2016/08/21
ふと思い浮かんだプロローグ的な何か。
戦う少女と青年の話。
まだ続きがあるので、単独の作品として独立させるかも。
登場人物の性別は今後変更になる可能性があります。
***
the unnamed hero
1.手負いの戦士
「町を守れ!」
「やつらを来させるな!」
人々が口々に叫ぶ。
魔族が町へ攻めてくるという報せを受けて、戦える者たちが町の外に集まっていた。
押し寄せた魔族と人々の間で、炎の矢や光の弾丸が飛び交う。
青年と少女も戦いの中にいた。
青年――シファールはすらりとした体に風を纏って高速で宙を駆け、
魔族が放ってくる攻撃を掻い潜りながら敵陣の要所に雷の槍を降らせ、
また炸裂する火球をいくつも叩き込んでいた。
(なんて的確な攻め……)
少女は魔族の一団に向かって水の刃を飛ばしながら、青年の動きに思わず目を奪われた。
そのとき、上方から降り注ぐ毒々しい色をした光球の一つが
青年の体に当たり、その長身がぐらりと揺らいだ。
「シファールっ!」
少女が思わず叫ぶ。だが青年はすぐに体勢を立て直すと少女に向かって微笑んだ。
――大丈夫だよ。
そう言ったのが口の動きでわかった。
かつて青年が語った言葉が少女の耳の奥によみがえる。
――僕はもう、"血に染まる月"の呪いを受けているから。
これ以上あの魔弾を受けても、今以上の速さで呪いが僕の身体を侵食することはないんだ。
(でも……)
唇を噛み締める少女に、青年は戦いながら束の間微笑みかける。
強さに満ち溢れて見えるこの青年の命は、今こうしている間も
忌まわしい呪いによって少しずつ、だが確実に蝕まれているのだ。
――僕は都で伴侶を見つけて幸せになるはずだったのに、どうしてこんなことになったんだろうか。
少女が彼と出会って間もない頃、青年はそう言って
整った顔立ちに皮肉っぽい笑みを浮かべたのだった。
2016/07/04
僕の声はどこまで届くだろう
僕の翼でどれだけの人を救えるだろう
彼方まで広がる空は 果てしなく青く澄んで
翔ぶことを僕に決意させた君の声が この空を満たす深い青に溶けていく
2016/06/26
落書き集。
思い付いた物語の断片を適当に書き散らします。
制作準備中の「刻印の戦士」や「ルセリオ王国の栄光」のキャラそのもの、
またはそれに似たキャラが登場する予定。
2016/06/25
◎登場人物
○フレミア
炎使い
キャラ造形の原型はフェリア
「刻印の戦士」に登場予定
○パエティア
フレミアのきょうだい弟子
フレミアをライバル視している
フレミアに敵意を持っている
*****
○フレミアvsパエティア
パエティア「このっ……!」
パエティア、臨戦態勢に突入
「力」を発動させる
フレミア「よせ、パエティア。お前では私に勝てん」
パエティア「お前はいつもそうだ。いつも上から人を見下ろして……
勝てないかどうか、確かめさせてやる!」
戦闘開始
……
戦闘終了
炎に包まれて燃えているパエティアのなきがら
それに目をやって苦々しげに顔をしかめるフレミア
「……馬鹿が」
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