ベルリンの壁崩壊間もない1990年3月刊。著者の予想によれば、東西分断されていた当時のドイツは東西間経済格差が大きく、性急な再統一は経済的混乱を招くため、時間をかけて格差を解消してゆるやかに統合、結果、大ドイツ経済圏が登場する……だったがそれは見事に外れ、現実のドイツは'90年10月に再統一、そして不況にみまわれた。著者の予想通りである。んん?
当時、息も絶え絶えだった共産主義が息を吹き返す現在(その状況を用意したのが資本主義というのは歴史の皮肉か新自由主義の罠かはたまたコミンテルンの陰謀か)に読むと面白い。
斜陽産業であるはずの文具業界に、新技術導入や大幅な改良が為された製品がいくつか登場しました。パイロットAインク、フリクション、三菱ジェットストリーム、クルトガ……ナノダイヤ芯はそのうちの一つで、微細なダイヤモンドを芯に配合し、相反する性能──なめらかさと強度を向上させようとしたものです。日本製。
.3mm (15本入り)から.9mm (36本入り)までの五芯径あり、三菱鉛筆の注力ぶりが窺えます。主力シャーペン芯をナノダイヤに切り替えるつもりなのかもしれませんね。
※2021年製造中止
容器はねじれた側面に特徴があり、蓋を横にずらして開け、二段階に開けられるとのことですが、境目がちょっと曖昧。
黒鉛芯による筆跡は蛍光灯の光を反射して見づらくなり、これは本品も例外ではありません。しかし同社9800鉛筆等に比べればずいぶんとましなほうで、ハイユニ鉛筆よりも良好です。
ダイヤ配合だからって筆跡がキラッと輝いたりはしない。
.3/HB芯を40mmの空隙に30mm間隔で二本渡すと、52gの錘りに耐えることができ、同荷重で折れる同社ハイユニ芯より強度向上しています。
書き味については厚口トレーシングペーパーに書くようなしゃらしゃらした感触があり、好みがわかれるところに思います。
優れた製品ですが、通常使用ではそのことになかなか気づきません。
ナノダイヤはそれより、新技術を導入しながらも、
ユニのように従来品の数倍の値をつけて高級感を演出する戦略をとらなかったことや五芯径展開などが評価されるでしょう。
2009年2月末までキャンペーン中。*3/15まで延長
http://uni-nanodia.jp/ 発売時、.5mmしか店頭になく、肩身が狭い.7/.9使いは通販しかないと思いましたが、キャンペーンが始まったり2008年下期日経ヒット商品番付
流通業界ニュースが発表された頃から他芯径も並び始めて安堵した気分でした。
黒鉛粉末は潤滑効能があるらしいのですが、これはどうなんだろう。
.3から.9まで揃ってるとは素晴らしい。