無個性と評されることが多いモダン建築ですが、本書記載の建築にはそれぞれ特徴があり、宗教施設も東西合わせて4件あります。
近代(モダン)デザインは機械の時代に合わせ、生産性向上のために装飾を排した禁欲的な、また時間軸と地域性からの解放を目指して歴史性や民族性を拒んだ特徴があります。
そのようなモダン建築は普遍/不変的で時代に左右されないことを期待され、意外に宗教と相性がいいのでしょうね。
けれども(本書で知ったのですが)日本建築界には「モダニズム建築と日本の伝統建築とのかかわりをテーマとして(略)丹下健三の建築が桂離宮や伊勢神宮などとの関連で語られたりしていた」(東日本編p73)伝統論争がありました。
モダニズム建築家として有名な丹下ですが自伝「一本の鉛筆から」(日本図書センター/1997)には、伝統的な庇と縁側をコンクリートで再現した香川県庁舎(1955-58)について「出来上がった当時はいろいろと議論もあった」(前掲書p73)と記され、続く倉吉市庁舎(共同設計1956)では「ここでも柱、梁、ひさしといった日本の伝統を市庁舎の中に素直に表現してみた。のちにグロピウスがこれを見て、「歴史に残る名建築」と大変ほめてくれた。(略)この言葉には、大変勇気付けられたものである。」同p74とあり、時代や地域性からの解放を目指したモダニズムと、歴史性や民族性を背景にする伝統を合わせようとしていたことが窺えます。
グロピウスの自著には「わたくしは、茶道の影響がすべての伝統的建築の概念に行き渡っていることを発見して驚嘆し(略)それは貧困さに威厳を与えており、その模範こそ、最悪の環境にある場合にも、人びとが示す異常な士気を説明するものでありましょう。
今日では(引用註1954年頃)、若い日本人たち自身がこのみずから課した節約にうんざりして、この「高貴な貧困」という環境に反逆しはじめたのであります。」(
デモクラシーのアポロンp136-137)そして「富士山に近い日本旅館で、二十人ばかりの建築家たちと果しない議論を重ねた」同p139とあります。
訳者
桐敷真次郎は、「国際建築の世界的普及が各地の伝統文化を破壊してゆく姿は、たしかに晩年のグロピウスを最も悩ませた問題のひとつであった。しかし、グロピウスを迎えた日本人建築家たちは、この革命的巨匠が他の外人観光客とほとんど変わるところのない「伝統文化びいき」であることを知って、「グロピウス老いたり」と失望したのであった。」同p239と書いていますが、丹下が最も有名な日本人建築家となっていったことを考えると、一面的な解説だったのかもしれません。
ippo!の消しゴム、2010年末発売。
塩ビ系、名前欄つき、日本製? 百円。青とピンクがあります。製造元はなんとヒノデワシ。
鉛筆が5本入る筆箱にぴたりと入る大きさ。
三菱学習消しゴムより小さく、従来の百円消しゴムの七割と体積が小さいので実質値上げでもあります。
紙巻きの線状の凹みは滑り止め。消しゴムが減るにつれ紙巻きを切り詰めるので、名前欄を長手方向に添わせたのは誤りに思います。
消字力は高く、HBから6B用を謳うだけあってよく消せます。
右から本品、プラスオムニ茶、
プラスWエアイン。三種ともヒノデワシ製、さほど力をかけることなく消せて、滑り止めはなくてもいいくらい。
紙はショウワノートジャポニカ学習帳、鉛筆は
トンボモノ。
これからの消しゴムは、マークシート用のように断面積を小さくして細身になっていくと予想していましたが、本品は三菱学習消しゴムよりも寸詰まりで折れにくくなっており、力加減を調節できない低学年向けだけではなく、消しゴムを折ってしまう成人にも向いています。
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