◆任務初日

　　ルミナスメイズの森　アラベスク側入り口付近

よっし、やるか〜！
んじゃ、キーウェン、こっからどうするよ。
とりあえずラピートに頼むか。

たちまちは……。
後はもうしらみ潰しかな。
匂いがあればその方向に、上から見えた建物については全部中を確認する。

おう、じゃ、ラピート〜
ん？
ラピートどこ？

はいっ！はい！！はい！！！
ただいま戻りました！！！(ダッシュ)

ど、どした、どこ行ってた？うんこ？

違います！！！
僕さっき悔しくて！
匂いが強いからってだけでここに女の子がいるって決めつけて！！
そんなこともうしません、ちゃんと姿を見るまでぬかりなく完璧に居場所を特定します！

お、おう、張り切ってんな〜

ということで！！
建物の周囲半径200mほど、気合い入れて臭気を検索してきましたので結果をお知らせします！！！！！

おっ、何か見つかったか？

まだ分かりません！
とりあえず情報を共有します！
まず周囲の隊員以外のにおいが複数残っていました。
女の子のものもあります。

おおー、やるじゃん！

それ以外に先程の男性2人のもの、臭い元正体不明が3名分です。
人の出入りが少ない森で助かりました、スムーズにそれぞれの足取りを追うことができました！
臭いの始まりにご案内します！

よっしゃ、ラカルト、お前も来い！

了解。

　　ルミナスメイズの森　魔女の森　マリアの広間

(ﾋﾟｸｯ)……セイル？
あなたたち、下がりなさい。

マリア様？

……ん、アンシェラさん、下がってください。

どうかされました？

マリアさんの指示のとおり、下がっていてください。
何か来るみたいだ。

は、はい……っ

フレデリシア、君は……戦えるか？

外に出る許可が出るくらいには戦えるわよ。

なるほど。
マリアさん、緊急事態であればここから出していただけますか？
私も加勢します。

……。

逃げたりしませんよ。
ここを守りたい。

……そこにいなさい。

……。

ごめんなさい、もう少し待っててくれる？

……うん、仕方ない。

……。
ここに入ることを許していませんが。

……ふふっ、ここは僕の公園だよ。(突然姿を現す)

！？
……この男、どこから現れたんだ？

ここは私たちの家です。
あなたが土足で踏み入れることは、代表として許すわけにはいきません。
再びこの土地を火の海にはさせない。

根に持ってるんだ。あんなのただの遊びじゃない。
子供というのはじわじわとものが燃えるのも、建物が崩れるのも楽しいんだ。
だからまた見たいなと思うのも当然のことじゃない？

出ていきなさい。

まだ遊びたりないね。

……。
セイルはどこです？

セイルってなぁに？

森の番をしてくれている女の子です。

うーん、見たかなぁ？

……。

ああ、僕は友達を連れていたんだけど、森ではぐれちゃってさぁ、見かけたら教えてくれない？
女の子食べるの楽しみにしてたからさ〜、もしかしたらそっちが食べちゃってるかもね〜

！
……、あなたはここで殺すべきですね……(光の槍を男に向ける)

……！
マリアさん、私が相手をします、ここから出してください！
女の子をみんな退らせてください！

あれ〜？
マリアちゃん何捕まえたの？
可愛いねぇ、ペットにでもするの？
ちょっと出してみてよ、僕にも遊ばせてくれない？

あなたには関係の無いことです。

関係あるよ、僕のおもちゃだよ？
ねぇお姉さん、そこから出たい？出してあげよっか？
その結界が破れた瞬間が僕との遊びのスタートだからね。
出られたからって油断しちゃだめだよ？
すぐ死んじゃうから、そしたら楽しくないでしょ。
はーいじゃあ、行くよ〜(地面に両手を当てる)

……っ、マリアさん！
みんなを防御してください！(建物から出なければ……！)

ドォンッ(床からいくつもの岩が飛び出してくる)

キャァアアアっ！(複数の女性の悲鳴)





っ！
ごめんなさい、マリア様……(よろめきながら立ち上がる)

フレデリシア、みんなを避難させてちょうだい。

は、はい……！(イーリスは……！？あの男と戦ってる……、互角に戦ってる、意外と戦えるのね……！)

