まとめ 1- 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 22 / 23 / 24 / 25 / 26 / 27 / 28 / 29 / 30 / 31 / 32 / 33 / 34 / 35 / 36 / 37 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 43 / 44 / 45 / 46 / 47 / 48 / 49 / 50 / 51 / 52

魔女の森任務28


◆任務2日目

  ナックルシティ北 ヨノワール邸内


私の居場所を見つけるなんて、軍には優秀な諜報員がいるようだね。

とーぜんだろ?
軍も暇じゃねーの、あんましお前らに構う気ないんだわ。
わざわざ来てやったんだから丁重にもてなしてもらわねぇと困るぜ?
まずは姿を現してもらおうじゃん。

すまないが、こちらもあまり時間があるわけではないのでね、そう相手をしてやれないんだ。(姿を現す)

お前がヨノワールか。

ヨノワールという種族ではあるな。
ただ君たちが探しているヨノワールかは知らない。

ヨノワール以外で識別に適した言葉が無い。
名前でも分かればそれで呼ぶが。

なるほど、それならヒデリと呼ぶといい。
この体の持ち主がそう呼ばれていた。
この体を見知っている者はそう呼ぶだろう。

……魂を操作できるって情報は本当だったのか。

よく調べている。
私は魂を操作できる。
もう少し詳しく教えてあげよう。
生きた人間から魂を取り出すことができる。
そして、体に魂を入れることができる。
外傷は伴わない。
物理的に心臓を引きずり出すわけではないからね。

なら聞くが、今回の、魔女の森での誘拐事件はお前が仕掛けたものか?

魔女の森か。
魔女の森の子供がどのようにして魔法を発現させるのか気になったものでね。
だが子供は返したろう?
今さら子供がどうしたと言うんだ。

目を覚まさねぇ。
お前が魂をすり替えたからだろ。

ああ、眠ったままなのか。
起こせばいいと言ったのに。

すり替わった魂で目覚めても何も解決しない。
元の魂を返せ。

君たちには魂の区別なんてつかないのに、そんな必要ないだろう。
私がこれだと渡したものが本物かどうかも分からない。
抜き取った魂は私の実験に大いに役立つはずだ。
諦めて帰るんだよ。
ああ、しかし眠ったままなのは失礼したね。
軍に拘束されているゲンガーの子に目を覚めさせるように言ってみるといい。

勝手なことを言うな。
彼女たちにとっては、あの子があの子でなくなっては意味が無い。
人の本体が魂だと言うなら、他人の魂で良いなどどの口が言える。

大体なんでそんな子供の魂なんか……
お前は魂を操作できるかもしれんけど、その子供が将来魔法が使えるようになるかどうかも分かんのか?

見れば分かるよ。

……ふーん。
何が違うんだ?

もしかして、君は魂が見えるのかい?

まあな。

おやおや、それは素晴らしい。
私は見える子を集めている。
同志として君も私に協力してくれないか?

んなわけ

断る。

……。
んえ?

君が答えるのはおかしな話だ。
ガラル軍は他人に縛られるような組織ではないはずだよ。
ねぇ君?

黙れ、反吐が出る。
こいつはどうしたってお前と同じ道を進むことは無い。

さあどうだろうね。
見える子と見えない子ではものの価値観や、経験だって違うはずだからね。
君も見えることで、他人との差を、感じたことがあるはずだ。
化け物と虐げられたことがあるんじゃないかい?

黙れ。
そんな言葉に揺らぐようなやつじゃない。

……。

その唆す行為自体が侮辱だ。
何度つらく苦しい目に遭ったか、それでも道を違えることは無い。

その子の痛みが分かるのか?

こいつは俺に耐えられない痛みを何度も味わっている。

なぜそう思う。

話してくれたからだ。

ああ、お前ちゃんと聞いてたんだ。

……。(しまった……)
こいつはお前の誘いに乗るほど軽率じゃない。

……ふふ、過保護は子の教育に悪影響を及ぼすのではないかな?

誰が子供だゴルァ!!!
ウッセーんだよさっきから、うちに来ないか?だってよキッショ!
んな陰湿なとこ1時間だって居たくねぇわ!
まずお前と同じ空間にいること自体、そう、反吐が出るってな!!!

