Tin ice in the sun

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東京モダンアパート(rank)
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Diaryの最新記事: 誕生日でした!!

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モノノ怪

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仁木英之による小説版モノノ怪。アニメ版のような女の話ではなくて、普通の人間の邪悪さを描いていて面白かった。 モノノ怪のあの謎の世界観を言語化するのにあんな感じになるんだなあと思った。仁木英之はあんまり好きじゃなかったりするんだけど(キャラの趣味が合わない)今回のものは面白かった。 ただ文章で描くのってやっぱり限度があってモノノ怪のあの世界観を描き切るには映像とかの絵の力ってあるんだろうなあと思った。(キャラと背景とかの話です……)

  • 4th.May
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ロスト・フライト

落ち着いたジェラルド・バトラーだったけど、途中で明かされる事実で笑ってしまった。やはり暴力がすべてを解決する……!! 意外な展開もあったけれど、力を合わせて無事に帰ろうとするバディものだった。これぐらいの映画が金曜ロードショーで流れてほしい。

  • 4th.May
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ロード・ハウス/孤独の街

コナー・マクレガーよすぎるな……。になった。ジェイク・ジレンホールの哀愁ただよいながらも正義の道を進もうとする姿もよかったけれど、それ以上にコナー・マクレガーの悪役のかっこよさがほとばしる。 80年代のあの古めかしさを今の時代に合わせてちょっと変えながらもリスペクトされてるのが伝わってきてよかった。 リメイク前の映画はすごい昔に視聴済。何となくうろ覚えのまま見たけれど、大体内容は変わってなかったしパンツ一丁で戦うのもそのままでよかった。今みるとちょっとアホっぽい絵面なのもいい。

  • 4th.May
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ゴジラ×コング 新たなる帝国

モンスターユニバースに必要だったものは北斗の拳と世紀末感だったのだなと思いました。 ここまで来たらそろそろメガロドンとか出してもいいし、ついでにステイサムもモンスター枠で出しましょう。いけるいける。 コングとミニコングのコンビがとても可愛い。スピンオフで2匹の日常を撮影しようよ監督!! 2匹のアイコンタクトとてもよかった。 字幕で鑑賞。主要人物が手話で会話してるのとか、当たり前のように入れているのとかも良かった。そういう言語のひとつとして細かな意味合いをつけずに「普通に」使われて終わらせているのもいい。 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのようなノリの良さと描き方はほぼ扱いが添え物のようになっている人間サイドをうまく観客のノリに添わせるようにしているんだなーと思った。 ブライアンのファッションが相変わらず可愛くて缶バッジゴリゴリにつけるなら自分もあんな風にしようと思いました。ジブリの缶バッジコレクションがようやく日の目を浴びる。

  • 4th.May
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いろいろな幽霊

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読了〜。100の短編ということで、2ページから3ページ程度で終わるショートショートまとめという感じだったけれど、自分がこの手のお話をよく書くのでにっこりとしてみていた。 こういう短さで切り取られたワンシーンが好きなのです。イメージ的には映画のワンシークエンスを書き連ねただけのものもあれば、真面目にオチがついている話もある。100もあるので様々だし、途中で「意味わからん……」になる回もあったけれど概ね面白かった。 1話ごとタイトル下についたアイコンのイラストも可愛くてよい。 帯にあった「いつか幽霊になるあなたのためのふしぎな短編集」という言葉がいちばんセンスが光ってるなと思いながら読んでた。 作者による100の短編の主題などのまとめもいい。どこから発想をとばしたかという裏話が見られるので。

  • 1st.May
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その昔、N市では

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カシュニッツ短編集の第2弾がじきに発売されると聞いて慌てて読了。ほぼすべておばけ(ゴースト)の物語だったのでニコニコしながら読んだ。全部面白かった。 ひとつ読んだことあるなーと思ったのは、河出文庫の『ドイツ怪談集』に収録されているものだった。あちらでは「怪談」こちらでは「幽霊」というタイトル。めちゃくちゃオーソドックスなお話で大好き。 何がこんなに好きなんだろうと思ったけど、ゴーストたちの交わりが主人公たちにとっては居心地が悪くてしょうがないものだという不安定さがつぶさに描かれているからかなと思った。 その不安定さも、社会からあぶれてしまうのではないか常識的規範から外れてしまうのではないかという正直そこまで気にするほどのものじゃないじゃんみたいなことからグラグラ揺れている。 人間にとって、目の前のおばけよりも社会から外れることの方が怖いという心理はすごく正しくてだからこそ面白いんだろうな。 あと単純に文章が読みやすい……。

  • 23rd.Apr
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異人たち

めちゃくちゃに泣きました。若い頃の親/親族に会うというお話は『君たちはどう生きるか』や『思い出のマーニー』、『秘密の森の、その向こう』などがあるけれどそういった作品では「未来から来た自分の家族である」ということは知らないタイプ。今回の作品は最初からずっと「わたしの息子!」「俺の息子!」となっているところが不思議な魅力を持っていると感じる。 きっとこれは幸せなお話にはならないのだろうな、と思っていたのだが恋人と家族とのコミュニケーションから自分の過去と向き合っていく物語はひとつのケアのお話として心をゆさぶった。 それと同時に、この年齢になってようやく寛解されるものがあるのかと思って辛くなった。 監督と主演は1980年代という同性愛者に辛くあたる時代に子ども時代を過ごしていたそう。その経験があるからこそ、大人になってようやく――だったのかもしれない。 色褪せない山田太一のストーリーのうまさと、監督の脚本のうまさに泣かされた。

