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参考記事]
SS・夢魔の密かな悩み(意志疎通の問題)
〔トレヴォの刃・本文〕
13th.Jul.2018
※[小劇場]バーンハンマー(2)の続きです。
*
「フラム。今決めている魔法は初めて使うんだろう?
今回の冒険で使う前に、どこかで練習させてもらったほうがいいんじゃないのかい」
セフェルの問いかけは一応仲間を気遣ってしたものだったが、
華奢な体つきの魔法使いからは静かな視線と沈黙だけが返ってきた。
こちらに向けられた深い海のような瞳から
その魔法使いの意図を正しく汲み取ることは、
人間と密接に関わって生きている夢魔の直感をもってしても難しい。
セフェルはそっと溜め息をついて眉を寄せた。
整った顔立ちによぎる陰が、人を誘惑して精気を吸う
彼の種族が生まれながらにして備えている美貌をより一層際立たせる。
この夢魔は、レイルおよびフラムとパーティを組むようになってから、
彼らとそれなりの日数を共に過ごしていたつもりではあった。
しかし、自分の隣に座っている高い水の魔力を持った人間の少年との
意思疎通を今でも時々難しく感じることがセフェルにはあった。
「(ヒューマンって普段はみんなこうなのかなぁ。
いや、でもレイルはもっと喋ってくれるし)」
彼が感じている困難は種族の特性ではなく、
単に当人の並み外れた口数の少なさによるものなのだが、
セフェルはまだ真相に気づいていない。
取り立てて反応がないところをみると、何もしなくても問題ないだろうか。
夢魔はひとまずそう結論した。
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