……なるほど、しつけもある程度必要かな。
いや、魂だけになればいくら君のような元気な者でも、手も足も出ないからね。

させない。

いや、こんないい素材を取り逃すなんてもったいない。(シャドーボール)

はんっ、死んだってお前のもんにはなんねぇよ!







トウヤ!

待てキーウェン!!!

ッ、デッドラッド!?
えっ、ちょっと、右腕は!?

ある!
待て待て、こっち来るな!
俺がそっちに行く!

えっ、あ、うん!
でもなに、どうしたの!?

……あれ見てみ、今トウヤ、キレてんの。

……え?
……うわ……

あれがヨノワールな。
やっぱアイツが女の子攫えって指示出して、魂を入れ替えたってよ。
んで、手元に女の子の魂持ってるらしい。
アイツがトウヤを煽った上、俺の腕ぶっちぎったせいでトウヤがめっちゃキレてんの。

あ、あのねデッドラッド、説明ありがたいんだけど、腕治しに帰った方が良いでしょ……!

待ってくれ。
この後俺がいなきゃ誰が魂持って帰ってやれんだよ。

えっ……、デッドラッド、魂を触れるの?

知らんよ、触ろうと思ったこともねぇし。
でもさっき、ビンに詰められた魂を見た。
あの辺のビンでも使えば持ち運びはできるだろうよ。
後は魔女の森の代表さんにどうにかしてもらうしかねぇ。

……じゃあ、とりあえずヨノワールを捕まえるまで気を失わないように頼むね。

たりめーよ。







ああ、君は相当強いね。(斬撃を避ける)

……。(剣を振るい続ける)

ただ迷っているんじゃないかい?
この体は私のものじゃないんだ。
見ず知らずの一般人の体を、君は傷つけられるかな?

……黙れ。

君には魂が見えないから、私が死んだかどうか分からないだろう。
君がこの体を引き裂いても、縛り上げても、そこにはもう私はいないんだ。

黙れ。

早くここから出ないと、あの子は失血死してしまうよ?

同志だと言っておきながら平気で腕を落とすような人間にきく耳など持っていない。
お前は必ず捕まえる。

君は戦闘能力に長けているが、私が求めているのは天性の能力だ。
その能力は魂に強く結びつく。
魂を体に定着できれば、その力は宿主のものとなる。
……この4度目の体も、そろそろガタが来ていてね、乗り換え時だよ。
だから、君には少し……



乗り換えの手伝いをしてもらおうか。(トウヤに顔を斬られる)

……ッ、デッドラッド!!

おう!!

シャラン……(女が姿を現す)

……?(女?)

……。(ヒデリの体にランタンを当てる)

……何をしている?

……。
……「  」。(トウヤに向きボソボソと喋る)

……うっ(激しい頭痛に襲われる)

トウヤ!!(女を黒い帯で拘束する)

……。(黒い帯をすり抜ける)

てめぇ、取っただろ、ヨノワールの魂を……!!

ははは、そう怒らないでくれるかい?
この子の仕事なんだ。
……君の力はいずれ貰うよ。
今回は子供の魂を添えて失礼する。
また会える日を楽しみにしているよ。

待て、逃げるな!(女に手を伸ばす)

……。(姿を消す)

……!
……クソッ

トウヤ、ヨノワールの懐に魂が挟まってる。
これが女の子の魂かもしんねぇ。

……持てるか?

……。
……お、おぉ、なんか、ちゃんとビンに入ってる……!
やばいな!

ちょっと興奮してる場合じゃないでしょ……!

分かってんよ!
トウヤ、お前先にこれ持ってって、代表さんに渡してくれ。
あとは任せるしかねぇ。

……了解。

この遺体と、……あと、さっき見た、魂が保管されてた部屋、まだ魂が残ってたら、一応回収しとく。

ああ、そっちは頼んだぞ。

デッドラッドのことは俺に任せて。

なん

頼んだ。(魔女の森へ向かう)




→ 1-52 魔女の森任務29

← 1-50 魔女の森任務27

←←HOMEへ戻る



まとめ 1- 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 22 / 23 / 24 / 25 / 26 / 27 / 28 / 29 / 30 / 31 / 32 / 33 / 34 / 35 / 36 / 37 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 43 / 44 / 45 / 46 / 47 / 48 / 49 / 50 / 51 / 52