  • 22nd.Apr
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あの人たちが本を焼いた日

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ポストコロニアリズムとフェミニズムの観点からよく論じられている作家だなーと思います、ジーン・リース。 最近思うのは、こういう文脈で語られるフェミニズムってある種の知識層による「それもまた女性の解放! フェミニズム!」と断じられているような感じもあります。 わたしはその「勝手に宣言される感じ」がすごい最近嫌いで映画の『哀れなるものたち』をフェミニズム映画として消費された時にちょっと嫌悪感があったのですが。 そんなおり、こちらの書評を読んでみたら自己責任論の視点が出てました。 https://koiw.info/?p=589 あー、これかぁ! と納得したんですけども。「フェミニズム」としてのお話が、社会的に悪い方向に向かった人間が人として何とかしようとしていると読んでいるわたしと、女性という性別の方でみている視点があるんだなと納得しました。 こんな仕事ついてる人達がここまで考えてるなんて! みたいな謎の感動により「フェミニズム」と言われてるのアホらしいなと思ってるから最近人の感想読めない。 余談おわり……!! この作品での主人公は大体社会的な弱者たち。そして不幸をかぶせてもいい相手だと思われている。 その不幸も難しいのだが、大体「自分がもっと楽できるならいいか」という安易さから主人公たちのスペースやプライベートが脅かされているのだが周りはそれを悪意なく行ってくる。 この原著が刊行されたのはもっと前のはずなのだが、今でも変わらない話に辟易する。 短編集なのでいつも通りハマらない作品もあったのだが、「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」がいちばん面白かった。このタイトルに惹かれたというのもあって買ったのだが、自分を信じてよかった。 タイトルの意味を知る時のあの嫌な感じもいい。自分に残っているのはあの刑務所から聞こえてきた歌しかなかったのに。 まったく好転しない世界がつまっているのもいい。救われない、報われないフィクションのあり方だなと思う。

  • 22nd.Apr
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死んでから俺にはいろんなことがあった

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不法移民である主人公一家が、事故により全く知らない場所で迷子になる話。長編と言うよりは中編ぐらいの薄さでした。軽快な語り口調でどうしようもない方向に向かうさまは韓国映画みたいなユーモアがある。 ちょうど移民のお話をもっと読みたいなあと思っていて、書肆侃侃房での通販で海外文学ウスイホンがもらえると聞いて。 タイトルの『しんでから』はゴーストとかではなく、社会に居場所がない人間の話です。元々、居場所がなくてどうしようみたいな感じのお話を書いているところだったのでより高度な社会問題へユーモアと現実の辛苦を詰め込んだこの作品うまいなーとなりました。 (だがしかし原作自体は2009年なのでちょっと古めかしい内容もある) 不法移民なので主人公たちは警察には行きたくない、でも周りの人とコミュニケーションはとれない、自分の家に帰ることさえも分からない。 迷子になりやすい人間なので正直その心細さはとてもよく分かる。わたしも海外でひとりで迷子になったことあるよ……。疑ってかかっては正解も分からないのでどのぐらい悪化しているのかも分からなくて苦しんでた……。 (泣きながら歩いていたら、学校が休み? の子どもに助けてもらって駅まで連れて行ってもらいました。あの時は本当にありがとうね) エンディングも納得がいくというか、まあそういう風になるよなあのお話でした。不法移民が帰らなきゃいけなくなる話で言えば『息子の面影』というメキシコ映画の方が好きでしたね。 リカルド・アドルフォの脚本の映画あんまり日本に来ないので寂しい。MUBIで昔見られました。

  • 22nd.Apr
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鳥が人類を変えた

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ぬまがさワタリさんによるTwitterの紹介が面白かったので読んだ本。 鳥と人間の関わりというのは自分では全く意識してこなかったところなので、ものすごい勢いで読んでしまい途中で「読み終わりたくない……!」と駄々をこねていました。読み終わりました。めちゃくちゃ面白かったです。 捕獲される鳥、絶滅の危機に瀕している鳥、住処をおわれもうこの世にはいない鳥、生態そのものを勘違いされていた鳥など多種多様。表紙のリアルな鳥たちの姿もよかったです。ワタリガラスは神話から入ったのも面白かった。着眼点がちょっと人類学っぽい。 スズメのときの社会問題の話がいちばんしんどかった……。あれはスズメの話をしながら、結局はプロパガンダのお話をしているので。 途中のハトがいちばん面白かったです。(伝書鳩って郵送できるそうですね。なまものと、せいぶつ、で表記が同じだから間違えたら大変なことになるからと教訓にされているらしい。) コウテイペンギンの生きにくさを最後に持ってくるのは言わばこれを読んでいる人に向けての警告なのかなーと思いました。歴史を振り返り、人類が迷惑をかけたりした生き物たちと共存して過ごすことが可能かどうかの話だったと思います。 でも読み物としてふつうに面白いのでこれは子どもにあげてもいいかなと思いました。中高生なら読める。

  • 22nd.Apr
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