黎明の月 | ナノ


終わりと始まりの噺
幾つもの想いを捨てて
笑いながら駆け抜けた
君と私が見た夢を
お師匠様の誤算
丸い目が見ていた
笑う菩薩の裏の顔
先の見えない恐怖に
ちくりと胸を刺す
小さな彼の功績
萌葱色の熱視線
天狗様にご注意を
彼女が笑うと山が笑う
ひやり流れて消えていく
居もしない君を
きっと永遠に見つからない
その手をいつか
猪突猛進な男が言う
彼女は僕を選ばない
それはまだ青く、若い
萌葱色の願い事
彼女の選択
その手に私は目を閉じる
果たしてそれに気付けるか
雪は溶け、春が来る
誰も気付かない兆し
小さな痛みに誰かが泣いた
泡沫のように消えていく
迷って泣いて、立ち尽くす
手をとって、抱きしめて
まるで穢れを知らぬ
ふわり香る雨と夏
響くは君の優しさの音
笑う二人と泣く一人
愛情いっぱい詰め込んで
溢れたのは切なさだけで
夏風が君を探している
そうして君は泣き笑うのだ
淡く色づく心を
自称剣豪の男と彼女
その想いをどうか隠して
薫る太陽に君は俯く
野に咲く花を枯らしてまで
揺らぐその覚悟を知らず
答えは分からぬまま
悩む仮面に追い討ち
君が導く未来
貴方への距離を確かめました
終末が近付く音がする
君の知らない男の話
貴方と生きる夢を見た
溢れた涙が見た二人
繋いだ手を離さずに



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