[簡易SS・レッカとシェナ]風を切って駆ける (3・完)
19th.Feb.2017
レッカ「――そら、行けっ!」
レッカが言うと、神獣が一声応えて駆け出す
ゴウッ
シェナ「(わ……速いっ)」
レッカ「ちゃんと掴まってろ」
ぐっ
風を切って駆ける神獣の背で、シェナが落ちないようにと
シェナの背中から脇腹のあたりへ手を回してきつく抱き寄せるような態勢を取るレッカ
シェナ「……うん」
ぎゅっ
レッカの体に両腕を回してしっかりと抱きつくシェナ
体を密着させていると、レッカの体温や
筋肉質なたくましい体の感触、心臓の鼓動などが伝わってくる
シェナ「(何だろう……ドキドキする)」
思いがけない胸のざわめきにシェナは戸惑ったが、高鳴る鼓動の理由はまだ分からず。
疾駆する神獣の背で、年若い王女は
迷いのない表情で神秘の獣を駆る隣国の王子の力強い腕の中に身を任せていた。