなさ過ぎだろ」
「笠松の調理はな、怖いねん」
「目を逸らすのやめろ」

11/08


マツミナ:ミモザの花

「ミモザサラダだぜ!」
「ミモザ?」
「黄色い花だぜ! ゆで卵の黄身をこうして網でこしてな」
「なるほど。今度写真とか見てみるよ」
「それなら写真集がどこかにあったから後で見るか?」
「写真集なんてあるの?」
「春の花を集めてあった本で、勉強ついでに買ったんだぜ」
「ああ、エンジュに住んでると季節の花をよく見るからね」
「和菓子とか、季節の行事とかでよく見るからな」
「それなら食事が終わったら見せてくれる?」
「もちろんだ!」

11/08


マツミナ:たんぽぽ

「あ、たんぽぽが咲いてる」
「もうそんな季節なんだな」
「つくしもあるだろうね」
「もうそんな、季節なんだな……」
「そうだね、どうかしたの?」
「そろそろスイクンにとっても過ごしやすい季節になったなと思ってな」
「春が?」
「冬は寒そうにしてるぜ」
「そうだったんだ」
「北風の化身なのにな」
「やっぱり生き物なんだね」

11/08


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