フレデリシア……！

アンシェラ！
怪我は無い！？

イーリスさんを助けて！
フレデリシアならできるよね……！？
お願い……っ！

もちろん手助けはするわ。
いくら戦えると言ってもそれはこの森のみんなの中ではということなの。
私にできることはやるから、あなたは安全な所でみんなと一緒にいてちょうだい……！

お願い、お願いね！

ええ、分かってる！







わぁ、お姉さん意外と動けるんだ〜

……っ、表へ出ろ！
建物を攻撃するんじゃない！！

ええ〜なんで？
崩れた方が楽しいじゃん！
激しい戦いが繰り広げられている！って感じがしない？

いらない！！(電撃をぶつける)

じゃあお姉さんの名前を教えてくれたら外に出てあげてもいいよ？(かわす)

……。
君の言葉は信用できないが……イーリスだ。

イーリスちゃん！
可愛いねぇ〜！
可愛いと潰し甲斐があるんだよね〜
可愛い顔もぐっちゃぐちゃになってただの肉になる、可愛いよね〜！
あははっ、それを僕の友達が食べちゃうんだけど。

いいから外へ出ろ。

え〜どうしよっかな。
マリアちゃんがどっか行っちゃうと面倒だからなぁ。
イーリスちゃんとマリアちゃんを殺した後で出てあげるよ。

遅すぎだ。

君に僕を無理やり外へ投げ飛ばすほどの馬力は無いでしょ。

見ての通りだ。
じゃあこちらからも聞こう……君の名前は？

教えてあげなーい。

何しにここへ来た。

だから遊びに来たんだって〜

なぜ今日なんだ。

たまたまだよ。
来たくなったから。
今日がどうかしたのかな〜？

私がここへ来たのもたまたまだ。
面倒なやつと鉢合わせたと思ってな。

えーっ、運命じゃん！
えっえっ、お祝いする？
君の肉でケーキでも作ろっか？

遠慮する。

ステーキが良かった？

……。
君のお友達はどんなやつだ？

食いしん坊だね。

お前はバンギラスだろう。
お友達はどうだ？

あ？
なんだったっけ、よく食べるやつ。
僕、昔から種族に興味がなくてさぁ〜

それは緑色か？

クイズ？
そうそう、緑色の髪の毛してた気がする。

ああ、あのよく食べてよく眠るデカいのかな……

えっ、分かったの！？
なんて名前〜？

ふっ、教えてあげない。

……ふーん。
じゃあ、力ずくで教えてもらお〜(イーリスの懐に飛び込む)

……ッ(バンギのくせに速いな……！)

ほーら痛いよ！(イーリスの腕を掴んで腹を蹴り上げる)

うっ……、おぇっ……けほっ(腕を掴まれたまま膝をつく)

うんうん、か弱い女の子みたいで可愛いよ。
イーリスちゃんの電撃は痛そうだから、この腕ちぎってもいいよね。

……はっ(全身から放電)

いった！(腕を離す)

いってぇ、腹ヤバいぞバンギの蹴り重過ぎないか……？(腹さすりながら立ち上がる)

やっぱイーリスちゃんの電気痛い！
めちゃくちゃドクドクじわじわしてるよ！

電撃を食らった傷口に毒を盛ったからな。

えっ、なにそれ！！
毒とか怖ーい！というか陰湿！

元から私の戦闘スタイルだよ。

じゃあ僕は毒で死ぬんだ？

……殺しはしない。

致死性の毒は扱えないんだ？

さあどうかな。
ただ君が遊ぶ程の余裕はなくなると思うぞ。

あらら、じゃあ動けなくなる前にイーリスちゃんもマリアちゃんもその他大勢の女の子を殺さなくちゃねぇ？(地面に手をつける)

殺すのが目的なのか。

さあ？
ちゃんと僕を取り調べてごらんよ……！

チッ……(もっと煽って私に攻撃を向けるしかないか……)

イーリスちゃゴッッ(突然飛んできた何かに潰される)

えっ何……？
何か飛んできた……
……死んだか……？

(動かない)

……飛んできたのは……、カビゴンの男か？
……もしかして友達と言っていたのはこいつのことか。

お下がりください。

……！
君は……




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