日本で消しゴムと言ったら
シード レーダーに代表される塩ビ消しゴムが主流なんですけど、欧州では環境ホルモン疑惑から合成ゴム系があったり、伝統的な天然ゴム系がまだあったりします。
今回はチェコの鉛筆会社Koh-I-Noorの、たぶん天然ゴム系消しゴム。チェコ製。
品番
小6240 41
中6241 52
大6242 70
◆消字力
思ったよりいい成績でした。
モノワンと同等と言ったら言い過ぎでしょうか。
もしかしたらフタル酸エステル類を配合しているんじゃないかと思い、消しかすがスチロール樹脂を溶かすか試してみましたが、半年後経っても確認できませんでした。
†上辺が左辺になるよう、画像を横にして見てください。
‡紙はコクヨキャンパス
画像の1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
(画像を横にしたとき)左から
ぺんてるAinシュタイン0.3HB、
パイロット ネオックスG 0.9HB、
三菱ナノダイヤえんぴつB、
三菱ナノダイヤ0.9HB(画像を横にしたとき)左から
ぺんてるAinシュタイン0.3HB、同0.9B、
三菱ユニB、同3B、Koh-I-Noor1500/3B
消したときの感触は、
・塩ビより少し硬く、消字抵抗は同じくらい。
・消しかすはまとまらず、減りが遅い=消耗しにくい。
Koh-I-Noor公式HPを見るとSOFT ERASERとのことなんですけど、それほど軟らかい消しゴム生地ではありません。
だけれども、生地に研磨剤が混入されているようには感じられず、紙をあまり傷めないのです。
円盤形状だからカドで消すなんてもちろんできない。
消しゴムはどっちみち丸くなるのだからカドに依る消し方など一時しのぎの方法であって、丸くなってもうまく消せる方法を身につけるべきなのです。
そんなの覚えても社会では役立ちませんが、工夫する姿勢が応用力を高めるのです。とか書いたら売上伸びそう。
実際には繰出式消しゴムや薄型消しゴムと併用することをおすすめします。
これは本品に限ったことではなく、従来の塩ビ製直方体消しゴムについても同じことが言えます。
天然ゴム系には、日光にあたると劣化(老化)して表面が硬化する欠点があります。
本品は数日間日光に曝しても問題ありません。
古くなったらその限りではないと予想しますが、ちゃんと使い続けていれば日光にあたっても支障なく消せるのが天然ゴム系でもあるから、日常的に使っていれば支障ないと予想します。
それで、数ヶ月以上放置してみました。
すると変色して劣化、字を消せなくなります。
表面が劣化しているだけなので、劣化部分をこすりとれば回復し、一部でもはがせたら、使うにつれて拡げてゆけます。
日本ではほとんど評価されない天然ゴム系消しゴムですけど、私はこれの感触が好きで、ふだんはそれ系しか使っていません。
今回の円盤消しゴムは前述通り細部を消すには向かないので、別の消しゴムと併用していますが、もちろんそれも天然ゴム系です。
この種の消しゴムはマニアのほかには雑貨好きくらいにしか興味をもたれず、ひっそり売られています。
本品は消字力良好で一般にも薦められる製品ですけれどもKoh-I-Noor製品なのでやはり(日本では)マニア向けですね。