あまり使っていないけれど、よくできたシロモノだと思う製品があります。
モノライトはトンボ モノ消しゴムの変種の一ツ。たんにかたちが違うだけでなく、消しゴム生地も異なり、軽く消せるタイプ。
加えて、やや細長い形状が一行消しに適し、マークシートにも応えます。
1986年9月発売、塩ビ、日本製。
大小二種、開封リボン、U字カットあり。
†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、下5行めはそれを5回繰り返したもの、5回書き直した状態にあたります。多くても2回しか書き間違えないなら2行めを見てください。
左から1)
ぺんてるAinシュタイン0.3HB2)
パイロット ネオックスG 0.9HB3)
三菱ナノダイヤえんぴつB4)
三菱ナノダイヤ0.9HB◆消字力:良好
・消しかす;まとまらない
・消耗;少々遅い
・消し心地(消し味);硬め
・折れにくさ;折れにくい
生地はトンボ モノ/
SEEDレーダーやプラス オムニ青より硬く、
ホシヤ キープやステッドラー マルス526 50と同じくらいの硬さ。消字抵抗がオムニ青と同じくらい。
硬めの生地は折れにくいだけでなく、紙面に食い込んだ細芯の筆跡を消しやすく、細芯シャーペン併用に適します。
軟芯(3Bとか)も消せますが、あまり相性よくありません。軟芯にはプラス オムニ茶色や
トンボ濃いえんぴつ用消しゴム、
三菱なめらか学習消しゴムを薦めます。
軟芯使用を求められる小学校低学年に対して、本品はシャーペンを使う年齢層向けになるでしょう。
じゃあ標準モノはなんだと言えば、全年齢層向け。
大きいほうは100円モノと同価格ながら、あれより体積が大きく約1.5倍、消耗が少ないことと相俟ってお得感も大きい品です。
大小ありますが小さいほう──60円モノPE-01Aを100円モノPE-04Aくらいの長さに伸ばしたモノライトSがノート筆記に適します。
ノートの罫幅に沿って字を消すには断面積が小さいほうが便利なんです。
小さいほうは2000年代に比べ約1mm薄くなりました。他社同様、人知れずコストダウンされ、人知れずインフレしていることが窺えます。このインフレは総務省物価統計には現れません。
実のところノート筆記用なら薄いほうが一行消しに適するので、10mm以下に薄くしてもいいと思います。お得感はなくなりますけどね。
そこで登場したのがモノスマート5.5mmとSEEDレーダーライン5mmと思われますが、あちらが薄すぎて逆に扱いづらい、という場合には本品や
SEEDレーダーポイント10mm、
サクラ アーチスリム7.5mm厚がよいでしょう。
競合品が種々ありますが、だいたい一長一短なので適材適所に使い分けることを勧めるんですけど、一ツしか選ばない・選べないのだったらモノライトSを薦めます。
そして、その座を奪いかねない製品がレーダーポイントや次々回のアーチスリムなのですが、アーチスリムにはたわみやすい難点があり価格2.5倍、体積比でも価格約2.5倍です。
プラスWエアインや
ラビット フォームイレーザーWなど強力な他社競合品が現れ、またトンボからは後年さらに軽く消せる
エアタッチが、さらに薄いモノスマートが発売されて本品の価値が低下しましたが、順当な消字性能と費用対効果で好感がもてる良品です。
やや細長い形状も使い勝手がよく、私はこれが消しゴム形状の新たな標準になる、なんて思ってましたが追随したのは
ぺんてるシュタイン消しゴムくらいでした。
モノライトは入手しやすいのも長所、コンビニでは見かけなかったと思いますが文具店ではよく見かけます。
しかしアフィ的には、積極的に取り上げる気にはなれない短所でもあります。通販で注文することなく買えますからね。
これまた日本字消工業会マークがなくなっていました。
古いほうが消字抵抗が低い。 トンボ モノ消しゴムの製造元がSEEDというのは公然の秘密としてよく知られていますが、モノライトの元製品もまたSEEDカルサーラCS- (2003年1月発売2018年ころ製造中止)のようです。その前身がSEEDフォーシャープ、モノライト発売一ヶ月前に発売された消しゴムでした。
次回は、本品より一字消ししやすいノック式φ6.7mm消しゴム
トンボ モノスティック。そして次々回はモノライトとφ6.7mm双方をいいとこ取りしたような
サクラ アーチスリムタイプです。